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皮脂が肌にとって重要な理由とは?働きと上手な付き合い方

更新日:2018.01.16
公開日:2016.05.24
ドクター画像
この記事の監修者
めじろミサクリニック 院長 山川美佐

健康で美しい肌を作るためには、適度な水分量が必要です。肌の水分を保つためには、皮脂の役割が大きく締めています。専門ドクター監修のもと、皮脂の役割と皮脂が水分を保持する働きについて解説します。

うるおいのある美しい肌を作るためには、肌の水分を保持することが大切になります。肌の水分を保つためには、皮脂の働きが重要です。皮脂はどのようにして肌の水分を守ってくれるのか、解説します。

皮脂は肌に必要な存在

「皮脂」の過剰な分泌は、脂性肌やニキビ、吹き出物などの原因となります。そのため、皮脂に対して「ベタベタする」「汚れ」というような、悪いイメージを持っている人も多いでしょう。しかし、皮脂は悪者ではありません。皮脂が作る薄い皮膜によって皮膚を守る、健康な肌作りに欠かせない存在なのです。

皮脂とは、皮膚の内側で脂質を蓄積する皮脂腺から分泌される脂質成分です。主な成分は中性脂肪(トリグリセリド)で、毛穴を通って皮膚の表面に押し出されます。皮膚表面に分泌された皮脂は汗と混ざって、皮膚表面を覆う皮脂膜を作ります。

皮膚の表面を覆っている皮脂膜は、皮膚から水分が蒸発することを防ぐフタの役割をし、皮膚や毛髪にうるおいを与えてくれます。また、外部の刺激から皮膚や毛髪をガードしてくれる働きがあります。さらに、トリグリセリドが皮膚に常在する細菌によって分解されることで脂肪酸が生じ、肌を弱酸性にする作用があります。肌が弱酸性の状態を保持していると、雑菌が繁殖しにくくなり、肌の環境を守ることにつながります。

皮膚における皮脂の役割

  • 美肌作用…肌にうるおいや柔軟性を与える
  • 保護作用…角質層が過剰にはがれるのを防ぎ、肌荒れを予防する
  • 保湿作用…体内の水分が蒸発するのを防ぎ、水分をキープする
  • 殺菌作用…肌を弱酸性に保ち、雑菌が繁殖しにくい肌を作る

皮脂の減少と過剰分泌による肌トラブル

皮脂の分泌量は、性ホルモンの影響を大きく受けます。思春期から成人にかけて多く分泌され、女性は20歳代をピークに減少しますが、男性は20~40歳代にピークを迎えた後、加齢とともに減っていきます。

皮脂の分泌が適量の場合は皮脂が肌環境を守ってくれますが、皮脂の分泌が減少すると皮膚の水分が蒸発して乾燥し、しわや肌荒れのほか、アトピー性皮膚炎などを引き起こすことがあります。反対に、分泌が過剰になると、皮脂を好む常在菌が増えて脂漏性湿疹やニキビ、吹き出物などができやすくなります。皮脂の分泌が多すぎても少なすぎても、肌への悪影響が見られます。

皮脂の分泌量を適量に保つポイント

皮脂の分泌を適量に保つためには、皮膚を清潔にすること、水分と油分を十分に保つこと、肌に刺激を与えないことの3つが大切になります。

化粧品の選び方・使い方

皮脂のバランスを整えるためには、日々のスキンケアが重要になります。スキンケア商品はいろいろなタイプがあるため、乾燥肌用、ニキビ肌用など自分の肌の状態に合うものを選びましょう。洗顔料は、よく泡立てて強くこすらないように洗います。洗顔後は化粧水や乳液、美容液などで水分と油分を補給、肌を保湿します。皮脂の分泌が多い場合でも、保湿はしっかり行います。

食事などの日常生活の心がけ

皮脂の分泌量は、紫外線、食事や生活習慣、過度のストレスなどによって、大きな影響を受けるといわれています。紫外線対策や栄養バランスのよい食事を心がけ、睡眠をしっかりとるほか、適度な運動でストレスを発散しましょう。

皮脂のバランスを整えて、肌の水分をキープし、うるおいのある状態に保ちましょう。

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