美容・健康の悩みを少しでも解消し、前向きな毎日を提供する

更新日以降、情報の更新が停止しております。
内容が最新ではない可能性がございますので予めご了承ください。

白ニキビや赤ニキビができたときの対処法

更新日:2017.11.24
公開日:2013.02.20
ドクター画像
この記事の監修者
渋谷スキンクリニック 院長 吉田貴子

ニキビの初期段階である白ニキビは、放置すれば赤ニキビへと進行して跡が残りやすくなります。ニキビ跡(痕)を残さないためには、早くから対処することが大切です。皮膚科での治療やセルフケアの方法について、ドクター監修のもと解説します。

ニキビには段階があり、進行すればするほど治癒しても跡が残りやすくなります。そのため、できるだけ初期のうちに適切な対処をすることが、ニキビ跡(痕)を残さず治癒するために大切になります。ニキビの対処として、大きく分けると以下の2つの方法が考えられます。

  • 皮膚科での治療
  • セルフケア

それぞれどのような対処方法があるのか、ニキビの原因や進行度とあわせて解説します。

ニキビができる原因

ニキビは毛穴の入口がつまることで起こる病気です。毛穴のつまりを取り去るには、角化して厚くなった角質のつまりを改善する治療(特にはピーリング)が効果的です。ニキビのできやすい方は、『ニキビの基礎知識と予防法』でも触れていますが、AHA配合の石けんやローションなどでピーリングを日常的に行って、毛穴をキレイに保ちましょう。

白ニキビと赤ニキビとは

ニキビは進行度に応じて見た目が変わります。その見た目に応じて、「白ニキビ」「黒ニキビ」などと呼ばれる場合もあります。以下、初期のニキビから進行度の順に簡単に説明します。

白ニキビ
内側に皮脂や老廃物がたまっているものの、炎症は起きていません。白くプクッと盛り上がった状態です。閉鎖面皰(へいさめんぽう)とも言います。
黒ニキビ
毛穴につまった皮脂が塊となって毛穴をふさぎ、中でニキビの原因菌が増殖し始める段階です。皮脂の表面が酸化し、黒く見えます。開放面皰(かいほうめんぽう)とも言います。
赤ニキビ
毛穴につまった皮脂をエサにしてニキビの原因菌が増殖し、周囲の皮膚が刺激されて炎症を起こしている状態です。
黄ニキビ
炎症によって毛穴に膿が溜まった状態です。ここまで悪化するとニキビが治癒しても跡が残る可能性が高くなる傾向にあります。
紫ニキビ
ニキビ内部に膿だけではなく血が溜まり、赤紫色に腫れあがるため紫ニキビと呼ばれます。毛穴周辺の皮膚にも炎症が広がっているため、ニキビ跡が残ることが多いニキビです。

ニキビの初期段階である白ニキビと、炎症の起こりはじめである赤ニキビについて、原因を見てみましょう。

白ニキビの原因

ニキビの初期段階である白ニキビができる原因は、毛穴がふさがり、皮脂が外に排出されなくなることです。毛穴をふさぐ要因としては、皮膚表面の古い角質やシャンプーなどの洗い残し、ファンデーションなどのメイクの洗い残し、ほこりなどさまざまなものがあげられます。

そのほか、皮脂の過剰分泌も毛穴をふさぐ原因となりえます。皮脂の過剰分泌は、生活習慣の乱れやストレスによるホルモンバランスの乱れや、食生活の乱れによる栄養バランスの乱れが関係しています。

赤ニキビの原因

赤ニキビは、前述したとおり白ニキビから進行し、毛穴の中でニキビの原因菌であるアクネ菌が増殖していることが原因です。増殖した菌によって周辺の皮膚組織が炎症を起こし、赤く腫れます。アクネ菌が増殖すると炎症を起こす理由は、アクネ菌の働きにあります。アクネ菌は皮脂の脂肪分を分解し、遊離脂肪酸という物質へ変化させます。遊離脂肪酸が皮膚の炎症を促進するのです。それだけではなく、アクネ菌はサイトカインという炎症を促進させる物質なども生成し、炎症を助長します。

