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顔の傷を傷跡として残さないためには
ケガをすると傷跡として残ってしまうことがあります。この傷跡、残さないようにする方法はあるのでしょうか。顔の傷について、傷跡がつくられるメカニズムから傷跡を残さないようにする方法まで、ドクター監修の記事で解説します。
ケガをしてしまったとき、できるだけ傷跡として残したくないですよね。特に顔は傷跡が目に付きやすいところです。顔のケガを傷跡として残さないために、ぜひ参考にしてみてください。
そもそもなんで傷跡になるの?傷跡が作られるメカニズム
ケガをしたときにできた傷は、次の3つの過程を経て治っていきます。
・炎症期
傷口に白血球が集まり、細菌や不要な組織を取り除いてキレイにする。
・細胞増殖期
傷を修復する役割を担う神経芽細胞(しんけいがさいぼう)がコラーゲンを作り、それが肉芽組織(にくげそしき)となって傷を修復しようとする。傷をふさいだ肉芽組織を足場に、表皮が再生する。
・成熟期
表皮の下で、肉芽組織が瘢痕組織(はんこんそしき)に置き換わり、傷が安定する。
傷跡が残る主な原因
・肉芽組織や瘢痕組織が表皮から透ける
肉芽組織や瘢痕組織は、通常の皮膚とは色や性状が異なります。それらが表皮の下から透けると、傷跡として目立ってしまいます。
・傷が治る過程がスムーズに進まなかった
たとえば、傷口から感染した化膿症状やその周りの血行不良などの理由で炎症期が長くなると、次の細胞増殖期も長くなり、神経芽細胞がコラーゲンを必要以上に作り出してしまう場合があります。すると肉芽組織が過剰にでき、傷口に赤みや盛り上がりができやすくなり、傷跡として目立ってしまいます。
傷跡を残さないようにするには
なるべく傷跡を残さないようにするために、なにができるでしょうか。
新陳代謝が正常な状態を保つ
表皮までの浅い傷の場合には、表皮細胞の新陳代謝が活発なため、約4週間で新しい細胞に置き換わり皮膚はほぼ元の状態に戻ります。表皮の下にある真皮に傷が達しても、厚さの半分以下でとどまっている場合は表皮細胞が傷口で正常に再生します。そのため、見た目には傷が残っていないように見えます。
正常な新陳代謝を保つために大切なポイントを紹介します。
・傷口を潤す
傷は、乾燥しているよりも体液に浸っている方が新陳代謝を活発にします。傷口をキレイに洗い流し、ウェットタイプのばんそうこうなどを使うと、傷の治りもよいといわれています。
・栄養素をバランスよく摂る
正常な新陳代謝を保つためには、脂肪酸、アミノ酸、亜鉛やマグネシウムなど多くの栄養素が必要です。いずれの栄養素も不足なく摂取するために、普段からバランスのよい食事を心がけましょう。
・ストレスを溜めないようにする
ストレスは自律神経のバランスを崩し、新陳代謝を悪くするといわれています。自律神経の正常な働きをキープできるように、適度にリラックスできる環境を作りましょう。
一方、真皮の半分以上に達した深い傷では、表皮細胞ではなく肉芽組織が傷を埋めていくので、傷跡として残りやすくなります。
紫外線対策をする
傷口にできた新しい細胞に紫外線が当たると、そこだけ傷跡が目立ちやすくなります。また、シミになる可能性もあるため、傷ができたところは直接日差しが当たらないようにします。傷が治った後もワンシーズンは日焼け止めを塗るなどの紫外線対策を心がけましょう。気になる場合には季節に関係なく紫外線対策を行うとよいです。
かさぶたははがさない
かさぶたは本来、傷を止血し、新しい表皮ができるまで傷を感染から守ってくれています。はがしてしまうと傷の修復が妨げられ、傷跡が残りやすくなります。また、炎症性色素沈着(えんしょうせいしきそちんちゃく)というシミになることがあります。新しい表皮ができれば自然にはがれ落ちるものなので、無理にはがさないようにしましょう
大人は特にしっかり対策を
新陳代謝が活発な子供に比べて大人は傷が治りにくい傾向にあります。年齢を重ねるとともに代謝が下がり、血行も悪くなりがちになります。さらに、コラーゲンを作りだす細胞の機能も低下するため傷が治るのに時間がかかるのです。
顔は特に傷跡が目につきやすい場所ですので、深い傷や大きな傷は医師に相談し、正しい対策をして傷跡を残さないようにしていきましょう。
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