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生理中、膣が痛いのはなぜ?
生理中、膣に痛みを感じることはよくありますよね。体調やストレスなどによって影響することもありますが、あるホルモンの分泌が影響していることも。
生理中、膣に痛みを感じる原因とその対策について解説します。
なぜ膣に痛みを感じるのか?
膣に痛みを感じる原因には、生理の仕組みが深く関わっています。生理は、妊娠せずに子宮内膜がはがれ落ち、月経血として体の外に流れ出ることです。
血圧を低下させたり、筋肉を収縮させる作用のある「プロスタグランジン」というホルモンが、生理周期に合わせて分泌され、子宮を収縮させます。子宮内膜を血液とともに体の外にスムーズに押しだす役割があります。このプロスタグランジンが過剰に分泌されてしまうと、子宮の収縮も過剰になり、下腹部や腰の痛みの原因となります。また、プロスタグランジンには、痛みを強める作用があるため、ときに頭痛や腰痛を感じることもあります。
生理の仕組み上、痛みを感じてしまうことがありますが、その他にも大きく4つ、痛みの原因と考えられることがあります。病気によって痛みが出ていることもありますので、それぞれの原因や対策を知っておくとよいでしょう。
痛みの原因1:体の冷え
体の冷えは万病の元といわれるように、生理中に膣が痛む原因のひとつには、体の冷えがあります。
体が冷えてしまう原因は、主に4つあります。まず、筋肉量が少ないと体で作りだす熱の量が少なくなり、冷えの原因となります。二つ目に、血行不良があります。血のめぐりが悪いと、作り出した熱を全身に届けられなくなります。三つ目と四つ目には、体にたまる余分な水分と皮下脂肪が原因にあがります。余分な水分が溜まったり皮下脂肪が多いと、熱を逃しやすく冷えやすい体になってしまいます。
また、使い捨てナプキンが冷えに影響している場合もあります。使い捨てナプキンは、保冷剤や発熱時に額に貼り付ける冷却シートと似た素材でできています。血液の漏れを防ぐためのジェルが、膣を冷やす原因になってしまうのです。使い捨てナプキンではなく、布ナプキンやコットン100%のナプキンを使用することで、冷えの改善が期待できます。
冷えによって血のめぐりが滞り、経血が上手く体内に出ていかないと、骨盤内にプロスタグランジンが留まっている時間が長くなり、月経痛が強くなってしまいます。こうした冷えの原因を取りのぞくには、ウォーキングやストレッチ、エアロビクスなどの適度な運動を、毎日20分程度行うこと、体を締めつけてしまう服や下着を着用しないこと、入浴で血行を促進したり、体を温める効果のある食品を意識的に食べるとよいでしょう。
痛みの原因2:ホルモンバランスの乱れ
ホルモンバランスが崩れると、女性ホルモン、特にエストロゲンが減少し、膣内の壁となっている膣粘膜が萎縮します。それによって粘膜が弱くなり、摩擦による刺激を受けやすくなります。また、抵抗力も弱まるため細菌性膣炎といった、膣内に細菌が広がってしまう病気にも繋がることがあります。
月経が来た日を記録して、定期的に来ているかチェックすることによって、ホルモンバランスが乱れていないかを確認することも大切です。また、薬(ピル)の使用は、月経をコントロールできるため、ホルモンバランスを整え痛みを和らげたい人は、婦人科で相談をするとよいでしょう。
痛みの原因3:子宮内膜症
子宮内膜症とは、子宮の外で子宮内膜ができてしまう病気です。年齢を重ねるごとにかかりやすく30~40代の方が多くいます。子宮内膜症では、卵巣や卵管、骨盤内など、さまざまな場所に子宮内膜が増殖します。通常であれば、子宮内膜が月経血として体の外に流れでますが、子宮内膜症の場合、腹腔内にとどまり、癒着や炎症へと少しずつ進行します。原因は、はっきりとは解明されていません。つらい月経痛を訴える人が多く、回数を重ねるごとに痛みが強くなるのが特徴です。進行とともに腰痛や下腹部痛、排便痛、性行痛、肛門や膣の奥などに痛みがあらわれることもあります。子宮内膜症の治療は、主に手術と薬物療法があります。
痛みの原因4:細菌性膣炎
膣は、尿道や肛門のそばにあり、温かく湿っているため、細菌やウイルスが侵入、増殖しやすい環境です。膣には、細菌やウイルスが体に入らないようにする自浄作用があります。しかし、生理やストレスによる免疫力の低下、抗生物質の内服や加齢などにより自浄作用が低下すると、膣内で細菌が繁殖しやすくなってしまいます。また、ナプキンを長時間交換しないことや、陰部を過剰に洗うことも、繁殖の原因になります。細菌性膣炎は、外陰部のただれによる痛みや下腹部痛、膣の痛みなどの症状があり、自然治癒することもありますが、痛みを放置すると、生理痛が悪化してしまったり、おりものの色やにおいに異変がでたり(黄色・緑色になる、悪臭がするなど)してしまいます。
生理痛は、痛みどめで一時的に痛みを和らげることもできますが、これらの病気につながる一因ともなるため、無理に我慢せずに、つらいときは婦人科で相談するようにしてください。
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