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唇が荒れる・乾燥する原因と解決のための対処ケア
「リップクリームを使用しているのに、しょっちゅう唇が荒れてしまう」という人は、空気の乾燥や紫外線ではなく、もっと深刻な原因が潜んでいる可能性が!?ドクター監修の記事で、唇の慢性的な荒れの原因と対処法をご紹介します。
唇は、顔の中でもデリケートな部分です。通常、皮膚は皮脂腺から分泌される皮脂の膜によって外部から受ける刺激から守られていますが、唇には皮脂腺がないため、この皮脂膜によって守られません。そのため、水分が蒸発しやすく、気づくとカサカサに乾燥していたりします。しかし、唇がいつも乾燥しているという方は、なんらかの原因となることがあると考えられます。
リップクリームなどでケアしていても、気づくと唇が荒れていることがあるという方は、唇が乾燥する原因に心あたりがないかチェックしてみませんか。ここでは、唇が乾燥して荒れる原因と対策をご紹介します。慢性的な唇の荒れには病気が潜んでいる場合もあるので、当てはまる部分がないか見てみましょう。
唇がカサカサに乾燥する・荒れる理由
唇が乾燥して荒れる原因には、病気によるものと病気以外の原因によるものがあります。まずは病気以外で唇の乾燥や荒れの原因となることをご紹介します。
唇を何度も舐める
唇を頻繁になめると、それが刺激となり唇の乾燥を招きます。空気が乾燥する季節になると唇が乾きやすくなり、それを改善したくて唇をなめる場合もあります。しかし、それは逆効果です。唾液の刺激で乾燥したり、唾液が蒸発するときに唇の水分も一緒に持っていったりして余計乾燥してしまうのです。
特に子供には、冬になると唇をしきりになめて唇を湿らそうとしている場合があります。ひどくなると、唇の乾燥だけではなく、唇がひび割れたり、赤くなったりします。
食生活の乱れや栄養不足
角質層が薄く、皮脂腺がほとんどない唇は、皮膚の中でも特に栄養不足による肌荒れがダイレクトに現れてしまいます。普段から外食やコンビニ食が多い、口内炎やニキビなどの肌荒れを併発している場合は注意が必要です。
皮脂腺がなく、乾燥しがちで荒れやすい唇。しかし、一時的なケア不足で荒れたのではなく、常に唇の荒れに悩まされているようであれば、以下のような原因が潜んでいる場合があります。
メイクの落とし残しや汚れの付着
リップメイクの落とし残しや汚れなどが付着したままだと、それが刺激となって唇が荒れることがあります。また、歯磨き粉や刺激の強い食べ物などを唇についたままにしていても、その刺激で唇の荒れを引き起こされます。
空気の乾燥
唇は、前述したとおり皮脂膜で守られない器官です。また、皮膚の表面には「角質層」という外部の刺激から肌を守る層がありますが、唇はこの角質層も非常に薄いため、ただでさえ水分が蒸発しやすい状態にあります。そのため、空気の乾燥する冬や、エアコンを多用して空気が乾いているオフィスなどでは唇が乾燥しやすく、唇の荒れを招きやすいのです。
ここまで、空気の乾燥や摩擦、汚れ、唇をなめることによる刺激、食生活の乱れといった生活習慣の中にある唇の乾燥の原因について解説してきました。しかし、唇の乾燥は病気によって引き起こされる可能性もあります。どのような病気が唇の乾燥を招くのか、次の項目でご紹介しましょう。
唇の荒れを引き起こす病気
唇の荒れを招く病気は、主に2つです。
- 接触性口唇炎
- アトピー性口唇炎
それぞれ、どのような病気か解説します。
接触性口唇炎
接触性口唇炎とは、唇に付着した物質が刺激となって起きる唇の炎症です。赤く腫れたり、水疱や湿疹ができたりします。かさぶたができる場合もあります。また、接触性口唇炎にもアレルギーが誘因となっているアレルギー性接触口唇炎と、単純に付着した物質の刺激で起こる一次性刺激接触性口唇炎の2種類があります。
接触性口唇炎の原因となる物質はさまざまです。一次性刺激接触性口唇炎の原因となるのは、化粧品などの強い刺激を持つ物質です。唇の荒れを改善したくてつけていたリップクリームのメンソールが強くて荒れるといった可能性も考えられます。
