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ニキビの原因とできる場所の特徴について

更新日:2017.11.17
公開日:2014.05.13
ドクター画像
この記事の監修者
マグノリア皮膚科クリニック 院長 池上彩子

ニキビの直接の原因となる毛穴のつまりは、なぜ引き起こされるのでしょうか。思春期におでこや眉間などのTゾーンにできやすいなど、年齢とニキビのできやすい場所が変わる原因について、ドクター監修のもと解説します。

毛穴の中に皮脂が溜まるのが、ニキビの始まりです。よく「肌が脂っぽいからニキビができる」などといいますが、たとえ皮脂が多くても、毛穴の中に溜まらなければニキビはできません。乾燥肌でも、皮脂が毛穴からきちんと排出されなければ、ニキビができてしまいます。これらのことから、ニキビの原因は「毛穴のつまり」であるといえます。ここでは、なぜ毛穴がつまるのかを詳しく見てみましょう。

ニキビの原因とできやすい場所は思春期と大人で異なる

ニキビの原因となる毛穴のつまりが起きる要因はさまざまです。ですが、その要因とできやすい場所は、大まかに10~20代前半までの思春期時期か、思春期を過ぎているかで傾向が分かれます。

Tゾーン(おでこ、鼻、眉間など)

一般的に、Tゾーンといわれる、おでこや眉間、鼻などにニキビができやすい時期は思春期です。思春期を迎えると、人間の身体の中は成長ホルモンや性ホルモンの分泌量の急激な増加が起こり、皮脂の分泌が促進されて過剰になりやすい状態になります。Tゾーンは、顔の中でも特に皮脂腺が多く、しかも大きいことから皮脂の分泌量が自然と多くなります。そのため、思春期にはTゾーンにニキビができやすくなるのです。

大人になると、身体の成熟にともなってホルモンバランスが安定し、Tゾーンへのニキビは少なくなります。大人になってからもTゾーンにニキビができるという場合、食事が油脂多めの内容に偏っていたり、ストレスでホルモンバランスが崩れたりといった理由で皮脂が過剰に分泌されている状態が考えられます。また、間違った洗顔やケアで肌が乾燥し、水分の蒸発を防ごうとして余計に皮脂の分泌が増えるという悪循環に陥ることもあります。このようなことが、大人になってからもTゾーンにニキビができる原因となっていると考えられます。

Uゾーン(頬、フェイスライン)

頬やあご、フェイスラインのことをUゾーンといいます。このUゾーンには、思春期を過ぎてからニキビができやすい傾向にあります。Uゾーンは、もともと皮脂が少ない部分ですが、肌の乾燥や新陳代謝の乱れが原因でニキビができやすくなるといわれています。また、ストレスなどによってホルモンバランスが崩れ、男性ホルモンが多く分泌されているときにもできやすくなります。

では、ニキビの原因について、もう少し詳しく見ていきましょう。ニキビの原因は、大きく分けて3つあります。まずは皮脂の過剰分泌について解説します。

ニキビの原因(1)皮脂の過剰分泌

皮脂は、天然の保湿因子として必要なものです。しかし、必要量をこえると排出しきれないため、毛穴のつまりの原因になります。多くの場合、皮脂分泌が増えるのは男性ホルモンの影響です。

思春期

第二次成長期は、男性ホルモンが急激に増えるため、皮脂分泌が活発になります。20歳前後でホルモンバランスが安定すると皮脂分泌も落ち着きます。

ホルモンバランスの乱れ(思春期以降)

大人になると、主に以下の要因で皮脂の分泌量が増加します。

ストレス
ストレスを感じたときに分泌されるホルモンは、抗ストレス作用の他に、男性ホルモンの分泌を促す作用もあります。そのため、強いストレスや慢性的なストレスが続くと、皮脂の過剰分泌が起きます。

