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背中ニキビを治す市販薬とおすすめケア

更新日:2018.06.07
公開日:2015.03.02
ドクター画像
この記事の監修者
札幌シーズクリニック 院長 大久保真

見えない背中のニキビに悩む人は多いようですが、どんな薬を使えば治せるのでしょうか。ここでは、背中ニキビの原因やニキビの薬など、すべすべの肌を取り戻すための基礎知識について、ドクター監修の記事で解説します。

自分では目の届かない背中にニキビができて悩んでいる方は多いようです。どんな薬を使えば、気になる背中のニキビを治せるのでしょうか。顔だけでなく背中のスキンケアをするためには、ボディケアの知識があるとよいでしょう。ここでは、背中に発生したニキビをキレイに治すための薬や、すべすべの背中を取り戻すための基礎知識について見てみましょう。

背中ニキビができる原因

背中にポツポツと現れるニキビは単一の原因で発生するというよりも、いくつかの原因が複合的に作用して発生することが多いものです。主な原因には、以下のようなものがあります。

  • 間違ったスキンケアや紫外線などで角質層が厚くなること(角化異常)による毛穴のつまり
  • 脂質や糖質の過剰摂取、コーヒーやアルコールの飲み過ぎ
  • ホルモンバランスの乱れ
  • ストレスや睡眠不足など生活習慣の乱れ
  • 背中の洗い残し
  • 衣服や寝具から移った雑菌

背中は身体のなかでも比較的皮脂の分泌量が多く、しかも常に衣服に覆われていて蒸れやすいなど、ニキビができやすい環境にあります。さらに、背中の場合は顔や手足など他の部分よりもケアがしにくく、気づいたときにはすでにニキビが悪化して、かゆみや炎症、化膿が進んでいたということもあります。炎症が酷くなるとニキビ跡として残ってしまうこともあり、やっかいな存在です。

背中ニキビの原因菌は「マラセチア真菌」

ニキビといえば、アクネ菌の増殖によって悪化し、炎症や化膿を引き起こすものとして知られていますが、背中など身体の場合は皮膚の常在菌であり、カビの一種である「マラセチア真菌」によってニキビが発生することがあります。

マラセチア真菌は、皮脂を好み、皮脂に含まれるトリグリセリド(中性脂肪)を遊離脂肪酸という刺激物質に変えてしまいます。炎症を起こすと自然治癒は難しくなるので、背中にブツブツと大量発生したときは早めに医療機関を受診することをおすすめします。

背中ニキビを治す市販薬

軽度の背中ニキビであれば、市販のニキビ全般に効く治療薬や化粧品を使ってケアするのもよいでしょう。ここでは、ドラッグストアや薬局などで入手できるニキビ治療薬の成分をご紹介します。

グリチルリチン酸ジカリウム

背中ニキビの改善効果があるといわれる市販のボディローションには、グリチルリチン酸ジカリウムを含有している製品があります。グリチルリチン酸ジカリウムとは、漢方で用いられる甘草という植物の根から抽出される成分で、炎症やアレルギーを鎮める効果があり、ニキビなどの炎症を改善できる可能性があります。

サリチル酸

サリチル酸とはケミカルピーリングに使われる成分で、角質を溶かして柔軟にする働きを持っています。角栓を除去する効果もあり、初期の背中ニキビに対しても有効といえるでしょう。実際、市販のニキビケア製品には、クリームや軟膏、ローション、スプレーなど、サリチル酸を含有したものが数多くあります。

ただし、角質層は肌本来のバリア機能を維持するために必要な部位なので、ピーリング成分を塗布することにより、肌のバリア機能を一時的に低下させるおそれがあります。肌を弱めるというデメリットを併せ持つ成分なので、使いすぎないよう気をつけましょう。