赤ニキビになると、治癒してからもニキビ跡が残る可能性が高くなります。黄ニキビ、紫ニキビと進行していくほど跡が残る可能性が高くなり、跡も大きく残る場合が増えてきます。そのため、できれば白ニキビから赤ニキビになるまでの段階で適切な治療を受けたいものです。

白ニキビや赤ニキビをクリニックで治す対処法

皮膚科では赤ニキビや白ニキビの治療のために、どのような施術を行うのでしょうか。代表的な施術を解説します。

コメドプッシュ

「ニキビはつぶしてはいけない」といわれていますが、それは間違いです。炎症が起こっている場合(赤ニキビ・黄ニキビ)は、触ると痛みがあるので処置は行わないこともありますが、炎症の起こっていないニキビ(白ニキビ)に対しては、積極的に処置をお受けいただくことをおすすめしています。

具体的には、専用の器具を用いた、毛穴にたまったコメドを押し出す処置(面皰圧出、コメドプッシュ)がおすすめです。適切な状態で、上手に押し出せば、跡にならずにきれいに治ります。自分で押し出すこともできますが、炎症が起きているか否かの判断を誤ったり、押す角度や強さによっては、周りの組織を傷つけ逆に炎症が起きてしまい、ニキビを悪化させることもありますので、ご自分ではなさらずに皮膚科で処置をお受けになることをおすすめします。

ピーリング治療

悪化してしまったニキビには、家庭用のピーリング剤よりも高い効果のあるクリニックでのピーリングをおすすめします。ピーリングは、優しく毛穴のつまりを取り、皮膚のターンオーバー(新陳代謝)を促すので、ニキビの予防にもつながります。

皮脂分泌を抑える

また、ニキビができやすい方は、皮脂腺が発達し大きな状態になっているため、その皮脂腺を一時的に破壊し皮脂を出さないようにする、PDT(フォトダイナミックセラピー)という治療法が効果的です。特殊な光線をあてることで、毛穴の中にこもって活発に活動しているアクネ菌を死滅させることもできるので、化膿しているニキビもよくなりますし、新しいニキビもできなくなるという非常に画期的な治療法です。脂浮きもなくなるので、お化粧崩れもしなくなる。という女性には特に嬉しい治療法です。

内服・外用治療

クリニックでは保険診療内で処方されるニキビ治療薬もあります。 これは従来、皮膚科に受診した際に処方されるものです。 2008年に日本で認可の下りたディフェリンという治療薬は、軽いピーリング効果もあり、毛穴のつまりや汚れを取ることができます。ディフェリンを塗布し、毛穴が開きやすくなった後は、毛穴をふさいでいた皮脂の固まり(コメド)が自然に洗顔時に取れていくこともありますし、自然に取れなくても取れやすい状態になります。ここ数年では、ベピオゲルやデュアック配合ゲルと言ったディフェリンゲルを同様の効果のものが立て続けに発売されています。

また、同時に炎症を抑える抗生物質やビタミン剤の内服も必要です。

ある程度、進行してしまったニキビには自己流でのケアはかえって治癒を長引かせ、悪化させてしまうおそれがあります。ニキビは「毛穴の病気」であることを念頭に置き、必要な場合は、専門の皮膚科医に相談するようにしましょう。

白ニキビや赤ニキビのセルフケアでの対処法

ニキビに対する自己流のケアは、間違った方法で行うと治癒するのを長引かせたり、かえって悪化を招くおそれもあります。しかし、皮膚科を受診する時間がなかなかないといった場合もあります。ここでは、そのような場合に試したいセルフケアを解説します。

食べ物に気をつける

白ニキビの原因のひとつである皮脂の過剰分泌は、栄養バランスの乱れが要因の一つとなります。そのため、普段の食生活を見直し、栄養バランスを整えることでニキビの改善を図ることができると考えられます。

