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毛穴の開きやたるみが目立つときのケア方法

更新日:2017.10.30
公開日:2013.02.20
ドクター画像
この記事の監修者
マブチメディカルクリニック 院長 馬渕知子

毛穴が開いてしまう仕組みや、開いてしまったときのケア方法をドクター監修のもと、解説します。毛穴の開きには、皮脂や角栓がつまることで起こるものや、肌のたるみによって起こるものがあります。それぞれの対処法などもご紹介します。

毛穴が開いてボツボツの肌…鏡を見るたびに、憂うつになってしまいます。それを放っておくと、角栓が黒ずんで目立ち、思わず「汚い!」と思ってしまうこともあるでしょう。

そもそも毛穴は、なぜ開いてしまうのでしょうか。ここでは毛穴が開いてしまう理由と、開いてしまった毛穴対策としてのケア方法について見てみましょう。正しいケアを行い、憧れの卵肌を手に入れましょう。

毛穴の役割とメカニズム

私たちの皮膚や毛髪は、皮脂膜という皮脂と汗が混合した薄い脂肪の膜で覆われています。皮脂膜は、肌を保湿し、外からの刺激から皮膚を保護する役割がありますが、その皮脂を分泌する皮脂腺が毛穴の出口付近に開口しています。

健康な肌の皮脂膜は、pH4.5~6.0の弱酸性に保たれ、酸に弱い細菌やカビなどの増殖を抑制しています。洗顔石けんを使用したりして、一時的に肌がアルカリ性に傾いても、肌が健康であれば、自然に肌のpHをもとの弱酸性に戻す働きを持っています。

その皮脂を作っているのが皮脂腺で、身体の中では顔、次に頭が一番発達しています。顔の中では、額や眉間、鼻、口の周り、下あごなどいわゆるT ゾーンに多く存在します。この皮脂腺から分泌された皮脂は、毛穴から体の外に出ていきます。たとえ洗顔をして皮脂を取り去ってしまったとしても、新しい皮脂が2~3時間後には分泌して皮膚を覆うようになっています。

皮脂は1日およそ1~2g分泌されると考えられていますが、加齢や洗顔のしすぎなどにより皮脂が不足すると肌が乾燥し、肌荒れの原因になりますし、過剰に分泌されると皮膚表面の清浄作用が低下し、ほこりや雑菌が付着・繁殖しやすくなって、脂漏性湿疹やニキビ、吹き出物の原因とひとつとなります。

毛穴が開いてしまう原因

毛穴の開きの一番の原因は、皮脂腺から出る皮脂やメイクがつまり角栓となり、それらが毛穴の中で酸化することによって、表皮の新陳代謝が乱れ、健康な角層の成長が阻害されてしまうことで、新しい細胞が生まれないことにあります。

また、身体全体の抗酸化力が下がっていることや老化も考えられます。何が酸化の原因になっているのかを理解し、ケアをきちんとすれば現在の状態からは回復し、完全には元に戻ることはなくても、目立たなくなる程度にまでは改善することに期待がもてます。さらに、生活習慣によって毛穴が目立つことがあります。不規則な生活、喫煙、極端なダイエットを続けることでホルモンバランスが崩れ、毛穴の開きにつながります。

ただ、毛穴の大小は遺伝的なもので、生まれたときからある程度決まっており、たとえば、男性ホルモンが多く分泌されれば皮脂腺が大きく発達し、皮脂の分泌が盛んとなり毛穴が目立つ肌になり、分泌が少ないと皮脂腺は大きくならず、毛穴が目立たない肌になるといわれています。

毛穴が開いてしまったときのケア方法

皮脂やメイクなどの汚れが混ざり合い角栓となって増殖すると、毛穴を開かせるだけでなく、酸化などの反応により増して黒ずんでみえることがあります。そうなる前に毎日きちんと洗顔するとともに、すみやかに化粧水や乳液、クリームなどで保湿することが大切です。ここでは毛穴が開いてしまったときのケア方法をご紹介します。

代謝を促進して毛穴の開きをケア

毛穴の開きをケアするには、皮膚の代謝(ターンオーバー)が正常に行われる肌を作ることが大切です。代謝を高めることで体内の老廃物が皮脂とともに毛穴から排出され、肌の皮脂バランスが整いやすくなります。また、代謝が高まると同時に発汗することで、毛穴の開閉機能を刺激し、毛穴を引き締める効果も期待できます。

代謝を高め、発汗を促すには以下のような方法がおすすめです。

・入浴時に湯船にゆっくりつかる

・入浴後に軽いストレッチを行う

・ウォーキングなど、適度な運動をとり入れる

食べ物で毛穴の開きをケア

毛穴が開いていることに悩んでいる方には、ビタミンAとEの摂取をおすすめします。ビタミンEは、8種類あり、そのうちのひとつトコトリエノールは、肌の表層の酸化を防ぎ、血行促進して代謝をうながし、保湿もしてくれるなど、すぐれた働きがあるとされ「スーパービタミンE」とも呼ばれています。目立つ毛穴にも作用し、さらにシワの改善、シミを防ぐといった肌の美容美白効果にも期待がもてます。

トコトリエノールは、アボカド、ナッツ類、カボチャ、米ぬか、大麦油、小麦種子、パーム油などに含まれています。サプリメントなども市販されており、毛穴の開きを気にしている方は、毎日の食生活に併せて摂ってみてはいかがでしょうか。

毛穴パックは毛穴の開きをケアできる?

