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プラセンタ注射の更年期障害への効果|治療法と副作用
美容効果で注目されるプラセンタが更年期障害の治療にも効果を発揮することについて、ドクター監修の記事にまとめました。更年期障害の原因や症状に加え、プラセンタがどのように更年期障害に作用するのかについて詳しく解説します。
国内で認可されている2種類のプラセンタ製剤のうち、更年期障害の治療薬として認可されているのがメルスモンです。
プラセンタとは哺乳類の胎盤から有効成分を抽出した胎盤エキスのことで、アミノ酸に加えタンパク質、脂質、糖質などの三大栄養素のみならず、身体の働きを整えるビタミン・ミネラル・核酸・酵素といった生理活性成分、細胞の新陳代謝を促す成長因子などの栄養素を豊富に含んでいます。
プラセンタ製剤のメルスモンが更年期障害にどのように作用するのかを解説する前に、まずは更年期障害について知っておきましょう。
閉経前後にあらわれる更年期障害とは
更年期とは閉経前後の約10年間を指します。日本人女性の平均閉経年齢は50歳なので、おおよそ45~55歳ぐらいがその時期にあたります。
更年期の症状には個人差が大きく、ほとんど自覚症状がない人から日常生活に支障をきたすほどの人など様々です。日常生活に影響があるくらいの症状を、更年期障害と呼びます。
エストロゲンの減少によるホルモンバランスの乱れが原因
閉経が近づくと卵巣機能が低下し、女性ホルモンの1つであるエストロゲンの分泌量が急激に減少します。
脳はエストロゲンの分泌から卵を成長させる卵胞刺激ホルモンや排卵を促す黄体刺激ホルモンの分泌指令を卵巣へ送っているのですが、エストロゲンの減少によってそのバランスが崩れてしまいます。
さらに、ホルモンバランスの崩れは視床下部も刺激します。すると自律神経のバランスまで乱されてしまい、その結果、心身に様々な症状が現れるのです。
頭痛、めまい、のぼせなど時期で症状が変化
症状には個人差がありますが、更年期の初期と中期~後期にかけて多く見られるのは、主に下記のようなものです。
初期
- 月経異常…不規則になり、周期が長くなったり短くなる
- 自律神経失調症…のぼせ、ほてり、発汗、手足の冷え、血圧の変化
- 精神神経症状…記憶力・集中力の低下、不眠、イライラ、孤独感、頭痛、めまい
中期~後期
- 膣や膀胱の衰え…頻尿、尿漏れ、細菌性膣炎を起こしやすい
- 筋肉や骨格の衰え…尿漏れ、肩こり、腰痛、関節痛、子宮脱
- お肌の衰え…シミ、シワ、透明感の低下
上記以外にも高血圧や高脂血症、高血糖、肥満などになりやすくなります。
更年期障害は注射や薬による治療で対処
現在用いられている更年期障害の対処方法には、以下のものがあります。
プラセンタ製剤のメルスモンは皮下注射しますが、それ以外は貼り薬、塗り薬、飲み薬となり、一部の漢方薬を除いては健康保険が適用になります。
- メルスモン注射
- ホルモン補充療法(HRT)
- 自律神経調整薬
- 漢方薬
プラセンタ注射の更年期障害への効果
感染のない健康なヒト胎盤を原料としたプラセンタ製剤で、多種アミノ酸やミネラルを含みます。ホルモンやタンパク質は製造過程ですべて除去されるため、ホルモン製剤ではありません。
ヒト胎盤のプラセンタ「メルスモン」による治療法
皮下注射によって体内に投与されたメルスモンが衰えていた卵巣の働きを助け、ホルモンバランスを整えます。血行促進、造血、疲労回復などの働きが複合的に作用して、更年期障害の症状を緩和していきます。
臨床データ
更年期障害患者31名を対象に、メルスモン1回1管(2ml)を週に3回投与しました。2週間継続して合計6回の皮下投与を行ったところ、効果があったとする患者が24名(有効率77.4%)に上り、高い効果を示しました。
プラセンタ注射の安全性と副作用
たん白アミノ酸製剤であることから投与によってショックを起こすおそれ恐れがあるため、アレルギーの可能性がある人は注意が必要です。なお1956年に国に認可されて以来、今のところ重大な副作用の報告はありません。
しかし理論の上で感染症の疑いを100%否定することができないことから、厚生労働省は2006年にプラセンタ注射を1度でも投与したことがある人は献血をしてはならないとの通達を出しました。
更年期症状であるのぼせや冷え、不眠、イライラ、頭痛、肩こり、疲労などは、治療によって改善されるものなので、信頼できるドクターに早めに相談しましょう。
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