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子供に多い水いぼ(伝染性軟属腫)の症状と対処方法
夏のプールが始まると流行しやすいのが水いぼです。水いぼは、幼児から小学生の間でよく発症する皮膚の病気です。なぜ水いぼができるのか、できたときにはどう対処したらいいのかなど、ドクター監修のもと解説します。
水いぼ(伝染性軟属腫)は、幼児期から学童期の子供が発症しやすいウイルス性の感染症です。ポックスウイルス科に属する伝染性軟属腫ウイルスが原因です。その感染経路は皮膚と皮膚の直接接触のみならず、道具を介しての間接接触もあり得ます。
子供に多い水いぼとは
水いぼの原因はウイルス感染です。ポックスウイルス科の伝染性軟属腫ウイルスが真皮の下で増殖したものです。膨れて、水ぶくれのように見えることから水いぼと呼ばれています。実際に水が入っているわけではなく、ウイルスによって変異した細胞とウイルスが塊として入っています。水いぼのウイルスの感染力は弱い方ですが、免疫力がなかったり、弱まっていたりすると増殖します。そのため、免疫力のない小さな子供に流行します。
水いぼは、命にかかわるような病気ではないため、医師によっては、無理に取らずに自然治癒をすすめられることもあります。
水いぼの原因とうつる経路
水いぼの原因である伝染性軟属腫ウイルスというのは、決して珍しいものではありません。実際に私たちの周りには何千というウイルスがおり、水いぼの原因となるウイルスもその一つに過ぎません。普段なら私たちの身体に大きな影響を与えないウイルスですが、免疫力の低下などによって水いぼのような症状を引き起こします。
水いぼのウイルスが皮膚に付着したからといって、すべての人が水いぼを発症するとは限りません。皮膚には、こうしたウイルスを身体の中に入れないためのバリア機能があるからです。ところが、乾燥したり目に見えない小さな傷があった場合、そこからウイルスが入り込みます。すると、真皮という角質層のもっと深いところまでもぐりこみ、細胞に感染します。感染された細胞は風船のようになり、大量のウイルスを排出します。その様子が外から見ると、いぼのように見えるのです。
水いぼの症状は?痛み・かゆみは?
水いぼの大きさは1㎜~5㎜程度です。水いぼができたからといって、かゆくなったり痛かったりということはほとんどありません。しかし、治りかけやアトピー性皮膚炎の子供は、かゆがってかき崩してしまうこともあります。水いぼができやすい場所は、体幹部分と擦れやすい部分です。水いぼは、いぼが破れて中のウイルスが広がることによって増殖します。そのためわきや背中、わき腹といった衣服で擦れるところに集中してできます。また、手でかいてしまうと手にウイルスが付着するため、そのまま他の部位を触ることで増えてしまいます。
水いぼは、半年から3年程度で免疫を得ることができるとされています。これには個人差がありますが、免疫ができればイボも自然になくなっていきます。
子供の水いぼを治療する方法
もっとも一般的な水いぼの治療は、特殊なピンセットで一つひとつ取り除く方法です。ピンセットでつまんで、いぼの中のウイルスと細胞の塊を取り除くことで確実に水いぼを取り除くことができます。しかし、この治療は子供にとって痛い治療になります。麻酔テープを張って治療するという方法もありますが、それでも子供にとって怖いことをされるのに変わりはありません。そのため、いぼの数が多い場合は、負担が大きすぎるのでおすすめできません。そのほかに、液体窒素で焼いたり、腐食剤を使用するなどさまざまな方法がありますので、医師とよく相談してみましょう。
保育園やプールでの感染を防ぐには
水いぼは、肌と肌との直接接触や、タオルなどを介しての間接接触によって感染します。よくプールで感染するといわれますが、プールの水は塩素によって消毒されており、基準の塩素濃度の中では、水いぼのウイルスは死滅してしまいます。ですから、プールの水が媒介になるということはありません。
しかし、プールサイドで身体を寄せあったり、じゃれたりする間に、肌と肌が接触してうつる可能性はあります。ビート板などの用具やバスタオルの共有も感染の原因となります。水いぼのウイルスは1年中いますが、とくに夏場に流行するのは、肌を露出する機会が多くなるからだと言えます。
集団生活をしていると、どうしても避けられない感染症があります。水いぼもその一つですが、だからといって子供同士を遊ばせないというわけにもいきません。水いぼの感染予防には、肌バリアを改善することも大切です。日頃から皮膚を清潔にするとともに保湿をしっかり行い、あまり日焼けをしないようにしましょう。丈夫な肌をキープできるように、栄養面でも気をつけることをおすすめします。
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