貼ってはがすタイプの毛穴パックは、剥がしたときに角栓がたくさん取れ、その取れ具合が快感となり、やみつきになっているという人も少なくありません。しかし、剥がすときに痛みがあるということは、肌にとってよいはずがありません。また、一度に皮脂を取ってしまうと、必要な皮脂を分泌するのに間に合わないばかりか、それを補おうとして皮脂を急激に出そうとします。パックをした後は、必ずしっかり保湿をしてください。角栓を取っても毛穴のサイズは変わらず、むしろ毛穴が余計に広がってしまうこともありますので、適度に行うことが大切です。

また、洗顔の仕上げに、冷水や冷やしておいた化粧水で引き締める人もいるようです。しかし、一時的に肌が引き締まるかもしれませんが、むしろ冷たいものを当てることが肌にとって刺激になってしまうため、あまりおすすめできません。

目立つ毛穴が気になる場合は、ピーリング作用など上手く使い角化して厚くなった角質や、毛穴の中の酸化した老廃物を取り除くのも一案です。

肌のたるみで毛穴が開いて見えることも

頬や小鼻の横に見られる毛穴の開きは、「たるみ毛穴」といわれるものかもしれません。毛穴が楕円やしずく状に広がっていて、年齢を重ねた肌にあらわれます。

こちらは角栓のつまりによるものではなく、紫外線や活性酸素によって肌細胞がダメージを受け、真皮層がうるおいやハリを失うことで皮膚を支えている土台が緩み、皮膚がたるむとともに毛穴もゆがんだ状態で開いてしまうのです。たるみ毛穴が進行すると、毛穴と毛穴が伸びて連結され、小ジワのように見える「帯状毛穴」という状態になってしまうこともあるので、早めのケアが大切です。

また、肌が乾燥して水分が不足していることも毛穴を広げる原因となります。

たるみによる毛穴の開きをケアするには

たるみ毛穴や帯状毛穴を防ぐには、真皮層のうるおいとハリをキープし、肌の代謝機能を低下させないことが重要です。

化粧品でたるみによる毛穴をケア

真皮層のうるおいを取り戻すには、基礎化粧品による保湿ケアだけでは不十分な場合もあります。傷んだ肌細胞を修復するレチノールやビタミンC誘導体などの抗酸化物質を含んだ美容液を活用してみても良いでしょう。

また、乾燥による毛穴の開きを防ぐためにも、肌の保湿の約8割を担っている細胞間脂質の主成分のひとつであるセラミドを補うのもおすすめです。体の内側からセラミドを維持する食生活を心がけながら、セラミドが持つ保湿力を活用した美容液やクリームなど使ってみるのもよいでしょう。

先述の通り肌のたるみには紫外線、特にUV-Aが大きく影響しています。夏場や外出するときだけでなく、普段から日焼け止めを塗るなど、紫外線対策も欠かさず行いましょう。

食べ物でたるみによる毛穴をケア

真皮層では、肌の弾力を生み出すコラーゲンやエラスチン、さらに、うるおいをキープするヒアルロン酸などが構成成分のひとつとして重要な役割を果たしています。それらを補うためには、原料となるアミノ酸や抗酸化ビタミンを食事でとり入れることが大切です。特に動物性のタンパク質や、ビタミン豊富な緑黄色野菜などを普段から積極的に摂るよう心がけましょう。

クレンジングや洗顔を見直してたるみ毛穴をケア

肌のたるみや乾燥が気になるという人の場合、実はクレンジングや洗顔方法に問題があることもあります。濃いメイクもしっかり落とせるようなクレンジング剤は、強い洗浄力で肌の保湿成分を落としすぎてしまうおそれがあります。拭き取るタイプのクレンジングシートなども肌に強い刺激を与えるため、避けたほうがよいでしょう。

肌をゴシゴシと強い力で洗顔することも、肌を乾燥させ、たるみを悪化させる元です。クレンジングや洗顔は、やさしく丁寧に行い、洗顔後はタオルで肌を押さえるように水分を取りましょう。そして、化粧水や美容液などですばやく保湿することが大切です。

表情筋を鍛えてたるみ毛穴をケア

顔の皮膚の下には、笑ったり怒ったりするたびに表情を作り出す「表情筋」と呼ばれる筋肉があります。この筋肉が衰えると、皮膚を支えることができなくなり、肌のたるみが引き起こされてしまいます。

表情筋を鍛えるには、日頃から豊かな表情を意識するほか、トレーニングで鍛えるのがおすすめです。詳しくは、『「顔筋肉トレーニング」が必要な6つの理由』をご覧ください。

まとめ

毛穴の開きには、皮脂やメイク汚れなどから生まれた角栓が酸化することで、肌のターンオーバーが阻害されておきるものや、肌のたるみや乾燥によって引き起こされるものなどがあります。自身の毛穴のタイプを見極め、適切な毛穴対策を行いましょう。

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