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乾燥肌の原因は食事・食生活・栄養素にあった?

更新日:2018.02.13
公開日:2013.12.13
ドクター画像
この記事の監修者
白石ガーデンプレイス皮膚科クリニック 院長 竹中ちひろ

偏った食事や栄養不足は、乾燥肌を引き起こす原因になることもあります。どのような栄養成分が不足することで肌に影響がでるのでしょうか。乾燥肌と食べ物の関係を、ドクター監修の記事で解説します。

バランスよく食べていれば、栄養面や食事、食生活が原因で乾燥肌を引き起こすことはありません。

しかし近年は、極端なダイエットや偏食、バランスの悪い食生活、欧米型の食生活が原因で乾燥肌になる女性が増えていると言われています。

食事や食生活と乾燥肌の関係

お肌の水分保持力は、角質層の細胞間脂質(セラミドなど)が約80%、NMF(天然保湿因子)が約18%を担っています。

細胞間脂質やNMF(天然保湿成分)が十分にある、健康なお肌を保つためには様々な栄養が必要ですが、特に以下のような栄養素は不足しないように注意が必要です。

タンパク質

私たちのお肌や身体は、タンパク質から合成されています。

そのタンパク質が不足すると、角質細胞の生まれ変わりが正常に行われず、ターンオーバーが遅れがちになります。

その結果、お肌の水分保持力には、以下のような影響があります。

NMF(天然保湿因子)

NMF(天然保湿因子)は、角質層の下に存在する顆粒層の細胞内のタンパク質が、細胞の角化過程(ターンオーバーの過程)でNMFへと変化します。しっかりタンパク質を摂っていないと、ターンオーバーが乱れ、NMF(天然保湿因子)が正常に生成されません。

細胞間脂質(セラミドなど)

セラミドは、NMF(天然保湿因子)と同様に、お肌のターンオーバーの過程で生成され、角質層に放出されます。そのため、タンパク質不足によってターンオーバーが乱れると、角質層内の細胞間脂質の量が減り、乾燥しやすいお肌になってしまいます。

※対処法については『乾燥肌の予防と対策(5)タンパク質摂取』をご参照ください。

必須脂肪酸(特にオメガ3系脂肪酸)

脂質には、私たちの身体では合成できない脂質、「必須脂肪酸」が存在します。

必須脂肪酸は、皮膚に限らず、私たちの細胞の「細胞膜」の主な材料です。そのため、必須脂肪酸が不足すると、細胞の生まれ変わりが正常に行われず、当然ターンオーバーが乱れます。

タンパク質の箇所で記載した通り、ターンオーバーが乱れると、お肌の水分保持能力のほとんどを担う細胞間脂質やNMF(天然保湿因子)の生成が減少してしまいます。

必須脂肪酸には、大きく分けて「オメガ3系脂肪酸(アルファ・リノレン酸系列)」と「オメガ6系脂肪酸(リノール酸系列)」の2種類があります。

オメガ3脂肪酸はサーモン、サバ、イワシなどの魚介類に多く含まれており、オメガ6脂肪酸はコーン油、大豆油、ゴマ油、ベニバナ油などに多く含まれています。

「何でもいいので、油を摂ればいい」というわけではなく、オメガ3系とオメガ6系の脂質の両方をバランス良く摂ることが必要です。

極端な油抜きダイエットをしている場合、オメガ3系とオメガ6系の、両方の脂肪酸が不足している可能性が高く、魚介類が嫌いな方や欧米型の食生活をしている方はオメガ3系の脂肪酸の不足している場合があります。

日本よりも魚介類の摂取が少ないアメリカは、主にオメガ3系の必須脂肪酸の不足により乾燥肌が発生するケースが多く、オメガ3系の脂肪酸は、乾燥肌向けのサプリメントとして一般化しています。

※対処法については『乾燥肌の予防と対策(6)必須脂肪酸』をご参照ください。

亜鉛

亜鉛は私たちの身体に大変重要なミネラルで、お肌や髪の毛、爪などの健康を維持するのに欠かせません。

亜鉛が不足すると、皮膚炎や湿疹、皮膚の傷が治りにくくなるなどの他、脱毛の原因にもなることが知られています。

健康的な食生活を送っていれば特に不足する心配はありませんが、以下に心当たりのある方は、亜鉛不足になっている可能性があります。

  • 単品ダイエットなど、極端なダイエットをしている:亜鉛を食事から十分に摂取できていない可能性があります。
  • お酒をよく飲む:肝臓でアルコールを分解する際、多くの亜鉛が消費されます。
  • 加工食品をよく食べる:一部の加工食品には、亜鉛を体外に排出してしまう「ポリリン酸NA」という添加物が含まれているものがあります。
  • ベジタリアン:極端なダイエットと同様に亜鉛が食事から十分に摂取できていない可能性があります。更に、未精製の穀物を多く食べている場合は、上述のようにフィチン酸によって亜鉛が体外に排出されてしまいます。

※対処法については『乾燥肌の予防と対策(7)ビタミン/ミネラル』をご参照ください。

ビタミン類

ビタミン類が不足するとお肌に悪影響があることは既に周知の事実ですね。特に乾燥肌にとって重要なビタミンは以下の通りです。

  • ビタミンA:角質層の天然保湿因子(NMF)の生成を促したり、皮膚や粘膜を正常な状態に保つ働きがあります。不足すると角質層の保湿力が低下してしまいます。
  • ビタミンB群:お肌のターンオーバーを正常に保つ働きがあります。不足するとターンオーバーが乱れ、乾燥やニキビなどの肌荒れの原因となります。
  • ビタミンE:お肌の血行を促進し、新陳代謝を活発にします。また、抗酸化作用が強く、活性酸素から細胞を守る働きがあります。
  • ビタミンC:コラーゲンの生成を促し、健全な新陳代謝を保ちます。

※対処法については『乾燥肌の予防と対策(7)ビタミン/ミネラル』をご参照ください。

以上のように、お肌のバリア機能を正常に保つためには、様々な栄養素が必要です。

極端なダイエットや偏食、欧米型の食事、飲酒や喫煙など、上記にご紹介した要因に心当たりがある方は、何かの栄養素の不足が乾燥肌の原因となっている可能性があります。

その場合、できるだけバランスのよい食事を心がけ、必要な栄養を十分に摂取するようにしましょう。

アレルギーなどでどうしても食物から摂取できない栄養素があれば、サプリメントを適切に用いるなどして工夫することをおすすめします。

※サプリメント活用法については『乾燥肌の予防と対策(8)サプリメント』をご参照ください。

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