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酒さの症状の特徴と顔の赤みの治療法
顔の赤みの原因にはさまざまなものがありますが、「酒さ(酒さ性皮膚炎)」もそのひとつです。酒さの具体的な症状や原因、皮膚科での治療法、セルフケアのポイントなどについて、ドクター監修の記事で解説していきます。
酒さは、俗に「赤鼻」などとも呼ばれ、顔が赤くなる症状のひとつです。ここでは、この酒さの具体的な症状や原因、酒さによる赤みの治し方などについて解説していきます。
酒さとは
酒さとは、鼻や眉間、頬といった顔面の中心に赤みが見られる慢性疾患です。発症は中高年以降に多く、その名前からもわかるように、まるでお酒を飲んでいるかのように見えるのが特徴です。酒さの症状は、重症度によって3段階に分類されています。
- 紅斑性酒さ(第一度酒さ)…顔がほてって肌が赤くなったり、やや太めの血管が赤い糸くずのように見えるもの
- 酒さ性座瘡(ざそう)(第二度酒さ)…紅斑性酒さに加えて、ニキビのような膿疱(のうほう)ができるもの
- 鼻瘤(びりゅう)(第三度酒さ)…膿疱が悪化し、コブのように鼻の頭が盛り上がったようになるもの
しかし、必ずしも第一度から段階的に進行していくとは限らず、第三度の鼻瘤が初発症状として現れるケースもあります。また、湿疹やアトピー性皮膚炎、ニキビなどの症状が合併し、酒さとは診断がつきにくいこともあります。
女性に多いとされる酒さ様皮膚炎とは
長期間、顔に副腎皮質ステロイド薬を使用し続けることで、酒さに似た赤みやほてり、かゆみ、発疹が現れることがあります。20代~50代の女性に多く報告されており、「酒さ様皮膚炎」といわれています。
ステロイド外用薬は炎症やアレルギー反応を抑えるために使用され、喘息(ぜんそく)や関節リウマチ、虫刺され、アトピー性皮膚炎などに処方されることが多い薬です。酒さ様皮膚炎の症状が見られた場合はすみやかにステロイドの使用を中止する必要がありますが、炎症やアレルギー症状が一時的に悪化するおそれがあるため、医師の指示に従うことが大切です。
酒さ様皮膚炎を発症した際は、顔に必要以上の刺激を与えないようにしましょう。長時間の入浴やスパイスの効いた食べ物、飲酒や喫煙は血管を広げ、赤みを強くしてしまうことがあります。また、紫外線も大敵なのでUV対策を心がけましょう。
※詳しくは、『酒さ様皮膚炎とは』をご覧ください。
酒さが顔面に生じる原因
酒さの根本的な原因はまだ解明されていませんが、皮脂腺が異常に増殖することで、そこに栄養を供給するために周りの毛細血管も増殖することで皮膚が赤くなるといわれています。また、遺伝・体質などの背景に、以下のような要因が重なって悪化するとも考えられています。
- 長時間の入浴や激しい温度変化
- 緊張やストレス
- 紫外線による刺激
- 熱い飲み物やアルコール、香辛料など刺激の強い飲食物の過剰摂取
- 化粧品による刺激
- 過剰な皮脂分泌
- 顔ダニ など
酒さの治し方
酒さは慢性の疾患で完治しにくいので、皮膚科での治療としては症状を良好な状態にコントロールしていくための対症療法が行われます。一般的によく用いられるのは、テトラサイクリン系抗生物質の飲み薬や、抗菌薬であるメトロニダゾールの塗り薬などです。
塗り薬(外用薬)
海外で酒さや酒さ様皮膚炎の治療薬として定評の高い外用薬に、メトロニダゾール軟膏や、アゼライン酸高濃度配合クリームがありますが、いずれも日本国内では承認されておらず、医療機関でのみ保険適用外で処方されています。また、酒さの症状に応じてプロトピック軟膏やイオウ・カンフルローション、非ステロイド性抗炎症薬などが用いられる場合があります。
一般的な湿疹や皮膚炎で使用されるステロイド外用薬でも一時的な効果は見られますが、長期にわたる使用は酒さを悪化させるおそれがあります。
飲み薬(内服薬)
抗菌作用や抗炎症作用の高いテトラサイクリン系抗生物質の内服薬が多く用いられています。抗生物質としては副作用も少なく、長期の内服も可能です。
また、ほてりを持つ酒さの場合は、白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)や桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)などの漢方薬を用いる治療もあります。
美容皮膚科では、赤みに対してレーザー治療やフォトフェイシャルなども行っています。これらの治療法については、『顔の赤みのレーザー治療』をご覧ください。
まとめ
酒さには、激しい温度差や紫外線、熱い飲み物、刺激の強い飲食物、アルコール、ストレス、化粧品など、さまざまな悪化因子があります。赤みを治すためには、皮膚科医と相談して自分の悪化因子を見極め、その誘因をできるだけ避けたり、取り除くことが重要です。
紫外線を避けるには、日傘や帽子、日焼け止めなどを使ったUVケアが有効ですが、酒さの人は肌が敏感になりやすいので、日焼け止めは低刺激のものを使いましょう。同じく、洗顔や保湿ケア、メイクなどに使うアイテムも、低刺激のものを選ぶことをおすすめします。
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