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乾燥肌のスキンケアとメイク

更新日:2018.01.30
公開日:2013.02.20
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この記事の監修者
四谷三丁目皮膚科 院長 山田美奈

乾燥肌で悩んでいる人は、最近とても増えています。しかし、お手入れ方法を変えるだけで改善されることがあります。ここでは、乾燥肌のスキンケア対策とメイク方法、特に乾燥する冬の対策などについて、ドクター監修のもと解説します。

乾燥肌で悩んでいる人は、最近とても増えています。何をしても、どのような化粧品も合わず、スキンケアをすることさえも「怖い」という人もいるようです。しかし、お手入れ法を変えるだけで、乾燥肌が改善することがあります。ここでは、乾燥肌のスキンケア対策とメイクについて見てみましょう。

乾燥肌のクレンジング・洗顔

最近、朝は洗顔料を使わないでぬるま湯だけで洗うという方が増えていますが、就寝中にも皮脂は分泌されて酸化しますので、刺激の少ない洗顔料で洗うことをおすすめします。とくに、ニキビができやすい方は洗顔料を使いましょう。ただし、よほど乾燥している方の場合は、皮脂を落としすぎないという点において、それも一案かもしれません。

朝の洗顔について

寝る前に塗った美容液、クリームなどの成分や、寝ている間に分泌された皮脂が酸化したり、朝つける化粧水などが肌に入りにくくなる可能性もあるため、もしぬるま湯で洗ったときに肌に何かの成分が残っているように感じる場合は、乾燥していても刺激の少ない洗顔料で軽く洗うようにしましょう。

夜のクレンジングについて

夜は、刺激の少ないクレンジング剤でメイクなどの汚れをしっかりと落としてください。マイルドなクレンジング剤は、アイメイクを落としきれないことがよくあるため、目元だけは専用のクレンジング剤を使うことをおすすめします。

クレンジングのポイント

クレンジングは、時間をかけて行うと肌への刺激となるので、素早く行うのがポイントです。あらかじめポイントメイクは落としておき、クレンジング剤を塗ってからメイクとなじませてすすぐまで、およそ30秒~1分程度と考えておいてください。このとき、クレンジング剤はしっかり落とすようにしましょう。

洗顔後のケアについて

洗顔後、タオルで顔を拭く時は、ゴシゴシ拭かないように注意してください。水に濡れて、皮膚がふやけた状態にあるので、強くこするとタオルの繊維によって肌を傷つけてしまいます。決してこすらず、やさしく押して拭くようにしましょう。

洗顔で使用するタオルについて

タオルが古くなってくると、乾かしたときに繊維がガサガサに硬くなり、肌を傷つけてしまうため気をつけてください。

使用するタオルは、肌触りのよい柔らかいものを選んでください。湿ったまま放置されたタオルには、雑菌やカビが繁殖しやすいので、清潔なものを使ってください。

タオル以外を使用するとき

洗顔後にタオルで手を拭いた後、濡れた顔の上にティッシュを乗せて、自然に水分を吸収させ、スッと取るという方法もあります。できれば保湿系の柔らかいティッシュを使っていただくと、乾燥肌への刺激は非常に少なくてすみます。

ただし、刺激がないからといって自然乾燥は厳禁です。洗顔後は、皮脂膜が取り去られて無防備な状態ですから、顔表面の水分が蒸発するときに肌内部の水分までいっしょに蒸発し、よけいに乾燥させてしまいます。

乾燥肌におすすめのスキンケア

乾燥が止まらなかったり、肌にヒリヒリとした刺激を感じるときは、スキンケア化粧品を変えることも一案です。普段使っているものを手で温めて丁寧につけたり、重ねづけしたりするなど、化粧品のつけ方を変えるだけで肌の状態が落ちつくこともあります。

化粧水

乾燥肌に限りませんが、洗顔後はすぐに化粧水で保湿をしましょう。また、最近「とろみ」のある化粧水や美容液が多く出ています。「とろみ」が強いとよく潤うような気がしますが、肝心なのは肌の表面とあわせて肌内部が潤うこと。「とろみ感」よりも、配合されている成分を重視してください。

とくに、肌の水分を維持するために大切な角質細胞間脂質であるセラミドや水分保持能力の高いヒアルロン酸を選びましょう。ビタミンC誘導体[*1]の成分が入っているものも製品によってはおすすめです。

※セラミド配合のスキンケアについて詳しく知りたい方は、『セラミド配合化粧水の正しい選び方・使い方』『セラミド配合美容液の正しい選び方・使い方』をご覧ください。

また、最近はナノ化により「真皮まで届く」といったものや「バリア機能を向上させる」というものも出ていますので、試してみるのもよいかと思います。

乾燥によって肌表面が肥厚してガサガサしている状態の場合は、スペシャルケアとして乳酸やグリコール酸が入った化粧水で軽く肌表面を拭き取って、皮膚のターンオーバーを促すことで改善することもありますが、刺激になることもあり、自己判断では悪化させてしまう可能性があります。乾燥が気になる方は、クリニックで相談してみてください。また、ピーリング後は必ず保湿を徹底することが大切です。

