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粉瘤(アテローム)とは?どんな見た目?治療に麻酔は使うの?

更新日:2018.04.20
公開日:2016.11.30
ドクター画像
この記事の監修者
メディアージュクリニック青山院 院長 河合厚知

粉瘤は皮膚にできる腫瘍です。年齢と性別に関係なく、老若男女誰にでも粉瘤ができる可能性があります。なぜ粉瘤ができるのか、どのような治療方法が行われるのか、ドクター監修の記事で解説します。

粉瘤(アテローム)とは?

粉瘤(アテローム)の見た目の特徴は、半球状に盛り上がったしこりで、小さいものは数mmから数cm程度、大きくなると数十cmにもなります。しこりの中央部分に黒い点が見られることもあります。

初期状態では盛り上がりが目立たず、触るとコリコリするような感触がします。粉瘤はニキビと違い、発症している場所の内部に袋があり、その中に角質や皮脂などの老廃物が溜まっているものです。また、粉瘤の内部にある袋は、皮膚で構成されているため、徐々に大きくなっていく場合があります。

粉瘤ができやすい場所と理由

皮膚であればどこでも粉瘤は発生します。粉瘤のとはいえ、できやすい部分があるという傾向があります。粉瘤のできやすい部分について、いくつか紹介します。

耳たぶにできる原因はピアス

特に耳の裏側に発生しやすいとされています。清潔にしていれば、発生しにくいようですが、粉瘤になりやすい人の共通点は、ピアスをしている、したことのある人といわれています。それは、ピアス跡の傷口に粉瘤が発生してしまうからです。

ピアスについて

イヤリングとは違い、ピアスは、耳を貫いて装飾しています。専用の穴開きなどが販売されているため、安全性を考えずに耳に穴をあけることができてしまいます。しかし、他人の体にピアス穴を開ける行為は、医療行為となるため、医師免許が必要です。これからピアス穴を開けようと考えている場合には、皮膚科や形成外科、美容外科やクリニックで行いましょう。自分でピアス穴を開けてしまうことが、粉瘤につながってしまう可能性があるからです。

背中の粉瘤は皮脂が原因

背中は特にニキビが出やすい部分です。粉瘤も例外ではありません。目が届かないため、気づきにくく、発見が遅れてしまうことも多いです。粉瘤は、背中の肩甲骨の周りにできやすいといわれています。肩甲骨の周りには皮脂腺が集中していることが、粉瘤ができやすい原因とされています。背中に痛みなどの違和感を覚えたら、家族など他の人に頼んで確認してもらいましょう。

お尻の痛い粉瘤はなるべく早く治療

お尻に粉瘤ができてしまった場合は、痛みが走ってソファーや椅子に座れないこともあります。お尻を見せるのが恥ずかしいという理由で、病院を受診したくないと考える人も多いですが、なるべくはやく受診しましょう。そのまま粉瘤を放置してしまうと、悪化する可能性もあります。

粉瘤は何科で治療するの?

粉瘤ができた場合は皮膚科や美容皮膚科へ行くとよいでしょう。皮膚科はもちろん、美容皮膚科のほとんども粉瘤の治療を受け付けています。保険適応なので、少ない負担で診察と治療を受けることができます。例え粉瘤が小さくても、後から悪化する前に早期治療を受けることをおすすめします。

粉瘤の特徴と症状別の対処方法

初期段階であれば痛みは少なく、違和感を覚えることが多いようです。粉瘤が大きくなる前に治療を行うことが大切です。もし、粉瘤を放置した場合には、どのようになるのかを、特徴を含めて解説します。

自然治癒や自分で治療はできない

粉瘤の自然治癒はないといわれています。その根拠は、粉瘤の内部に袋を取り除かないかぎりは、完治が厳しいといわれているからです。粉瘤が小さいうちは、大きな痛みを感じることはありませんが、肥大化したり、痛みが出てくる可能性があります。小さいから大丈夫と判断せずに、皮膚科などで診てもらうことをおすすめします。

放置すると炎症を起こし悪化する

粉瘤を放置してしまうと、「ヘソ」と呼ばれる黒く小さいかさぶた状の開口部から細菌が侵入してしまいます。その後、炎症が起こり、中に膿がたまってしまい「炎症性粉瘤」という状態になります。この状態になったら、なるべく早く病院へ行きましょう。

破裂して臭い膿がでた場合の対処

粉瘤の内部にある袋の中に溜まっている膿が流出し、腐敗臭のようなにおいが漂います。袋の中に溜まっている膿を出せばいいのではと思う人はいるかもしれませんが、膿を外へ出しても、粉瘤は完治しないといわれています。病院で適切な治療を行うことが大切です。

初期の粉瘤は局所麻酔で手術

粉瘤を根本的に治すためには、手術をするしかありません。粉瘤の袋を取り除かないかぎり、回復は一時的です。粉瘤を治すための手術は、大きな手術でもありませんし、小さいうちは局所麻酔で手術を行うので、日帰りが可能です。ただし、数日間通院しなければなりません。近年ではなるべく手術跡が残らないように工夫した処置を行う医療機関も増えてきています。医師とよく相談して納得して治療を受けるようにしてください。

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