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ニキビ跡の皮膚科での治療法と自宅でケアする方法

更新日:2017.11.29
公開日:2013.02.20
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この記事の監修者
渋谷スキンクリニック 院長 吉田貴子

肌が大きくダメージを負うためにできるニキビの跡。そんなニキビ跡を治すためには、どのような方法があるのでしょうか。男女を問わず悩ませるニキビ跡のメカニズムと治療法、改善方法について、皮膚科の医師が解説します。

ニキビ跡の種類と皮膚科での治療法

ニキビ跡(痕)は、できてしまったニキビの炎症により周囲の組織がダメージを受け、傷跡として残ってしまうものです。ニキビ跡は、状態によって次の2つに分けられます。

凹凸のあるクレータータイプの治療

クレーターは、毛穴とその周囲に強い炎症が起こったことで、真皮がダメージを受けてコラーゲン組織が破壊され、落ちくぼんでしまった状態です。ダメージを受けたコラーゲンの再生を促さないと肌は盛り上がってきません。残念ながらクレーターは、ホームケアで治すことはできません。

クリニックでは、コラーゲンを作る作用のあるレーザーを当てたり、新しく肌を生まれ変わらせる効果のあるピーリングを行ったり、凹んだ部分にコラーゲンやヒアルロン酸などを注入してくぼみを盛り上げる方法があります。また、真皮のコラーゲンを作るといわれているレチノイン酸をクリニックで処方してもらい、塗布するのも有効です。

同時にビタミン剤の内服もおすすめします。また、普段のスキンケアにおいても、イオン導入器でのビタミンCの導入、家庭でのピーリングなども効果的です。

赤みや色素沈着を起こしたニキビ跡の治療

炎症によって肌に赤みが残ったり,メラニンが過剰に生成され、色素沈着を起こしてしまうことがあります。時間が経てば、正常に戻ることが多いのですが、正常な状態になるまでの期間は、個人差があり、長い方では、1年以上かかる方もいます。

炎症によって赤くなったニキビ跡の治療

ニキビが進行して炎症が起こり、赤みが生じた場合、なかなか消えなくなることがあります。盛り上がっていたのが平らになって、ニキビはほぼ治っているのに、赤みだけがいつまでも残っているという状態です。

皮膚に傷ができた場合、毛細血管が豊富に形成され皮膚を再生させるのですが、ニキビの痕の赤みも傷を治そうとする働きでできた毛細血管の増生、拡張によるものなので、毛細血管が多いと表面が赤く見えます。ある程度、日数がたてば薄くなるものもあります。

炎症後に色素沈着を起こしたニキビ跡の治療

ニキビ炎症が起こった後の赤みが茶色いシミになることがあります。これを、炎症後色素沈着と言います。紫外線に当たるとメラニンが生成され、痕が消えにくくなりますので、UVケアは入念に行ってください。

色素沈着、赤みがあるうちは、日焼けをしないことが大切です。ビタミンCは、色素沈着や赤みを薄くする作用もありますので、少しでも早く赤みを消すには、ビタミンC誘導体配合の化粧品を使ったり、ビタミンCのイオン導入が効果的です。また、ホームピーリングも効果的です

赤みが濃くてなかなかきかない場合や濃く色素沈着してしまった場合には、クリニックで治療を受けることで早く改善します。

クリニックでの治療は、医療ピーリング、レーザーによる治療に加え、肌の漂白剤といわれる塗り薬ハイドロキノンクリームやコラーゲン生成をうながすトレチノインクリームなどの処方があります。同時にビタミン剤の内服も効果的です。

ケロイド状のニキビ跡の治療

まれなケースですが、人によっては体質的に顔のあご部分に赤く盛り上がったケロイド状の痕が残る場合があります。これは、皮膚が再生するときに過剰にコラーゲン線維が作られてしまい、硬くなったものです。自然治癒は難しく、クリニックでの治療が必要です。ステロイドを局所注射すると、肌表面の光沢感は治りませんが、盛り上がっていた状態が平らになってきます。