[*1]ビタミンC誘導体は、通常のビタミンCよりも角質層への浸透がよく、水溶性と脂溶性があります。肌に吸収されると酵素の働きで活性型ビタミンCに変化し、メラニン生成を抑制するので、美白に効果的な成分です。さらに、皮膚の内部でコラーゲンの合成を促進します。いくつか種類があるのですが、乾燥肌による小ジワ対策には水溶性と脂溶性を持つAPPS(パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na)がおすすめです。

化粧水は手?それともコットン?

結論からいうと、化粧水は手でつけても、コットンでつけても効果に違いはありません。手でつけると量の調節がしやすく、肌への浸透を感じながらつけることができますし、コットンでつけると手の雑菌を肌に移すことなく清潔につけることができ、顔全体にムラなくなじませることができます。とくに、ニキビ用化粧水や拭き取り化粧水は、コットンを使うことをおすすめします。

手を使ってつける場合
化粧水を手でつけるときは、適量を手のひらに取り、手で温めながら顔全体になじませます。パタパタと肌を叩かず、両手のひらでじんわり押さえこむイメージで行ってください。押さえこむことで有効成分が浸透しやすくなりますし、手の圧力で密着度も高くなります。また、乾燥が気になる目元や口元には、何度か重ねづけすると効果的です。
コットンでつける場合
コットンを使う場合は、化粧水をコットンにたっぷり含ませてから、顔の内側から外側に向かってやさしくすべらせるようにつけていきます。目元や小鼻の周りなどはコットンを折り畳み、丁寧につけていきましょう。化粧水が少なすぎたり、力を入れ過ぎるとコットンによる摩擦で角質層を傷つけてしまうので気をつけましょう。

スキンケアは、1年中常に同じではなくて、肌の状態によってつける量やものを変えていく必要があります。スキンケアに詳しい方の中には、季節や肌の状態に合わせて違うメーカーのアイテムを複数使い分ける方もいらっしゃると思いますが、「それほど詳しくない」「どれを使えばいいかよくわからない」という方は、同じメーカーの製品をラインで使うのもよいでしょう。

乳液・クリーム

肌の水分を維持するためには油分も必要です。とくに、目元や口元など皮脂腺が少ない箇所には、乳液やクリームでしっかりと油分を補うようにしましょう。

油分と水分がバランスよく配合されているのが乳液、乳液よりも油分がさらに多いのがクリームです。使い心地や保湿の程度により、お好みのものを選んでつけるようにしましょう。また、乾燥が気になる季節だけ乳液からクリームに切り替えたり、朝と夜で使い分けたり、乳液とクリームを重ねづけするのもよいでしょう。

リップクリーム

他の顔の部位と比べて角質層が薄く、皮脂腺がないため、乾燥しやすいのが唇です。皮膚のターンオーバーが早いので、普段からリップクリームやリップバーム、ワセリンを塗ってケアをするよう心がけましょう。

ガサガサに荒れているときは、「医薬部外品」と表記された薬用リップクリームを使うのもよいでしょう。また、リップクリームをたっぷり塗ってから、ラップで5~10分ほど覆う唇パックも簡単でおすすめです。

パック

スペシャルケアとしてパックもおすすめです。手軽に手に入るシートパックを普段使いするのもよいですが、保湿効果のある化粧水、美容液などコットンに浸してパックする方法もお手軽です。パックで密着して肌を覆うことにより、有効成分も浸透しやすくなります。

ただし、シートパックやコットンを使ったパックは3~10分程度に留めましょう。それより長い時間続けると、シートやコットンが乾くときに肌の水分までも一緒に奪い取ってしまうので気をつけましょう。

乾燥を防ぐメイクテクニック

メイクの前に基礎化粧品で、乾燥した肌を整え十分にうるおいを与えておきましょう。

化粧下地

ファンデーションのノリをよくするとともに、乾燥肌にありがちなくすみなども隠してくれる化粧下地はメイクに欠かせない存在です。

肌の乾燥が気になるときは、保湿成分が配合された下地を選びましょう。おすすめの保湿成分に

  • コラーゲン
  • セラミド
  • グリセリン
  • スクワラン
  • レシチン

などがあります。化粧下地には、UV効果のあるタイプもありますが、UV効果が高いと肌の乾燥が悪化することもあります。とくに、紫外線吸収剤は肌荒れを、紫外線散乱剤は乾燥を引き起こすので注意しましょう。

