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ワセリンの乾燥肌への効果とおすすめの使い方
ワセリンは、目元や口元のようなデリケートな場所にも使える保湿剤です。肌の表面を保護し、刺激もほとんどないため使い勝手のよい保湿剤でもあります。ここではワセリンの特徴や種類、効果的な使い方などを、ドクター監修のもと解説します。
乾燥が気になる季節に大活躍のワセリン。目元や口元のようなデリケートな場所から、顔、身体まで幅広い部位に使うことができ、皮膚科の治療などにも活用されています。ワセリンを、乾燥肌やニキビができている肌に使うときのポイントをはじめ、ワセリンの種類や特徴、使い方をご紹介します。
ワセリンの種類
保湿剤として使われているワセリンには、複数の種類があります。これらは保湿効果の点では目立った差はありませんが、純度が異なり、使用する部位によってどれを使うか決定します。
黄色ワセリン
ワセリンのなかでももっとも精製度が低く、主に皮膚の保護剤や軟膏の基として使われます。
白色ワセリン
もっとも一般的なワセリンです。黄色ワセリンよりも精製度が高いだけでなく安定しています。安価で、軟膏の基材としても使用されることの多いワセリンです。
プロペト
プロペトは、白色ワセリンよりもさらに精製度の高いワセリンです。目の近くなどの刺激に弱いデリケートな部位や、肌が強くない子供に使用されることが多いものです。
サンホワイト
サンホワイトは、白色ワセリンをさらに高純度に精製し、不純物がほとんど含まれていない白色ワセリンです。プロペトでも肌への刺激となる場合や、肌の弱い乳幼児にも使用できます。ただし、サンホワイトは保険適用外のため、コストは割高になります。
ワセリンの乾燥肌への効果と使い方
乾燥肌対策としては、ワセリンを用いた保湿が人気です。保湿剤には、「皮膚の水分を保つ」タイプと「皮膚から水分が失われるのを防ぐ」タイプのものがありますが、ワセリンは後者に該当します。
ワセリンには、肌表面をしっかりとコーティングして、水分が蒸発しないように守ってくれる効果があります。刺激が少ないため、まぶたのようなデリケートな部分にも使えるというのがメリットです。
肌のうるおいを高めたいときは、他の成分と併用を
ただしワセリンには、肌の水分量を増やす効果はありません。そのため、乾燥肌への効果は限定的であると言えます。より高い保湿効果を期待するのであれば、角質の水分量を増やし、肌のバリア機能を高めるヘパリン類似物質やセラシド、ヒアルロン酸などの保湿成分が含まれるものを併用するのがおすすめです。
ただし、それらが刺激になるような目元や唇といったデリケートな部分には、ワセリンを活用するとよいでしょう。
敏感肌の保護にはワセリンを単独で使用
一方、ワセリン単独での利用が望ましいのは、アトピー性皮膚炎の方や乾燥が進行しすぎて敏感になっている場合です。ほかの種類の化粧水やクリームは添加物が入っていることもありますので、プロペトやサンホワイトなどの精製度の高いワセリンを使って保湿をすることが望ましいでしょう。
ワセリンの副作用について
ワセリンには副作用と言えるほどの悪影響はありません。近年は精製技術の向上によって不純物もかなり除去できるようになり、安全性は高くなっています。
ただし、先にご紹介したとおり、ワセリンの中には精製純度の低いものもあります。そうした製品には多少の刺激もあるため、接触性皮膚炎をおこして赤みやかゆみを引き起こすケースもあります。なるべく高純度の製品を選ぶとともに、敏感肌の方やアトピー性皮膚炎の方、子供や赤ちゃんへの使用は、医師に相談することをおすすめします。
顔へのワセリンの使い方
ワセリンは油分によって肌の表面を保護する効果があるため、顔に塗るとベタつきを感じやすいという特徴があります。ここではフェイスケアにおける代表的な使い方をご紹介します。なお、顔に使用する場合は、白色ワセリンやプロペト、サンホワイトなど、できるだけ純度の高いものがおすすめです。
