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化粧品に使われる防腐剤の種類と特徴

更新日:2017.01.30
公開日:2015.08.12
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この記事の監修者
マブチメディカルクリニック 院長 馬渕知子

多くの化粧品には、防腐剤が使われていますが、どうして化粧品に防腐剤が必要なのでしょうか。化粧品に防腐剤が使われる理由と化粧品に使われる代表的な防腐剤の種類と特徴をドクター監修の記事でご紹介していきます。

化粧品の多くは、防腐剤が配合されています。ここでは、化粧品に防腐剤が使用される理由と、化粧品に使われる主な防腐剤の種類をご紹介していきます。

化粧品に防腐剤が配合される理由

化粧品に防腐剤が配合される理由のひとつは、化粧品には微生物が繁殖しやすいことがあげられます。というのも化粧品には、カビや細菌の栄養になる成分が多く含まれているため、こういった微生物の絶好の繁殖スペースになるのです。カビが生えたり、劣化した化粧品を使ったりすると、肌に深刻なトラブルをもたらしかねません。繁殖するカビには、「アフラトキシン」という、強い毒をつくりだすものもあります。

また、現在の薬事法では、「基本的に化粧品は製造または輸入後、適切な保存条件のもとで3年を超えて性状および品質が安定なものでなければならず、3年以内に変質するおそれのあるものは『使用期限』を表示しなければならない」と定められています。つまり、化粧品は、よほどひどい条件で保管しないかぎり、未開封で3年間は、品質が保てるようにつくられていなければならないのです。

このように、防腐剤を配合することで、菌が入って品質が落ちるのを防いだり、劣化したものを使って肌トラブルが起こるのを防いだり、長く使えるようにするために効果があります。また低コストで済むのも、防腐剤が配合される理由の1つです。

化粧品に使われる防腐剤の種類

化粧品に使われる防腐剤で、代表的なものを紹介します。

パラオキシ安息香酸エステル(表示名称:パラベン)

化粧品にもっともよく使われる防腐剤のひとつで、抗菌性が高く、広範囲の微生物に対して効果があります。また、毒性も低いといわれているうえに、他の防腐剤に比べて、少ない含有量でも優れた防腐効果を発揮するという一面があります。パラベンにはいくつか種類がありますが、一般的に使用されているのは、「メチルパラベン」「エチルパラベン」「プロピルパラベン」「ブチルパラベン」の4つです。

安息香酸(表示名称:安息香酸)

香料として用いられる「安息香(ベンゾイン)」という天然樹脂の中に存在します。水に非常に溶けにくく、酸性がpH5以上になると抗菌性がなくなります。微生物を殺す殺菌作用はあまりありませんが、その増殖を抑える静菌作用は強く、食品にも使われている防腐剤のひとつです。

安息香酸ナトリウム(表示名称:安息香酸Na)

水に溶けにくい安息香酸を、水に溶けやすくするために、ナトリウム塩にしたものです。pH8以上になると抗菌性がなくなります。

デヒドロ酢酸ナトリウム(表示名称:デヒドロ酢酸Na)

カビ、酵母、好気性菌の発育を阻止する作用があり、pHが中性付近の環境でも、ある程度の効果を発揮します。また、有機物によって防腐性能が影響されることも、あまりありません。

ヒノキチオール(表示名称:ヒノキチオール)

台湾ヒノキの精油から発見された薬効成分で、日本の樹木では、ヒノキの仲間であるヒバの一種の「ヒノキアスナロ」に豊富に含まれています。特有の香りがあります。広い範囲の微生物に対して、強い抗菌性を発揮します。

フェノキシエタノール(表示名称:フェノキシエタノール)

抗菌力はさほど強くありませんが、パラベンが効きにくいグラム陰性菌に対して有効です。

化粧品に含まれる防腐剤の注意点

化粧品に添加されている防腐剤は、化粧品を使用しているうちに人間の指から混入した細菌や空気に触れることで発生する酸化から美容成分を守るために使用されています。

しかし、敏感肌の人の中にはこの防腐剤に拒否反応を起こす人もいます。その割合は、パラベンで1000人中に2人という情報もあります。

このような、防腐剤に拒否反応を起こしてしまう人に向けて「無添加」「防腐剤フリー」の化粧品が販売されており、化粧品の選択の幅は広がっています。

化粧品を選ぶときは「防腐剤が入っている」ということだけにとらわれるのではなく色々な商品を試して、自分の肌に合った商品を選んでみてください。

ただし、防腐剤を使用していない化粧品を試す場合は取り扱いに十分注意して早めに使い切るようにしましょう。防腐剤フリーの化粧品の詳しい取り扱いについては、『体に悪影響?化粧品に入った防腐剤』をご覧ください。

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