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髪染めによる頭皮トラブルと注意点

更新日:2017.09.06
公開日:2014.05.14
ドクター画像
この記事の監修者
新垣形成外科 院長 新垣実

髪染めによる頭皮トラブルであるかぶれや炎症。どうにかして防ぎたいものです。ここではドクター監修の記事で、髪染めによって起きる頭皮トラブルへの注意点、髪染めの選び方に加えて自分でできる頭皮トラブルの予防について解説します。

お洒落や白髪対策に欠かせない髪染め。しかし、この髪染めを使う際には注意が必要です。中には頭皮への負担が大きいものもあるからです。そこで今回は髪染めを使う際に気をつけたい点や、製品の選び方をご紹介します。

髪染めの頭皮への影響

髪染めは頭皮へ大きな影響を及ぼします。髪染めを使うとき、どうしても髪の毛への発色はどうか、全体的にまんべんなく染まるかどうかというようなことばかりが気になってしまいますが、実は頭皮は多大なダメージを受けている可能性もあるのです。

たとえば、髪染めによる頭皮のかぶれはよく起きることです。髪染めによるかぶれとは、頭皮や髪の生え際、額など髪染めの薬液が、皮膚に直接接したところに、かゆみや赤み、腫れ、ブツブツなどの皮膚の炎症が起きるものです。このかぶれを軽んじたり、気付かないで悪影響のある髪染めを使い続けたりすると、さらに症状がひどくなってしまいます。

また、進行すると、突然重いアレルギー症状が起きてしまうこともあります。このアレルギー症状は、頭皮だけでなく、全身の蕁麻疹や呼吸困難などをともなう危険もあります。

このような危険性もあることから、過去にヘアカラーでかぶれたことがある場合、ヘアカラーもパッチテストも行わないことが推奨されています。

髪染めを使う際の注意点

髪染めを使う前は必ずパッチテストを行いましょう。「自分はアレルギーがないから」と軽く見ていると、前述したようなかぶれの症状が突然現れるケースや、10年以上同じ髪染めで染め続けている人に突然症状が現れるというケースもあります。また、体調がすぐれないときや、生理前後の染髪は抵抗力が落ちているため、アレルギー反応がでやすい傾向があります。このことから、自宅で髪染めを行う場合は、毎回必ずパッチテストを行うことが大切なのです。

パッチテストの方法

パッチテストは髪染めの48時間前に、使用予定のヘアカラー剤を用いて行います。ヘアカラー剤は1剤と2剤の2つの薬剤からなります。まず、製品ごとに指定された割合で薬剤を取り、綿棒などで混ぜます。混ぜたヘアカラー剤を腕の内側にうすく塗って自然乾燥させます。このとき塗る量は10円玉大でよいでしょう。

このまま48時間放置し、ヘアカラー剤を塗った場所に皮膚の異常が見られなければ、髪染めが可能です。皮膚に赤みやかゆみ、水ぶくれ、腫れなどの異常があればアレルギー反応を起こしているということですので、ヘアカラー剤をすぐに洗い流し、そのヘアカラー剤を使った髪染めは行わないようにしましょう。

なお、48時間経過していなくても、皮膚に異常を感じたときにはすぐに洗い流しましょう。

髪染め後の注意点

髪染めを使った後は、くれぐれも髪に液を残さないよう、完全に洗い流すことが大事です。髪に残った髪染めの有害成分は、頭皮・毛穴のトラブルを引き起こします。頭皮のかぶれだけでなく、髪が細くなって抜け毛の原因になることもあるのです。そして、髪染めを使った後は、頭皮の保護機能に影響が出るといわれているため、頭皮を必要以上にゴシゴシこする洗髪などは控えましょう。頭皮がますます傷んでしまいます。

頭皮への刺激、毒性が強い染毛剤とは

髪染めは、できるだけ頭皮への刺激の少ないものを選びたいものです。では、どのような髪染めが、頭皮へ刺激を与えてしまうのでしょうか。

髪染めの中に含まれる化学薬品の中でも、毒性が強いといわれているのが、通称「ジアミン」と呼ばれる化学染料です。いわゆる発色剤の役割を果たしている成分です。このジアミン系の薬剤には、パラフェニレンジアミン、パラトルエンジアミンなどがあります。これらは、発がん性や、アレルギー性皮膚炎をもたらす可能性があると報告されているものです。

その他、ラウリル硫酸塩などの合成界面活性剤は、体内のタンパク質を壊してしまう作用があるため、頭皮に多大な悪影響を及ぼします。この合成界面活性剤が入った髪染めもおすすめできません。

