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かゆみをともなう頭皮湿疹の原因とセルフケア・皮膚科での治療
かゆくてつらい頭皮湿疹。原因として考えられることは、脂漏性皮膚炎や頭皮の乾燥、シャンプーなどの刺激による接触性皮膚炎、アトピーなどさまざまです。ドクター監修のもと、頭皮湿疹の原因やシャンプーによるセルフケアを解説します。
頭皮湿疹には、さまざまな原因があり、それによって症状の特徴や治し方、治療に使われる薬も異なります。頭皮湿疹の原因やセルフケアの方法、セルフケアで改善が見られない場合の対応などについてチェックしましょう。
かゆみをともなう頭皮湿疹の特徴と原因
頭皮に湿疹ができる原因はさまざまですが、以下が代表的な頭皮湿疹の原因です。
- 脂漏性皮膚炎
- 頭皮の乾燥が原因の皮脂欠乏性皮膚炎
- アトピー性皮膚炎
- 接触性皮膚炎
それぞれに症状や原因が異なります。どのように異なっているのか見てみましょう。
脂漏性皮膚炎
カサカサとしたフケが多い、頭だけでなく額や鼻のまわり(いわゆるTゾーン)、髪の生え際などがベタついたり、赤くなったり、かゆみをともなう場合は、脂漏性皮膚炎の可能性があります。
脂漏性皮膚炎は、頭皮、鼻の周り、額、耳などの皮脂の分泌が活発なところに起こりやすいといわれています。悪化因子として、マラセチア属の酵母菌が関与する場合もあります。
※脂漏性皮膚炎の詳細は『脂漏性皮膚炎(湿疹)の原因や日常ケアと治療法』をご覧ください。
乾燥による皮脂欠乏性皮膚炎(湿疹)
頭皮も肌の一種なので当然バリア機能は存在します。顔の肌と同じく、過度なシャンプーなどによって頭皮が乾燥すると、バリア機能が低下してしまいます。
特に、空気が乾燥する冬場などに、頭皮の乾燥を放っておくと、シャンプーなどの刺激で湿疹や皮膚炎が発症し、かゆみや赤みが生じることがあります。この頭皮の乾燥による頭皮湿疹は、乾燥肌やアトピー性皮膚炎の方に多く見られます。
※皮脂欠乏性皮膚炎の詳細は『乾皮症/皮脂欠乏性湿疹とは?』をご覧ください。
アトピー性皮膚炎
アレルギー反応が原因で起こる皮膚炎です。特に、目のまわり、ひじやひざの裏、耳などに湿疹が現れるのが特徴です。
※アトピー性皮膚炎については、『アトピー性皮膚炎について』をご覧ください。
接触性皮膚炎
皮膚に接触した物質の刺激、もしくはアレルギーによって生じる皮膚炎です。シャンプーやリンス、トリートメント、整髪剤などが原因物質となっている場合があります。
※接触性皮膚炎について詳細は『接触性皮膚炎とは』をご覧ください。
頭皮湿疹や乾燥への対処方法
頭皮湿疹の対処法は、症状や原因によって異なります。たとえば、脂漏性皮膚炎で、かゆみや赤みなどの炎症が強い場合には、ステロイドの塗り薬を使用することが多いですが、場合によっては抗菌剤も用います。
脂漏性皮膚炎でも軽度の場合は、市販の抗ヒスタミン系の塗り薬や、作用の穏やかな市販のステロイド、抗真菌剤を配合したシャンプーや洗顔石けんで対処できることもあります。なお、これらで対処をこころみても改善しなかったり、悪化したりする場合は、使用を中止して皮膚科を受診しましょう。一方、乾燥が原因の頭皮湿疹の場合は、保湿治療が行われます。頭皮のうるおいのために漢方薬なども効果的だといわれています。
シャンプーを見直すことも大切
頭皮湿疹と思われる頭皮のかゆみがある場合、症状によっては使用するシャンプーを見直すと改善する可能性も考えられます。
頭皮湿疹の原因にもよりますが、洗浄力の強すぎるシャンプーを普段から使用している場合、皮膚を守ろうとする働きから皮脂分泌量が多くなり、脂漏性皮膚炎につながる可能性が考えられます。洗浄力が比較的強い成分として、合成界面活性剤のラウリル硫酸Na(ナトリウム)などがあげられます。界面活性剤として、アミノ酸系の成分を使用しているシャンプーは、刺激が少なく頭皮トラブルに悩まされる方におすすめです。ココイルグルタミン酸やラウリン酸、ヤシ油脂肪酸など、アミノ酸系の界面活性剤を配合したシャンプーを選ぶとよいでしょう。
頭皮湿疹があるときの正しい洗髪方法
頭皮湿疹ができている場合、シャンプー選びとあわせてシャンプーの方法も見直したいところです。せっかく地肌にやさしいシャンプーを選んでも、使い方が間違っていては効果をしっかり発揮できないかもしれません。
