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カモガヤ花粉症の治療法について

更新日:2018.04.23
公開日:2016.08.25
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この記事の監修者
森本耳鼻咽喉科 院長 森本雅太

イネ科の植物であるカモガヤによる花粉症の症状には、鼻や目に現れるものと口腔アレルギー症候群がありますが、どのような治療法があるのでしょう。カモガヤ花粉症の治療について、ドクター監修の記事で詳しくお伝えします。

カモガヤ花粉症の治療法について説明します。

カモガヤ花粉症の治療法

治療の方法は、カモガヤ花粉症の症状にアプローチする対症療法と、アレルゲンであるカモガヤ花粉にアプローチする根治療法の2つがあります。

対症療法

くしゃみや鼻水、鼻づまり、目のかゆみなど鼻や目に出たアレルギー症状を緩和するために行う治療です。

  • 点眼薬

抗アレルギー剤として、ヒスタミンが受容体に作用して花粉症の症状を引き起こすのを抑制する抗ヒスタミン薬が使用されます。また、症状が悪化している場合には、ステロイド点眼薬を用いることもありますが、眼圧の上昇に注意が必要です。特に緑内障を患っている場合は、ステロイド点眼薬で悪化する可能性が考えられるため、使用時には眼科医と相談することがすすめられます。

  • 点鼻薬

くしゃみや鼻水が主症状の場合には、抗ヒスタミン薬を用います。鼻づまりの症状には、粘膜の腫れを取り除く目的で、粘膜の血管を収縮させる働きのある血管収縮薬を用いる場合もあります。

また、症状が強いときには鼻噴霧用のステロイド薬を使用する場合もあります。鼻噴霧用ステロイド薬は、鼻づまり、くしゃみ、鼻水のいずれにも効果があり、全身投与の薬と比べると副作用が少ないのが特徴です。

  • 内服薬

抗ヒスタミン薬を内服し、体全体のアレルギー症状を抑えます。そのほか経口ステロイド剤は高い効果を発揮しますが、全身副作用のリスクがあるため、症状を見極める必要があります。また、服用する期間も短期間に限定されます。

  • レーザー

鼻づまりがひどい場合や、点鼻薬・内服薬の効果があまり得られない方などにはレーザー治療が適する場合もあります。

根治療法

カモガヤ花粉症の原因物質に働きかけて、根本的な治療を目的としています。

  • 原因抗原の除去と回避

カモガヤ花粉が原因抗原であると特定された場合、生活圏に侵入するカモガヤ花粉を掃除や洗濯などで除去し、できるだけカモガヤ花粉を体や家の中に入れないようにします。

  • 減感作療法

カモガヤ花粉の抽出液を注射で投与する方法です。最初は濃度の薄いエキスから始めて濃度をゆっくりと上げていき、花粉抗原に対する免疫力をつけていきます。痛みをともなう皮下注射を2年以上続ける必要がありますが、高い効果が確認されています。

カモガヤ花粉症は完治するのか

現在、減感作療法の従来の皮下注射による方法が改良されるなど、根治療法の新たな試みによって花粉症治癒への期待は高まっています。しかし、現在のところはまだ、花粉症は一度発症すると一生付き合う必要のある疾患だと考えられています。そのため、患者の生活の質を下げないためのQOL(クオリティ・オブ・ライフ)に着目した治療が行われています。

口腔アレルギー症候群の治療

カモガヤに限らず、花粉症の人は口腔アレルギー症候群を併症するリスクがあります。そのため、医療機関において自分がどの食物にアレルギー反応を起こすのかをきちんと特定しておく必要があります。

口腔アレルギー症候群になった場合の治療法は以下の通りです。

  • 抗アレルギー薬でアレルギー反応を抑える
  • 原因となる食物の摂取をできるだけ避け続ける

症状が出てしまった場合には、軽症ならば必要に応じて抗ヒスタミン薬を服用し、症状の進行を少しでも抑える必要があります。万が一、この処置で症状がおさまらずに進行するときや、症状の進行が激烈なとき、症状の出始めから息苦しさや、ショック状態などの重い症状が見られるときには、迷わず救急外来を受診して適切な治療を受けましょう。

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