※詳しくは『ストレスが原因で発生・悪化したニキビの治し方』をご覧ください。

睡眠不足
睡眠をとらずにいると、心身が緊張状態になり、交感神経が優位になります。交感神経には男性ホルモンの分泌を促す作用があります。

※詳しくは『睡眠不足を原因としたニキビと肌荒れ』をご覧ください。

黄体ホルモン
女性の場合、女性ホルモンの影響で、皮脂分泌が増加することがあります。生理周期の後半に分泌される黄体ホルモン(プロゲステロン)は、男性ホルモンと構造が似ており、同じように皮脂分泌を活発にします。

※詳しくは『生理前にニキビがひどくなる原因と予防法』をご覧ください。

バランスの悪い食事

皮脂分泌には、食事の内容も関わっています。脂質の多いものだけではなく、脂質が少なくても皮脂分泌に影響するものがあります。

動物性脂肪、糖質の摂り過ぎ
これらは皮脂腺を刺激する作用があるため、摂り過ぎると皮脂分泌を増やしてしまいます。
高GI食
炭水化物の中には、「食後の血糖値=GI値」が急速に上昇するものがあります。血糖値を下げるために分泌されるインスリンにも、男性ホルモンを刺激する作用があるため、高GI食に偏ると皮脂量が増えていきます。
ビタミン類の不足
ビタミンB2とB6は、皮脂分泌をコントロールする働きをします。不足すると、皮脂の過剰分泌を起こす場合もあります。

※食事とニキビの関連性については、『ニキビの原因となる食べ物と食生活』もご覧ください。

ニキビの原因(2)角化異常

ターンオーバーの乱れやバリア機能の低下により、角質が厚みを増す「角化異常(過角化)」が起きます。角化異常はさまざまな原因で起こります。

外的要因

肌の外側からの刺激が、角化異常(過角化)を引き起こすことがあります。

間違ったスキンケア
クレンジングや洗顔で皮脂を取り過ぎると、肌のバリア機能が低下し、刺激から肌を守るために角質が厚くなります。また、保湿が不十分で角質層の水分が不足すると、ターンオーバーが乱れ、古い角質がはがれずに硬くなっていきます。
毛穴汚れ
毛穴につまるのは、皮脂だけではありません。たとえば、落としきれなかったメイクやシャンプー、コンディショナー、流しきれなかった洗顔料なども、肌に残ると毛穴の汚れになっていきます。また、空中のほこりや古い角質なども毛穴につまります。
紫外線
肌が紫外線に当たると、肌のバリア機能が働いて角質が厚くなります。また、紫外線によって生じる活性酸素の影響で、ターンオーバーが乱れることも角化異常の原因になります。

生活習慣

皮脂の過剰分泌を起こすような生活習慣は、角化異常や過角化の原因にもなります。

ストレス、睡眠不足
ストレスや睡眠不足は、男性ホルモンの分泌を促し、皮脂の過剰分泌を引き起こします。また、男性ホルモンは角質を厚くする作用もあります。
バランスの悪い食事
肌細胞の生成に必要なタンパク質や必須脂肪酸、肌の新陳代謝を助けるビタミンAやビタミンB群が不足すると、ターンオーバーが乱れ、角化異常につながります。

ニキビの原因(3)基礎化粧品やメイク

化粧品やメイクが、毛穴をつまらせる直接的な原因になります。リキッドファンデーションやコンシーラーなどのメイク用品は、毛穴に入り込んで蓄積する可能性があります。ニキビによいとされるクレンジング剤や洗顔料も、洗顔後残っていては意味がありません。

まとめ

ニキビを引き起こす毛穴づまりの原因として、以下のことが考えられます。

  • 皮脂の過剰分泌
  • 角化異常
  • 基礎化粧品、メイク

これらを引き起こす要因にはさまざまなことがあります。日常的にストレスをためないよう意識することや、食事のバランスに気をつけましょう。また、メイクや洗顔料などが肌に残らないように洗いつつ、保湿を意識したスキンケアを意識するとよいでしょう。

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