まず、シャンプーをするときにしてはいけないことは、ゴシゴシと必要以上に強くこすることと、すすぎ残しをしてしまうことです。以下のポイントに気をつけてシャンプーをしてみてください。
- 髪の毛を濡らす前に全体をブラッシングする
- ぬるま湯で予洗いをする(1分くらいかけて丁寧に)
- シャンプーを手のひらで泡立てて頭皮につけ、指の腹で頭皮を洗う
- 2分以上かけてしっかりと髪をすすぐ
髪をぬらす前にブラッシングすることで、髪の毛の汚れを浮かせて落ちやすくすることができます。また、予洗いに時間をかけることでほとんどの汚れは落ちるため、シャンプーの泡立ちもよくなります。最後のすすぎでは、後頭部や生え際などのすすぎ残しが出やすい部分もしっかり流したいところです。髪の毛を持ち上げたり、毛の流れに逆らうようにシャワーを当てたりするとよいでしょう。
頭皮湿疹が治らないときは皮膚科へ
シャンプー選びや髪の洗い方を工夫しても頭皮湿疹が改善しない場合は、皮膚科を受診することをおすすめします。マラセチア菌の異常繁殖による脂漏性皮膚炎などの場合、そのままにしておくと慢性化する可能性が考えらえるためです。皮膚科では、主に塗り薬や飲み薬を使った治療が行われます。
脂漏性皮膚炎の治療で処方される薬
頭皮湿疹の原因が脂漏性皮膚炎の場合、症状に応じて以下のような薬が処方されます。
皮膚科で処方される飲み薬(服用薬)
- 抗アレルギー剤
- 抗ヒスタミン剤
- 抗菌薬
- ビタミン製剤
抗アレルギー剤ならびに抗ヒスタミン剤は、かゆみが強い場合にそのかゆみや炎症をおさえるために処方されることがあります。細菌感染がある場合には、塗り薬とあわせて抗菌剤の飲み薬も処方されることがあります。
また、ビタミン製剤は皮脂の正常な代謝に関わるビタミンB群を補う補助的な治療として処方される場合があります。
皮膚科で処方される塗り薬(外用薬)
- 抗真菌薬
- ステロイド剤
抗真菌薬は、真菌(カビ)を死滅させる薬です。脂漏性皮膚炎の場合、皮膚に通常すみついているマラセチア真菌の大量増殖が原因となるため、抗真菌薬の塗り薬で対処します。また、ステロイドには炎症を落ち着かせる作用があります。そのため、まずはステロイドで皮膚の炎症を落ち着かせて抗真菌剤を使用するといった治療が一般的です。
漢方
- 十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)
- 黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
十味敗毒湯は、さまざまな皮膚病に用いられる漢方薬です。また、黄連解毒湯は発赤が強い脂漏性皮膚炎で用いられる場合が多いといわれています。
前述したように頭皮湿疹の原因となることは複数あります。セルフケアだけで改善しない場合は、原因に合っていないケアを行っている可能性も考えられます。くりかえしになりますが、セルフケアで改善しない場合や悪化する場合には、専門家である皮膚科の医師に早めに相談してください。
症状の悪化を防ぐセルフケアの注意点
フケやかゆみが気になるからと、過度にシャンプーをするとかえって悪化する可能性があります。洗髪は、整髪料をつけている場合は毎日、つけていない場合は1~2日に1回とし、すすぎ残しがないようしっかりと洗い流すようにしてください。また、整髪料やトリートメントなどで刺激を感じるようであれば、すぐに使用を中止しましょう。
自己流のケアを行うと、さらに症状を悪化させる可能性があります。ヘアケアを見直しても症状が治らない場合は、早めに皮膚科を受診するようにしてください。
まとめ:まずはヘアケアを見直して対策を
頭皮にかゆみが出る頭皮湿疹は、以下のような原因が考えられます。
- 脂漏性皮膚炎
- 頭皮の乾燥
- アトピー性皮膚炎
- 接触性皮膚炎
どのような原因で頭皮湿疹が起こっているのかにより対処法は異なりますが、セルフケアとして比較的行いやすいのが、ヘアケアの見直しです。使用しているシャンプーやトリートメントのほか、シャンプーの方法を変えることで、かゆみや頭皮の乾燥の改善がみられる可能性があります。
ただし、脂漏性皮膚炎などは慢性化することもある病気なので、自己流のケアを続けることでかえって治りにくくなる可能性があります。ヘアケアを見直しても症状が改善しない場合や、かゆみが悪化する場合、痛みが出る場合などは、すみやかに皮膚科を受診しましょう。
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