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白髪染めを使うベストな頻度と部分染め(リタッチ)の方法

更新日:2017.12.21
公開日:2014.05.01
ドクター画像
この記事の監修者
新垣形成外科 院長 新垣実

お手軽かつ即効性のある白髪対策として、白髪染めが役に立ってくれます。しかし、白髪染めはあまり頻繁に行うと髪の毛や頭皮を傷めることに繋がります。ここでは白髪染めを行う際の適切な頻度をドクター監修のもと解説します。

白髪が目立ちはじめたとき、心強い味方となってくれるのが白髪染めです。抜くと毛根や頭皮を傷めることになりますし、生活の改善やマッサージを行っても、効果が出るまでのタイムラグがあります。すぐに美しく黒い髪を取り戻したい場合には、白髪染めほど即効性のある対策はないでしょう。

とはいえ、白髪染めというのもヘアカラーの一種ですから、あまり頻繁に染めすぎると髪や頭皮にダメージを与えることになります。まずは、お手軽な白髪染めの中に潜んでいるリスクを簡単に押さえておきましょう。

白髪染めによる頭髪・頭皮へのデメリット

白髪染めには、以下のようなデメリットやリスクが考えられます。

  • 染め直すたびに蓄積する髪や頭皮へのダメージ
  • 頭皮へのダメージによるフケなどの頭皮トラブル
  • 頭皮ダメージによる薄毛の進行の可能性

白髪はふつうのヘアカラーでは染まりにくいため、専用の白髪染めが使われます。白髪染めによって髪が染まるのは、髪のキューティクルを剥がすことで洗液が内部まで浸透するからです。つまり、髪が本来持っている結合力を弱めることになりますので、何度も染め直すとそのたびに髪は弱ってしまいます。

髪の傷みが気になる方は、ヘアマニキュアの利用もおすすめです。2~3週間で落ちてしまいますので、染まりという点ではヘアカラーに劣りますが、髪をいたわるという点では優れています。

体質によって程度の差はありますが、頭皮へのダメージも無視できません。頭皮のダメージはあらゆる頭髪関係のトラブルの原因となりますので、せっかく白髪を染めても抜け毛やフケに悩まされるようになるということも考えられます。ダメージを最低限に抑えながらきれいな髪の色を維持するというのは、知識がないとなかなか簡単なことではありません。

白髪染めの理想の頻度とは

では、白髪染めはどのくらいの頻度で行うのが最適なのでしょうか。

白髪染めの理想の頻度は、2か月に1回程度です。髪の毛が伸びる日数を考慮すると、このくらいの頻度で染めればきれいな状態を維持できるでしょう。仮にもっと頻繁に染めたかったとしても、月1回までが限度だと考えておきましょう。それ以上の頻度で染めると、デメリットのほうが大きくなります。

特に、プロに頼らず自分で白髪染めをする場合には、長めに間隔をあける必要があります。慣れていないと色むらを気にするあまり、どうしても使用する量が多くなってしまいがちです。そうなると、頭皮に接する染液の量も増えてしまいます。

年代別に見る白髪染めの適切な頻度

白髪が気になる年齢は40歳前後が多いといわれていますが、早い人だと高校生~20代くらいから現れ始める場合もあります。20代くらいまでは髪全体を明るめの色にし、1か月に1回程度、根元の色が気になったときに部分染めするとよいでしょう。また、地毛に近い色合いを維持したい場合も、1か月半から2か月に1回程度が染める目安になると考えられます。

30代から40代くらいになると、白髪の本数も増えてくる傾向があるため、本格的に染めることを考える方も増えてくるでしょう。しかし、まばらに生えている程度だったり、白髪のまとまって生えている面積が少なければ、全体的な白髪染めを2か月に1回程度行い、その間に1回ほど根元の部分染めを行えば白髪が目立たなくなるとされています。

50代以降は白髪の面積も上がってきますが、基本は30代以降の白髪と同じく、全体的な白髪染めと部分染めくりかえしです。全体的な白髪染めは2か月に1回を限度としつつ、根元が1cmくらい伸びたところで部分染めを行うと目立ちにくいでしょう。

部分染めを上手に活用

美容院でプロに染めてもらう場合には、2か月に1回美容院へ行き、その間に気になった部分だけ自分で部分染めをするというのもよい方法です。「ムラがない」「適量の染液で染められる」という美容院ならではのメリットと、「気になったらすぐに染められる」という自分で染めるメリットの両方を得ることができます。

白髪染めの部分染め(リタッチ)の方法

では、自分で根元の部分染めをしたい場合どのようにすればよいのでしょうか。部分染めのポイントを解説します。

白髪染めを塗る順番
白髪の集中している部分から始める
白髪染めを塗る範囲
白髪が見えている部分のほか、すでに染まっている部分にも1cmほど重ねて塗る
白髪染めを塗る量
白髪はキューティクルが厚いため、やや多めに塗る