乾燥肌の人は、肌のくすみやクマに悩まされていることも少なくありません。コントロールカラー入りの化粧下地やコンシーラーで肌色を整えるとよいでしょう。

  • 肌のくすみ…パープルやブルー系のコントロールカラーで調整
  • 青クマ…オレンジ寄りのコンシーラーでカバー
  • 茶クマ…イエロー寄りのコンシーラーでカバー

ファンデーション

これまで乾燥肌の方は、皮脂や水分を吸収してしまうパウダータイプのファンデーションは避けた方がよいといわれていました。しかし最近では、パウダーファンデーションでも、美容成分が入っているものが多くなりましたので、保湿成分が配合されたものを選べば、乾燥肌の方は問題ないと思われます。

逆に、最近のクリームタイプ、リキッドファンデーションは肌への密着度が高く、毛穴をふさいでしまうことによってニキビができやすくなったり、クレンジングの際に肌に負担がかかることも考えられます。いずれにしても厚塗りメイクは落とすときにも肌に負担がかかりますから、薄いメイクを心がけましょう。

アイメイク

アイシャドウなどを塗る前に、スキンケアとしてアイクリームを使ってしっかり保湿をしておきましょう。その際、クリームなどが肌になじむ前にメイクをするとよれたり、キレイにつきませんから、アイクリームがしっかり肌になじんでからメイクをするようにしてください。目の周りに赤みが出ている、かゆみがあるような時は、アイメイクは避けた方がよいでしょう。

口紅

リップクリームや口紅下地などを塗ってから口紅を塗るようにしましょう。また、香料が乾燥肌の原因にもなることがあるので、香料が添加されていないものを選ぶのもよいかもしれません。

メイク用品に関しては、個人差があるので、「低刺激」のものを使ってみて自分に合うものを見つけるようにしてください。また、パフ、ブラシを清潔に保つことも大切ですが、洗った後に洗剤が残らないように注意しましょう。

乾燥しやすい季節の保湿ケア

空気が乾燥する晩秋から冬にかけては肌がカサカサになり、どんなに気をつけていても肌が粉を吹いたり、乾燥しすぎてかゆみを引き起こすことがあります。いつにも増して保湿ケアを丁寧に行うとともに、入浴や室内環境、生活習慣にも気を配りましょう。

季節に応じたスキンケア

気温が下がると血液の流れが悪くなり、肌の新陳代謝も滞りがちに。皮脂の分泌量も減り、肌のコンディションが低下します。そのため、スキンケアもいつもより念入りに行うことが大切です。

洗顔はやさしく行い、

  • セラミド
  • ヒアルロン酸
  • コラーゲン
  • エラスチン

など、保湿成分がたっぷり入った化粧品でケアをしましょう。手や足には、尿素入りクリームを使うのもおすすめです。

入浴後の保湿ケア

入浴中は肌から保湿成分が失われやすいため、入浴後に肌の乾燥が一気に悪化したり、かゆみが増したりすることがあります。肌の乾燥で悩んでいる人は、熱い温度での入浴や長風呂は控え、タオルやボディブラシで強く摩擦するような身体の洗い方はやめましょう。

刺激の少ない石けんやボディソープでやさしく身体を洗い、お風呂から上がったらなるべく5分以内に、全身に保湿剤や保湿クリームを塗るようにしてください。また、保湿効果のある入浴剤を使用するのもよいでしょう。

室内の乾燥対策

暖房やエアコンの効きすぎで室内が乾燥するのも、肌にはよくありません。

  • こまめに水分を補給する
  • 加湿器を使う
  • 洗濯物を室内に干す

などして、室内の湿度をキープしましょう。

食生活

すこやかな肌づくりには、

  • 良質なタンパク質
  • ビタミン類
  • 必須脂肪酸
  • 亜鉛

などの摂取が大切です。大豆や緑黄色野菜を中心に栄養バランスのよい食生活を心がけましょう。また、

  • 代謝を下げる冷えた飲み物
  • カフェイン
  • 亜鉛を消費するアルコール
  • ビタミンCを破壊する喫煙

などは控えましょう。

睡眠

睡眠もまた重要です。とくに、就寝直後から約3時間は、肌のターンオーバーを促す成長ホルモンがもっとも活発に分泌されます。この時間に深く、質のよい眠りができるよう、生活時間や寝具などを見直しましょう。

まとめ

乾燥肌の人が気をつけたいスキンケアやメイクのポイントについてご紹介しました。乾燥肌の人のなかには肌のコンディションが一向に改善せず、スキンケアが「怖い」と感じる方も多いようです。でも、お手入れの仕方を見直すことで、回復に向かうこともあります。

  • 刺激の少ないクレンジング剤や洗顔料でやさしく洗う
  • 基礎化粧品は配合成分に着目し、水分と油分をバランスよく補う
  • メイクアイテムは保湿成分配合のものを選び、薄めを心がける
  • 乾燥しがちな冬は入浴や室内環境、食生活にも気をつける

みずみずしくうるおいのある美肌を手に入れるために、できることから始めてみましょう。

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