一方、アレルギー性接触口唇炎は、アレルギーを引き起こす原因物質によるものです。たとえば、虫歯の治療などで使用される金属、薬、化粧品、マンゴーや銀杏など、さまざまなものが考えられます。
アトピー性口唇炎
アトピー性口唇炎は、肌のバリア機能が正常に働かないことと、アレルギー反応や外部からの刺激によって起こります。アトピー性皮膚炎と同じです。唇の乾燥のほか、唇がひび割れたり、皮がめくれたりします。アトピー性皮膚炎と同じく、くりかえすこともあります。
アトピー性口唇炎の原因は明らかにはなっていません。しかし、口の中の常在菌のバランスがなんらかの原因で崩れたり、栄養バランスが乱れたりといった可能性が考えられるといわれています。また、遺伝的な要因や日焼けも関係するのではないかといわれています。
リップクリームや口紅による皮膚炎等への対処ケア
市販のリップクリームがアレルギーや皮膚炎の原因物質になっている可能性があるため、使用を停止し、純度の高い精製ワセリンなどの刺激のないものを使用することをおすすめします。また、唇をよくなめたり噛んだりするクセがある場合は、できるだけやめるよう意識してみてください。空気が乾燥しているときや、唇の乾燥が気になってつい舌なめずりしてしまう場合には、マスクをするとよいでしょう。マスクによって口のまわりの空気が加湿され、あまり唇をなめなくなります。
通常は、特に治療を受けずとも唇の荒れは気づけば治っていることも多いでしょう。しかし、症状が治まらない場合や、唇の状態が異常と感じられる場合は、医師に相談するようにしましょう。
はちみつやワセリンを使った唇パックもおすすめ
唇の荒れを改善するのに、はちみつやワセリンを使った唇のパックを行う方法もあります。リップクリームの成分に反応して唇が荒れてしまうという方でも使用できる場合もあるため、唇が乾燥するけどリップクリームを使えないという場合におすすめです。ただし、アレルギー反応が起きないとは限らないため、刺激を感じたらすぐに中止することが大切です。
詳しい方法などは『簡単で即効性あり!正しい唇パックの方法』で解説しています。
荒れを防ぐ栄養素を摂って予防
唇の荒れに関係する栄養素として、ビタミンB2とB6があげられます。
ビタミンB2には、皮膚や粘膜の健康維持を助ける働きがあります。不足すると唇の荒れのほか、舌や口の中の炎症を起こしたり、口角が切れたりといった粘膜のトラブルが起きやすくなります。ビタミンB2は卵や納豆、乳製品、葉物の野菜などに多い傾向があります。なお、そのほかにも脂質や糖質、タンパク質をエネルギーに変えるのを助ける働きもあり、食べすぎや飲みすぎなどで多く消費されます。
また、ビタミンB6も皮膚や粘膜の健康維持を助ける働きを持っています。不足することでビタミンB2と同じく口内炎あんどが起こりやすくなるほか、貧血なども起こるとされています。多く含まれる食品は、バナナやレバー、かつおやまぐろなどの魚などです。
ビタミンB2もB6も水溶性で、通常の食生活であれば過剰摂取の心配は少ないとされています。あまり卵や納豆、魚類などを食べない方は、食事にとり入れてみることをおすすめします。ただし、これらの食材に偏った食生活では結局栄養バランスが崩れてしまいます。ビタミンやミネラル、タンパク質などの栄養素をバランスよく摂取するように心がけましょう。
まとめ:原因に合った対策を
唇の乾燥による荒れには、以下のようにさまざまな原因が考えられます。
- 唇をなめまわすこと
- 栄養バランスの偏り
- 摩擦や汚れ
- 空気の乾燥
- 接触性口唇炎やアトピー性口唇炎といった病気
原因に合った対策を行うことが大切ですが、唇の乾燥が気になる場合は、「リップクリームをやめて純度の高いワセリンで保湿をする」ことや「マスクを着用する」ことといった、比較的自分でとり入れやすい対策を行ってみましょう。
また、このような対策を行っても唇の荒れがあまり改善しない場合にはなんらかの病気が隠れている可能性があるため、皮膚科で相談してみましょう。
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