ニキビのときには摂りすぎに気をつけたい食べ物として、以下があげられます。

  • 動物性脂肪
  • 糖質
  • コーヒーや紅茶といったカフェインを含む飲み物

ただし、これらを摂取しても全くニキビが増えないという人もいます。我慢しすぎはストレスにもなり、かえってニキビができやすい状態を招くかもしれません。気になる方は、肉を食べる頻度を減らす、甘いお菓子を1袋食べていたなら半分にする、コーヒーなどを飲む回数を1日の中で1回減らすなど、それぞれの状態から無理のない範囲で調節してみましょう。また、ビタミンやミネラル、コラーゲン、食物繊維などもバランスよくとることを心がけましょう。

ニキビに有効とされる栄養素については『ニキビに効く食事とニキビ予防につながる栄養素』でも解説しています。

しっかり保湿する

肌が乾燥すると、肌を外部の刺激や異物から守るバリア機能が弱まります。すると、身体は皮膚の表面にある角質層を厚くして身体を守ろうとします。厚くなった角質は毛穴をふさぎ、ニキビの要因となります。そのため、日ごろのスキンケアでしっかり肌を保湿することがニキビの予防につながると考えられます。

皮膚表面の汚れを落とすクレンジングや洗顔は、ニキビへの大切な対処法です。しかし、洗いすぎはかえって肌にダメージを与えてトラブルを招く場合もあるため、洗顔時はしっかり泡立てた洗顔料でやさしく洗うことを心がけましょう。また、メイクをしたときに行うクレンジングも、ゴシゴシこすらずやさしく行いましょう。

また、洗顔後の保湿について簡単にまとめます。

化粧水
できればノンアルコールで、セラミドなどの保湿に有効な成分が配合されたものを選びましょう。また、洗顔後にはすぐに化粧水をつけることも大切です。
乳液やクリーム
化粧水で水分を与えて整えた肌に、水分が逃げないよう蓋をする働きがあります。ここでも保湿成分が含まれたものを選びましょう。ただし、含まれている保湿の種類やテクスチャーによっては、ニキビを悪化させてしまう可能性も考えられます。ニキビができているときには、できるだけ「ノンコメドジェニックテスト済み」と表示された商品を選ぶとよいでしょう。ノンコメドジェニック化粧品とは、ニキビのできにくい成分で作られている化粧品のことです。こってりとしたクリームタイプや、オイルの使用はお薦めできません。

ニキビのできにくい化粧品を選ぶ

保湿の項で「ノンコメドジェニック化粧品」について触れましたが、化粧下地やファンデーション、コンシーラーといったベースメイクにもノンコメドジェニック化粧品があります。ニキビができている場合や、そもそもニキビができやすい肌質の場合は、乳液やクリームと同じく「ノンコメドジェニックテスト済み」と表示された製品を試してみるとよいでしょう。また、油分が比較的少ないオイルフリーのファンデーションを使用するのもおすすめです。

まとめ

ニキビ跡が残りやすくなる赤ニキビやニキビの初期段階である白ニキビは、皮膚科で適切な治療を受けることが、もっとも確実性の高い対処方法です。たかがニキビと考えず、できれば皮膚科を受診しましょう。

また、皮膚科をすぐに受診するのが難しい場合や、セルフケアで対応したい場合には、以下のポイントを意識してみるとよいでしょう。

  • 食事の内容を見直す
  • 保湿ケアに使用しているアイテムや方法を見直す
  • 普段使用しているベースメイクのアイテムを見直す

保湿アイテムやベースメイクアイテムには、ニキビのできにくい油分を使用しているものもあります。そのようなアイテムも上手に活用しながら、ニキビのセルフケアの基本である「栄養バランスの整った食事」「保湿」をおさえましょう。

オススメ記事

  • 関連するオススメ記事がありません。

スキンケア基礎講座