上記のコツをおさえながら白髪染めを塗布したら、15分から20分ほど置きます。その後、シャンプーする前に目の粗いコームを頭皮に垂直に立ててとかし、5分ほど置きましょう。

染め終わったら、薬剤をシャワーで流し、シャンプーで2回ほど洗います。薬剤を流すときは3分ほどかけ、お湯と地肌付近に付着している白髪染めをなじませるようにマッサージしながら流すようにしましょう。

白髪染め行なう上での正しいアフターケアについて

せっかく行った白髪染めは、美しい状態をできるだけキープしたいと考えるでしょう。白髪染めのアフターケアで気をつけたいのが以下の3つです。

  • 白髪染め当日~翌日のケア
  • シャンプーの選び方
  • 普段のお手入れ

まずは白髪染め当日から翌日にかけてのケア方法について解説します。

白髪染め当日から翌日のケア方法

白髪染めを行った当日は、薬剤を落とすためにシャンプーを行ったあとは髪を洗わないようにしましょう。美容院などで白髪染めとカットをしてもらうと、つい自宅に帰ってからも髪の毛を洗いたくなるかもしれません。しかし、白髪染めを含むヘアカラーは色がなじむまでに24時間かかるといわれており、自宅に帰ってからも洗ってしまうと色落ちする可能性が考えられます。

翌日以降、髪を洗う場合は「正しいシャンプーの方法」を心がけるとよいでしょう。正しいシャンプーのポイントは、以下のとおりです。

  • シャンプー剤を泡立ててから頭皮につける
  • 頭皮を指の腹でマッサージするようにもみ洗いする
  • 38℃くらいのぬるま湯で流す

正しいシャンプーの方法は、白髪染めを行っていないときにも行いたい習慣です。この機会に、シャンプーの仕方を見直してみましょう。

白髪染め後に気をつけたいシャンプーの選び方

通常、髪のpHは4から6ほどの弱酸性に保たれています。しかし、白髪染めはアルカリ性であるため、白髪染め直後の髪の環境は、pH8から10ほどの弱アルカリ性に傾いています。そのため、シャンプーも弱酸性のものを選び、キューティクルを閉じるようにしましょう。

また、洗浄力の強いシャンプーも色落ちを早くしてしまいます。頭皮への負担も大きくなるため、普段使用するシャンプーも以下のようなものを選ぶとよいでしょう。

  • ヘアカラー専用シャンプー
  • 洗浄力のマイルドなアミノ酸系シャンプー

アミノ酸系のシャンプーは、パッケージに記載されている成分表の中で、「ココイル」「グルタミン酸」「メチルアラニン」などがつく成分が配合されているものです。

※アミノ酸シャンプーの見分け方については、『アミノ酸シャンプーの成分と正しい選び方』で詳しく解説しています。

白髪染めが長持ちしやすい普段のお手入れ法

前述したシャンプーの仕方、選び方のほかにも、とり入れることで白髪染めの色が長持ちしやすくなるお手入れ方法があります。

  • ヘアカラー専用トリートメントによる保湿をすること
  • 帽子や日傘で髪の紫外線対策をすること
  • 洗髪後にはドライヤーで髪を乾かすこと

初めに述べたように、白髪染めによって髪の毛のキューティクルは開き、ダメージを受けています。専用のトリートメントを使用して髪の保湿をすることで、傷んだ髪の補修も期待できます。髪の紫外線対策をするのも、白髪染めによって傷んだ髪を紫外線によるダメージから守るためです。

また、濡れた髪は自然乾燥に任せず、ドライヤーでしっかり乾かすことも大切です。濡れた髪はキューティクルが開いている状態であるため、傷みやすく、摩擦に弱くなっています。濡れた状態が長く続くことから、雑菌繁殖による頭皮トラブルや頭皮の嫌なにおいのもとにもなります。

※詳しくは、『ドライヤーを使った正しい髪の乾かし方』を参考に、正しい方法で髪を乾かしましょう。

まとめ

白髪染めは頭皮や髪の毛にダメージを与える行為です。そのため、あまりに高い頻度で行うことで、フケなどの頭皮トラブルや薄毛につながる可能性も考えられます。全体的な白髪染めの頻度は2か月に1回程度にとどめるようにしましょう。

白髪染めの頻度を2か月に1回程度にしても、部分染めで根元だけを染め直せば白髪の部分が目立ちにくくなります。美容院で行ってもらうほか、自分でできる部分染めの製品も多く販売されているので、上手に活用しましょう。また、白髪染めをしてもらった後のケアは、色のもちをよくするために大切なポイントです。今回、解説したシャンプー選びや普段のお手入れ方法のコツなどもとり入れ、せっかく入れた白髪染めのカラーを長持ちさせるようにしましょう。

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