スキンケアの最後に
化粧水や乳液など普段のスキンケアで水分を補い、最後にワセリンで蓋をすることで、肌の水分を閉じ込める効果が期待できます。なお、塗り過ぎると肌がベタつきますので、注意しましょう。
- ワセリンを手に適量取り、手のひらで温めて柔らかくします
- ワセリンが十分に柔らかくなったら手のひらを顔に押し当てるようにして、顔全体にワセリンを塗ります
- べたつきがあれば、ティッシュやコットンで余分なワセリンをやさしく拭き取ります
化粧下地として
メイクの下地としてワセリンを使う方法も知られています。特にファンデーションを塗ると粉をふくような感想が強い肌に適した方法です。また、市販の化粧下地には界面活性剤や保存料などが入っていることもあるため、そうした製品による肌トラブルが気になる方にもおすすめです。
やり方は、スキンケア化粧品で肌を整えてから、あずき粒ほどのワセリンを手のひらでよく伸ばし、両手で顔を包み込むようになじませます。ベタつくときは軽くティッシュオフしてください。ワセリンを多く塗りすぎると、メイクが崩れやすくなることもあるため注意してください。
唇が荒れているときのリップパックに
リップバームとしても使えるワセリンですが、唇が荒れているときはパック用に使っても効果的です。
- 蒸しタオルを用意し、唇にあてて蒸気で温めます
- ワセリンを唇に塗ります
- ラップを適度な大きさに切って唇を覆い、5~10分ほどそのまま置きます
- ラップを外してから余分なワセリンをやさしく拭き取ります
このほかにもメイクの仕上げに、頬や鼻すじ、まぶたなどのハイライトやツヤ出しとして使用したり、綿棒に含ませてポイントリムーバーとして使うなどの方法があります。
ワセリンでニキビを悪化させるリスクも
顔にさまざまな使い方ができるワセリンですが、ニキビができているときには使用できるのでしょうか。
肌の乾燥を防ぐには有効
大人ニキビの原因の1つに、肌の乾燥があげられます。角質層が乾燥すると皮膚のターンオーバーが乱れ、角栓を生じることがあります。そのため乾燥が悪化因子となっているニキビの場合は、ワセリンを薄く塗って乾燥を防ぐことで、ニキビの発生を抑えることが期待できます。
炎症を起こした赤ニキビには使用しない
ただし、すでに炎症を起こしてしまった赤ニキビにはワセリンの効果はあまり期待できません。赤ニキビは毛穴の内部でアクネ菌が増殖し、炎症を起こしている状態ですので、その上からワセリンを塗っても毛穴をふさぐだけで、かえって悪化させてしまう可能性もあります。
ワセリンのおすすめの使い方
顔や唇以外にも、ワセリンは身体全体に使うことができます。たとえば、以下のような便利な使い道があります。
- 肌のかさつき防止に
- 擦り傷や浅い傷の保護、指のささくれの保護に
- ピアスが入りにくいときの潤滑剤に
- 指輪が抜けないときの潤滑剤に
- 靴ずれ防止に
- 毛先の枝毛予防に
- 目の周りや鼻の穴に塗って乾燥予防に
まとめ
ワセリンの特徴や種類、使い方などをご紹介しました。ワセリンは皮膚の表面に油分の膜を張り、角質層の水分蒸発を防ぐことで肌を守る保湿剤です。ただし、角質層自体の水分量を増やす効果はありません。乾燥肌を根本から改善したいときは、角質層の水分量を増やす効果のある保湿剤を併用することが望ましいでしょう。
しかし、ワセリンは他の保湿剤が刺激になって使えないときでも使うことができ、フェイスケアやリップケア、ボディケアなどさまざまな用途で活用できます。ワセリンの特性を理解したうえで、乾燥対策やスキンケアにうまく取り入れていきましょう。
その他の乾燥肌対策アイテムについて知りたい方は、『乾燥肌の化粧品選び(3)化粧水』、『シアバターの正しい使い方と注意点』、『乾燥肌の症状を和らげてくれる漢方』をご参考ください。
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