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生理の出血量が多い・少ない原因と経血で見る病気のサイン
月経期に起こる出血の量や状態など、その様子を見ることで体調の変化がわかることもあります。ドクター監修のもと、月経期に排出される経血と、異常な状態の見分け方、状態からわかる病気について解説します。
月経は、不要となった子宮内膜を体外へ排出して新しい子宮内膜を作るための大切な生理機能です。生理のときに排出される経血の状態を確認することで、体調管理にも役立てることができます。経血の異常を見極めるポイントと、異常な場合に潜んでいるかもしれない病気について解説します。
生理の期間と生理中の経血量
女性の身体は、通常25日から38日の生理周期で妊娠できる状態を整えています。生理周期は4つの時期に分かれています。生理が終わり卵胞が作られて子宮内膜が少しずつ厚くなっていく増殖期(卵胞期)、エストロゲンが増えて卵巣から排卵が行われる排卵期、子宮内膜を分厚くして着床しやすい状態にする分泌期(黄体期)、そして生理期間中となる月経期です。経血が排出されるのは月経期の生理期間中です。着床が行われないと、黄体が小さくなり黄体ホルモンの分泌が止まります。そして、不要となった子宮内膜がはがれ落ちて血液と一緒に体外へ排出されます。これが生理(月経)で、このとき排出される血液のことを経血と言います。経血の排出は3日から7日間続きます。月経期には通常、およそ20~180ml(平均すると50~60ml)の経血が排出されるといわれます。
経血の量が多い・少ない不正出血の原因
前述のとおり、一般的な生理の継続期間は3日から7日間で、経血の排出量はおよそ20~180mlといわれています。これよりも極端に量が多かったり少なかったりするのは、月経不順の可能性があります。
生理が長い過長月経・経血量が多い過多月経
生理の持続期間が8日以上ある場合を、過長月経と言います。また、経血の排出量が極端に多い場合は、過多月経の疑いがあります。少量の出血がだらだらと長く続く場合は、ホルモンバランスが崩れていることが原因と考えられます。また、黄体機能不全や、無排卵の可能性もあります。出血量が多く出血期間も長い場合には、子宮内膜症や子宮筋腫をともなう可能性もあるため、このような症状が続く場合は注意が必要です。
生理が短い過短月経・経血量が少ない過少月経
生理の持続期間が2日以内の場合は、過短月経と言います。また、経血の排出量が極端に少ない場合(ナプキンの表面に少量がつく程度)は、過少月経といわれます。このような症状は、女性ホルモンの分泌が少なく子宮内膜が厚くならない場合や、子宮が未熟な場合に起こりやすいといわれています。また、甲状腺機能の異常や無排卵月経などの疾患が隠れている可能性もあるため、放置しないようにしてください。
経血の異常で見る病気のサイン
量の他、経血の状態でも身体の変化を見極めることができます。いつもと異なる経血は、疾患のサインとなる可能性があります。
正常な経血は赤~暗赤色で、どちらかというとサラサラしています。しかし、子宮内膜が厚くなりすぎると、かたまりを壊す酵素の量が足りなくなり、溶かしきれなかったものがレバー状のドロッとした血液になって出てくることがあります。女性ホルモンの分泌量が通常より多いことが主な原因となるので、このような現象は20~30代の成熟している女性ではよくみられることです。たまにかたまりが見られるくらいなら、あまり心配する必要はありません。ただし、レバー状のかたまりが頻繁に見られたり、生理をくり返すごとに経血量が増えていき、生理痛もひどくなる場合は、注意が必要です。子宮内膜症や子宮筋腫などの疾患が隠れている可能性があります。
生理でレバー状の塊が出やすい子宮筋腫
子宮筋腫とは、子宮にこぶ状の良性腫瘍ができる疾患です。腫瘍のできる数は人により異なります。筋腫の場所によっては経血の量が増えて、レバー状のかたまりが出やすくなります。筋腫が他の臓器を圧迫すると、下腹部痛や腰痛、便秘や頻尿、尿が出にくい状態などを引き起こすこともあります。また、不妊や流産につながる可能性もあります。
不妊の原因にもなる子宮内膜症
子宮内膜やそれに似た組織が子宮以外の場所でも増殖してしまい、生理のときにはがれ落ちる疾患です。子宮以外にできた内膜は、はがれ落ちても排出されません。そのため、炎症を起こしたり、他の部位と癒着することで、生理が来るたびに痛みをもたらします。痛みは、徐々に強くなる傾向があります。また、過多月経や不妊の原因となる場合もあります。
このように、月経期に排出される経血の量・状態は、体調の変化と密接な関係があります。少しでもいつもの生理と違うと感じた場合は、早めに医療機関を受診して医師に相談することをおすすめします。
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