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飲みすぎ注意!ストレスからの飲酒が与える美容トラブルと依存症
適量の飲酒は、ストレスを和らげるのに有効です。ただし、ストレスの解消のために、アルコールに頼りすぎるのは逆効果。老化や病気の引き金になってしまいます。そのメカニズムをドクター監修の記事で解説しています。
適量のお酒を楽しく飲むことは、ストレス発散にもなります。しかし、ムシャクシャした気持ちをお酒にぶつけて、やけ酒をして飲みすぎてしまうことは、美と健康を妨げてしまいます。
ストレスがかかるとお酒が飲みたくなる理由
これまで、アルコールにより気分が楽しくなるのは、アルコールによって脳が麻痺してしまうからだと考えられていましたが、現在はもう少し違ったアルコールの作用がわかってきています。アルコールを飲むと、気持ちを高揚させ楽しい気分にさせるドーパミンの分泌を促します。また、それと同時に、不安や恐怖心を鎮めるセロトニンの分泌も促されます。また、逆に、体を緊張させて心拍や血圧を上げる副腎皮質ホルモンや「怒りのホルモン」ともいわれるノルアドレナリンなどの分泌を抑制するので、緊張した心身を解きほぐす作用があるのです。
このように、適量のお酒はストレス緩和につながります。ただし、アルコールだけに頼ってストレスを発散しようとすると、ついつい飲み過ぎになり、身体の異常やアルコール依存症につながることがあるので注意が必要です。
過度な飲酒と老化の関係
アルコールが肝臓で分解される過程で活性酸素が生じるため、飲酒量が増えると活性酸素が大量に発生させます。過剰な活性酸素は身体の細胞を酸化させ、老化を加速させてしまうので、美と健康に悪影響を与えます。
たとえば、鉄が酸化して(錆びて)もろくなったり、リンゴの切り口が酸化して茶色く変色したりする現象をイメージするとよいでしょう。同じように肌の上で活性酸素が発生すると肌細胞の酸化が進み、表皮のメラノサイトを攻撃しメラニンの量を増やしたり、真皮内のコラーゲンやエラスチンを破壊して、肌のハリや弾力を失わせたりします。これによって、シミやソバカス、シワなどの肌の老化が進んでしまうのです。
適量を知ってお酒と上手につきあおう
一般的に、男性より、女性の方がアルコールの影響を受けやすいといわれています。女性ホルモンには、肝臓でのアルコールの分解機能を低下させる働きがあるため、特に、月経前など女性ホルモンの分泌が高まる時期には、ふだんよりアルコールに弱い状態になります。
また、肝臓のダメージを受けやすい人が多いのも女性です。一般に、日本酒で毎日3合を2~3年以上飲みつづけると、脂肪肝の危険性が高くなるとされていますが、女性は、その半分くらいの期間で脂肪肝を起こす可能性があります。また、過度の飲酒により、糖尿病や高血圧症などの生活習慣病、慢性すい炎、肺炎などの感染症、骨や筋肉の老化などのリスクも高まります。男性と同じように飲んでも、影響を受けやすいのは女性であることを覚えておきましょう。
アルコールを楽しむためには、自分の適量を知っておくことが大切です。一般に、男性の場合、肝臓がアルコールを処理するのに、日本酒1合あたり約4時間の時間がかかります。8時間ならその倍で、日本酒2合、ビールなら大瓶2本、ワインならグラス4杯程度が目安となります。しかし、アルコールの分解時間については摂取した量や個人差があるので、十分に時間を置くようにしましょう。
ただし、女性やアルコールに弱い人の場合は、もっと時間がかかると見ておくとよいでしょう。また、月経やストレスの影響などでも酔いやすくなってしまうので、このような場合は、いつもより少なめに飲むことを心がけましょう。
アルコール依存症に注意
アルコールの量を自身でコントロールすることができず、ある一定量でお酒を断つことができなくなるのがアルコール依存症です。アルコールが長期にわたり、飲み続けることで臓器に負担をかけ、臓器障害や糖尿病や貧血など、さまざまな疾患を誘発しやすくなります。また、家庭内や職場での問題など、社会生活上、大きな支障をきたす場合もあります。
アルコールと睡眠の関係
寝る前にアルコールを飲むことでよく寝つける、といった経験はないでしょうか。たしかにアルコールを摂取することで寝つきはよくなるとされていますが、同時に自律神経における交感神経も刺激してしまうので、睡眠の持続性がなくなり、結果として日中の眠気が強くなることがあります。また、アルコール摂取による寝つきをよくする効果は、1週間前後で耐性が出るので、寝つきがよくなるからといって、慢性的にアルコールを摂取し続けると、レム睡眠が減少し深い眠りが増加してしまいます。
また、先述したアルコール耐性から寝つきが以前より悪くなったと思い、飲酒量を増やしてしまうことで、アルコール依存症に陥るといった悪循環になりやすいので、アルコールを睡眠前に摂取することはリスクを背負うことでもあります。
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