ニキビ跡を自宅でケアし改善する方法

ニキビ跡を改善する方法として、日々の生活でできることはたくさんあります。

運動して肌のターンオーバーを上げる

肌のターンオーバーは一般的に28日周期といわれていますが、これは20代の健康な女性の場合です。40代になると、この周期が1か月半かかるといわれています。このターンオーバーのサイクルをあげて、常に肌を美しく保つためには、運動をすることが大切です。運動しているときは交感神経が優位に動くため、血流が促進され、からだの隅々まで栄養が行き渡ります。これにより、ターンオーバーも活発に行われていくのです。

紫外線対策でシミなどを予防する

ニキビを悪化させないためには、紫外線対策も重要です。紫外線は肌の炎症や悪化にも繋がります。「ニキビに日焼け止めを塗るのは、肌によくなさそうで不安」と思う方もいるかもしれませんが、無防備な状態で紫外線を浴びると、肌を守ろうと角質が厚く硬くなる過角化(かかくか)が起きます。過角化が進むと毛穴が塞がってニキビができやすくなり、その肌は抵抗力が弱いため炎症や悪化を起こすことになります。また、紫外線は肌の水分を蒸発させるため、バリア機能を低下させます。ニキビ対策でピーリングなどの角質ケアをしている場合も、肌のバリア機能が低下しています。ピーリングを行った後は、特にしっかりと紫外線対策をしないと、かえってニキビを悪化させてしまうので注意が必要です。

肌によい食事を摂る

ビタミンB2、B6はニキビの原因となる脂質の代謝を促し、皮脂の分泌を抑える働きがあります。ビタミンB2を多く含む食べ物には、アーモンド、卵類、牛乳などがあり、ビタミンB6を多く含む食べ物には、卵類、緑黄色野菜、魚類などがあります。コラーゲンの生成を促すビタミンCと一緒に摂ることで、さらに効果が高まります。

肌荒れや乾燥肌によい食事を摂る
乾燥肌を改善するためには、保湿を助けるヒアルロン酸を含む食べ物を摂りましょう。ヒアルロン酸は、動物の軟骨やフカヒレなどに含まれています。新陳代謝を活発にする亜鉛も積極的に摂りたい栄養素です。亜鉛を多く含む食べ物には、牡蠣、ほたて、卵、納豆などがあります。

洗顔と保湿で正しいスキンケア

乾燥肌を改善するために日常でできるもっとも効果的な改善法が「洗顔」と「保湿」です。洗顔の場合は、洗顔料に要注意です。油分の含まれるものや合成界面活性剤使用の洗顔料の使用は控えてください。洗顔方法としては、ぬるま湯でやさしく洗うことが重要です。ゴシゴシ洗うと余計にニキビに刺激を与えてしまうので、丁寧に汚れを落とすことを心がけましょう。次に、保湿力の高い化粧水を使ってきちんと保湿することが大切ですが、洗顔料同様、油分で肌に刺激を与えないように「ノンオイル」を選ぶとよいでしょう。

ビタミンC配合の化粧水を使う
美肌作りに欠かせないビタミンCですが、実は大人ニキビを治す効果がたくさん含まれている万能成分なのです。まず、ビタミンCは大人ニキビを早く治すために必要不可欠な「ターンオーバー」を促してくれる効果と強い殺菌効果を持っています。そしてニキビが治っても悩まされるニキビ跡や色素沈着も、ビタミンCが持つ美白効果で修復することができますと言います。そんなビタミンCは、化粧品から摂取することができます。

しかし、ビタミンC配合ならなんでも効果的なわけではなく、より効果が望める高濃度で浸透性の高い製品を選ぶことが大切です。そしてもちろん、食べ物から摂取することも大事です。ビタミンCはパセリ、レモン、ピーマン、イチゴ、ブロッコリーなど新鮮な野菜からとり入れることができます。内からも外からもビタミンCの摂取を心がけることで、大人ニキビを治す効果だけでなく、予防にもつながります。

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