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性病・性感染症の治療に効果のある薬とは
性病には多様な種類があり、それぞれ原因が異なります。そのため、治療に用いられる薬も感染症によって変わってきます。ここでは、性感染症の種類と特徴および治療薬について、ドクター監修の記事で解説します。
性病と一口にいっても多様な疾患があり、特徴や治療方法はいろいろとあります。クラミジアや淋菌のような細菌、ヘルペスやHIVのようなウイルスなど、感染した微生物によって有効な治療薬はまったく異なるものとなります。ここでは、主な性感染症とその治療で用いられる薬について説明します。
性病・性感染症は必ず病院で治療を
性行為などの性的な接触によって感染する病気のことを性病、あるいは性感染症と呼びます。かつては淋病や梅毒など特定の4疾患を性病としていましたが、性行為で感染する疾患が新たにいろいろと認められるようになったため、現在ではこれらを総称して性感染症と呼んでいます。性感染症は、STD(Sexually Transmitted Diseases)やSTI(Sexually Transmitted Infections)とも言います。
性感染症に含まれる疾患にはさまざまなものがあります。大きく分けると、細菌などの微生物によるものとウイルスによるものの2つがありますが、これらの中にも多様な種類があり、特徴や治療法が異なります。それぞれについて、主なものと治療薬を紹介します。
なお、自己判断で薬を使用しないことが治療の大前提です。必ず病院を受診して検査・診断を受けることが求められます。そして、処方された薬を適切に使用することが性感染症の治療には不可欠だと言えます。
性病の種類と原因、効果のある治療薬
性感染症は放置していても自然治癒しないものです。また、潜伏期間は疾患によって異なりますが、感染してからの期間が長いほど、病状が悪化することが多いといわれます。他の人にうつる危険性もありますから、早期に発見・治療することが求められます。主に投薬治療が行われますが、用いられる薬は次のようなものがあげられます。
性器クラミジア感染症
「クラミジア・トラコマチス」という細菌によるもので、症状がほとんどない場合もあります。男性では膿尿が、女性ではおりものの増加、腹痛、不正出血がサインとなるケースが見られます。男女ともに、放置すると不妊のリスクを高めます。性器の他、オーラルセックスなどによって咽頭にも感染することがあります。
治療薬にはマクロライド系、ニューキノロン系、テトラサイクリン系の抗菌薬が用いられます。
淋菌感染症(淋病)
淋菌の感染によって、男性は尿道炎を、女性は子宮頸管炎などを主に引き起こすとされます。感染力が高く、一度の性行為で感染率は30%ともいわれています。また、クラミジアと合併することも多いようです。淋菌への抗菌薬はいくつかありますが、咽頭・尿道・子宮頸管のすべてに有効とされていて、なおかつ保険がきくのはセフトリアキソンという静脈注射薬のみです。ただし、このセフトリアキソンに耐性のある淋菌が日本で見つかっていることから、必ず効くとは言い切れません。他の薬としては、スペクチノマイシンという筋肉注射薬やアジスロマイシンという内服薬があります。これらはいずれも、淋菌によって生じる尿道炎と子宮頸管炎に適応のあるものです。
梅毒
昔から性病として有名な梅毒は、「梅毒トレポネーマ」という微生物の感染で引き起こされます。感染から3週間くらいで症状が現れますが、放置すると症状が出たり消えたりしながら数年かけてゆっくり進行します。通常はペニシリン系、ミノサイクリン系の抗菌薬が処方されます。
性器ヘルペスウイルス感染症
口唇ヘルペスなどで名前を聞いたことがある人もいるかもしれません。口唇ヘルペスのある人に性器をなめられるなどすると、粘膜から感染することがあります。ヘルペスウイルス1型または2型に感染することで、かゆみや水ぶくれのようなものが症状として現れます。水ぶくれが破れた傷口から他の菌が入りやすくなるため、合併症にも注意が必要です。治療には、アシクロビル、パラシクロビルの他、ファムシクロビルという抗ウイルス薬を用いてヘルペスウイルスの増殖抑制を目指します。これらは内服薬または軟膏で処方されます。
尖圭コンジローマ
「ヒトパピローマウイルス」というウイルスが感染すると、性器の内外や肛門のまわりなど、陰部に尖ったイボができる疾患です。痛みやかゆみは特にないとされますが、気になってイボを傷つけるなどすると、中のウイルスが拡散してしまい、カリフラワーのような形の、イボの集合体ができるとされます。薬による治療では、イミキモドクリームを塗る方法があります。投薬以外の治療法では、レーザー治療、電気メスで焼き切る方法、液体窒素で凍結させる凍結治療、メスで切除する外科治療などがあります。
膣トリコモナス症
トリコモナスという原虫が体内に入ることでかかる感染症です。女性では陰部に強いかゆみや痛みがあり、不快なにおいの泡状のおりものが大量に出るとされます。男性にもトリコモナス原虫が体内に入ることはありますが、膿尿などがあっても症状が軽いか、自覚しない場合が多いと言います。治療はパートナーと同時に同じ期間で行う必要があり、男女ともメトロニダゾールという抗原虫薬を用います。使い方は、男性は内服薬のみとなりますが、女性では内服薬または膣錠を用いるか、あるいはその両方を使用することになります。
性器カンジダ症
カンジダという真菌によるものですが、もともとカンジダはヒトの体内に常在菌として存在するものです。性行為で感染するものの、体の抵抗力が弱らなければ異常に増殖したり発症したりすることはないとされます。このため、かえって潜伏期間が長くなることもあります。人体の免疫力が下がると、陰部にかゆみなどを引き起こします。特に女性ではかゆみが激しく、おりものがカッテージチーズのような状態になる、排尿や性交のとき痛む、などの症状があるとされます。イミダゾール系の抗真菌薬で治療を行い、内服薬、膣錠、軟膏などの形で用いられます。
HIV(ヒト免疫不全ウイルス)
潜伏期間が長く、徐々に免疫力を低下させていろいろな感染症にかかりやすくなること、そしてエイズを発症させることで有名なウイルスです。感染したHIVを薬で完全に消滅させる方法は、残念ながら今のところありません。治療としては、HIVの感染が発覚したら抗HIV薬を飲み始め、継続して服用し続けることで発症を遅らせることがあげられます。
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