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ニキビの皮膚科治療(7)ケミカルピーリング

更新日:2016.12.09
公開日:2014.01.29
ドクター画像
この記事の監修者
銀座ケイスキンクリニック 院長 慶田朋子

古い角質を落とし、毛穴の詰まりを解消するケミカルピーリング。ニキビの原因を根本から解決できる治療法として高い効果が期待できます。エステなどで行われるケミカルピーリングは薬剤の濃度が低く、ニキビ治療を目的とした場合には十分な効果が見込めませんので、注意が必要です。ここではドクター監修の記事により、ニキビ治療として用いられるケミカルピーリングについて詳しく解説します。

保険治療ではありませんが、ニキビに対して大変効果があるケミカルピーリング。ここでは、皮膚科で実施されるケミカルピーリングや、ケミカルピーリングがニキビに有効な理由などを解説します。

ケミカルピーリングとは?

ケミカルピーリングとは、皮膚の表面に酸性の薬剤を塗布して、古くなった角質や毛穴に詰まっている角栓老廃物などを溶かして除去する治療法です。余分な角質を取り去ることで皮膚の新陳代謝を高め、肌の再生を促すので、ニキビ治療に限らず、シミやシワ、たるみなど、あらゆる肌トラブルを改善する治療法・美容法として人気があります。

ケミカルピーリングで主に使われる酸は、グリコール酸やクエン酸、乳酸、リンゴ酸などのフルーツ酸(AHA)です。ドクターは、皮膚やニキビの状態、肌質などによって使用する薬剤を選び、濃度や塗布時間を決めます。

ケミカルピーリングとニキビ治療

ニキビ治療に用いる理由

特に20代以降の女性のニキビの原因として最も多いのは、過角化によって毛穴が詰まり、そこにアクネ菌が繁殖することです。

フルーツ酸によって余分な角質や毛穴の詰まりを取り除くケミカルピーリングは、ニキビに対して、以下のような効果があります。

  • 白ニキビや黒ニキビの毛穴の詰まりを取り除く、または取れやすくし、赤ニキビに進行する前にニキビを改善する
  • 初期時点の「微小面皰」を取り除き、白ニキビや黒ニキビ、赤ニキビへの悪化を防ぐ
  • 過角化によって溜まった余分な角質を取り除き、毛穴を詰まりにくくする
  • ターンオーバーを整え、過角化を止める

つまり、できてしまったニキビを治す効果、悪化を防ぐ効果、新たなニキビができるのを予防する効果の3つを同時に行える治療方法なのです。

どのようなニキビに効くのか

ケミカルピーリングは、炎症のない白ニキビや黒ニキビにも、炎症性のニキビにも効果があります。また、ニキビがない肌でも、古い角質を溶かすことでニキビを予防するので、ほとんどの人に適用できる治療法です。

施術の頻度

ケミカルピーリングは、まずは2週間に1回の施術を6回、およそ3ヶ月を目安にスタートします。3ヶ月が経過する頃には、始めた時にできていたニキビは落ち着いてきて、新たなニキビはできにくくなっているはずです。

その後は1ヶ月に1回、2ヶ月に1回と期間を空けていき、ニキビがほぼなくなったら、基本的にホームケアだけにします。あとは、またニキビができてしまったら、皮膚科で施術を受けるのがよいでしょう。

エステのピーリングとの違い

エステティックサロンなどでもピーリングを行っていますが、それはあくまでも美容目的。治療目的のケミカルピーリングを行うことは法律で禁止されており、皮膚疾患の一種であるニキビの治療目的のケミカルピーリングを行えるのは医療機関のみです。

そのため、エステティックサロンで使われる薬剤に含まれる酸は低濃度。ニキビの治療効果を得るためには、それなりの濃度が必要であり、さらにそれをニキビの症状や肌質に合わせて、適切に使用しなければいけませんので、必ず医療機関でケミカルピーリングを受けるようにしましょう。

また、医療機関でも、経験が豊富なドクターでないと、十分な効果が出て、またお肌に問題が出ない塗布時間の見極めが難しく、必要な時間よりも短時間で終わらせてしまう、といったことがあります。

ニキビの治療目的でケミカルピーリングを受ける場合は、事前にクリニックやドクターに問い合わせや相談をして、経験豊富なドクターに治療してもらうようにしましょう。

ケミカルピーリングを受ける際の注意点

ケミカルピーリングは、意図的に酸によって角質層を薄くする施術です。そのため、角質層のバリア機能は一時的に低下している状態になり、乾燥や紫外線のダメージを受けやすい状態になります。ケミカルピーリング治療を受けた後は、以下のような点に注意しましょう。

  • ドクターの指示に沿い、保湿などのスキンケアをしっかり行う
  • 肌に優しい日焼け止めで、しっかり紫外線対策をする
  • クレンジングや洗顔などは、普段よりもより優しく丁寧に行い、お肌をこすらないようにする

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