また、ジアミンなどの染料を酸化させるのを促す、過酸化水素(オキシドール)も危険性が高いといわれています。皮膚に付着すると、強い刺激があり、皮膚や粘膜に触れると炎症を起こしてしまうからです。よく成分をチェックしてから製品を購入するなど、髪染め選びは慎重に行う必要があります。

頭皮や人体への影響が少ない染毛剤を選びましょう

頭皮への刺激が少ない髪染めを選ぶ第一の基準として、ジアミン系の化学染料が入っていない非ジアミン系(非酸化染毛剤)のものを選ぶのがよいでしょう。

非ジアミン系の髪染め(非酸化染毛剤)には、ヘアマニキュアやヘアカラートリートメントなどの染毛料という化粧品があります。また、ヘナなど植物染料を使った非酸化染毛剤もありますが、酸化染料を含んだ製品もあるという報告もあり、ヘナを使用しているからといって安心はできません。酸化染料を含んでいないかを、しっかりと確認しましょう。また、非ジアミン系の非酸化染毛剤であっても、使用前のパッチテストが必要です。

自宅での髪染めは、手軽に低価格でできる一方で、頭皮トラブルなども考えられます。不安な場合は美容室で髪染めを行ってもらうようにしましょう。

髪をきれいに染めるためのポイントとは

パッチテストで問題がなければ、できるだけきれいに染めたいものです。ここでは、髪をきれいに染めるために気をつけたいポイントをお伝えします。

使用温度

髪染めは温度によって反応のスピードが変わります。通常の染料は20℃から30℃くらいの室温で使用することを基準に放置する時間が決められているため、部屋の温度をチェックしましょう。

使用する量

頭皮に近いこめかみや頭頂部などは温度が高く、毛先に行くほど温度が低くなっており、髪の毛の根元に近い部分より毛先が染まりにくいと考えられます。染まりにくい部分に髪染めを多めに使用すると染まりやすくなるため、部位によって髪染めを塗る量を調節するときれいに染まりやすいと言えるでしょう。

放置する時間

温度のほか、髪質も染まりやすさに影響します。一般的に、細くて柔らかい髪質は染まりやすく、太くてしっかりした髪質だと染まりにくい傾向にあります。そのため、髪が太く硬い場合は所定の時間より少し長めに置くなどして調節すると、きれいに染まりやすくなります。ただし、放置時間が長すぎるとムラが出る原因にもなるので、注意しましょう。

カラーをきれいに保つためには

きれいに染めた髪は、できるだけ色を長持ちさせたいと思う方が多いでしょう。髪染めの色をできるだけきれいに保つには、髪を染めた直後からのケアが大切です。ケアのポイントをご紹介します。

髪質を弱酸性に戻す

通常、髪の毛は弱酸性になっていますが、カラーリング剤を使用すると髪質がアルカリ性に傾きます。アルカリ性に傾くと、髪が膨らみ、表面のキューティクルが開きやすくなります。この状態を放置すると、髪の毛の内側から水分やタンパク質が流れ出しやすくなり、ダメージヘアの原因となります。

そのため、染料をしっかりすすいで落としたら、シャンプーやコンディショナー、トリートメントで髪の毛を弱酸性に戻すことが大切です。弱酸性に戻るまでには、数日かかるといわれています。そのため、ヘアカラー用のシャンプーなどを継続して使うとよいでしょう。

キューティクルをしっかりケアする

前述したように、髪染めを行った直後にはキューティクルが開きやすくなっています。そのため、いつも以上にキューティクルを意識したケアが大切です。摩擦はキューティクルの大敵です。タオルドライのときには髪をタオルで挟んで軽くたたくように水気を取る、髪を濡れたまま放置しないといったキューティクルをいたわるケアを心がけましょう。洗い流さないタイプのトリートメントを使い、じっくりと髪をいたわるのもおすすめです。

変色や色落ちが少なくなるようにケアする

ヘアカラーの色素は外部からの刺激で壊れて変色したり、色が落ちる場合があります。そのため、色素を守ることもきれいな色を保つためのポイントになります。

色素の変色や色落ちを招く要因として、パーマや整髪料、育毛剤、プールの消毒に使用されている塩素などがあげられます。そのため、髪染め後1週間はパーマや整髪料の使用を避け、プールに入ったらしっかりと髪を洗うことをおすすめします。また、紫外線も変色の原因となりますので、帽子や日傘などを使って紫外線対策を行いましょう。

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