背中ニキビを治す皮膚科の処方薬

炎症を起こし、赤く腫れあがった背中ニキビを治療するなら、皮膚科クリニックを受診するとよいでしょう。特に炎症ニキビは重症化すると膿が溜まり、治癒した後も陥没したニキビ跡(瘢痕)が残ってしまうこともあります。また、炎症は起こしていなくても、ニキビが大量発生しているような場合は、やはり医療機関で診てもらったほうがよいでしょう。

ここでは、医療機関で処方される背中ニキビの治療薬や、ニキビ全般の治療に用いられる薬を紹介します。

抗真菌剤

先述したとおり、背中をはじめ身体に発生するニキビの多くは、カビの一種である「マラセチア真菌」が原因です。そのため真菌を一掃する抗真菌剤による治療が効果的です。おおむね、1~2か月ほど治療を継続すれば、軽快していきます。

抗生物質

炎症の原因となっている菌を殺菌する薬で、飲み薬と塗り薬があります。ただし、顔ニキビの原因となるアクネ菌と違い、背中ニキビの原因はカビの一種なので、あまり効果が望めません。背中ニキビに抗生物質を処方する皮膚科クリニックも少なくありませんが、基本的には抗真菌剤を使います。細菌感染を起こしている場合は抗生物質が有効なので、基本的には医師の指示にしたがって使用するのが一番でしょう。

レチノイド製剤

背中ニキビの炎症を誘発しているのはマラセチア真菌ですが、ニキビ自体の発生原因は角質層が硬化することによる毛穴づまりです。厳密にいうと、マラセチアはニキビ内部で炎症を起こす悪化要因であり、発生原因ではありません。

このレチノイドは、角質層を柔軟にして、ニキビ自体の発生を抑制する塗り薬です。ニキビの発生機序そのものを阻害する画期的な薬で、今ではニキビ治療の世界標準になっています。

このほかにも、漢方薬を活用したニキビ治療もあります。詳しくは、『背中ニキビを漢方で治す方法と効果』をご覧ください。

背中ニキビをつくらないおすすめケア

日常的なボディケアを心がけることで、軽度の背中ニキビを改善したり、予防することができます。市販薬による治療やスキンケアに加えて、以下のようなポイントにも気をつけましょう。

背中を清潔に保つ

背中の皮膚を不衛生な状態にしておくと、毛穴のつまりやマラセチア真菌の増殖を招いてしまいます。たとえば、頭皮を洗うときに、背中に流れたシャンプー成分が付着したままということはありませんか。また、シーツやパジャマなど肌が直接触れる寝具や衣類もこまめに洗濯し、清潔な状態をキープしましょう。

紫外線によるダメージを防ぐ

紫外線は角質層を厚くさせ、毛穴をつまらせる原因になります。強い紫外線は薄い衣服を透過しますので、服を着ているからと油断せずに、UVケア化粧品を塗ったり、UVカット効果のある衣類を身につけましょう。

ストレスを軽減する

強いストレスは男性ホルモンを優位にさせ、皮脂を過剰分泌させます。心理的ストレスや睡眠不足、疲労などストレスを抱えている人は、それらを解消するためにも、規則正しい生活やストレス発散を心がけましょう。

ビタミンの摂取

背中ニキビの予防や改善には、内側からのケアも大切です。栄養素として積極的に摂取したいのは、以下のビタミン類です。食生活で十分に摂取できないときは、サプリメントを活用するのもおすすめです。

  • 皮脂の代謝を正常化するビタミンB2・・・レバーやうなぎ、大豆など
  • 皮膚炎を予防するビタミンB6・・・青魚、プルーンなど
  • 皮脂分泌を抑制するビタミンC・・・キウイやピーマン、ブロッコリーなど

まとめ

背中のニキビの原因や治すための市販薬、セルフケア方法などを見てきました。背中のニキビはアクネ菌だけでなくマラセチア真菌によって発生することも多く、目に見えない場所なのでセルフケアも遅れがちです。初期のニキビであれば市販薬による治療やセルフケアが有効ですが、ブツブツと広範囲に広がったり、炎症を起こしている場合は、早めに皮膚科を受診することをおすすめします。

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