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デリケートゾーンのかゆみの原因とムレないための対策
かゆみやムレが気になるデリケートゾーン。多くの女性が悩まされていると思いますが、その原因は人によってさまざまです。毎日を快適にすごすためにも、デリケートゾーンのイヤなかゆみやムレの原因をつきとめて、適切なケアをしましょう。
デリケートゾーンに関する悩みで多いのが「におい」「かゆみ」「ムレ」の3つです。特に生理時は、経血の生臭さに加えて、「かゆみ」や「ムレ」からくる不快感が出やすいタイミングと言えます。長時間ナプキンをつけていればなおさらです。
そして、デリケートゾーンは、全身の肌の中でももっとも角質層が薄い部分です。特に薄いまぶたの角層が大体8層といわれていますが、デリケートゾーンの角層はたったの6層。それだけ、外部からの刺激やストレスに弱いということです。しかし、現実には働く女性のほとんどが、「仕事だから仕方ない…」と、デリケートゾーンの不快感に耐えて働いているのではないでしょうか。こちらでは、かゆみ、ムレの原因とその対策を解説します。
デリケートゾーンのかゆみの原因
デリケートゾーンにかゆみが出る大きな原因のひとつとして、ムレによる湿疹があげられます。デリケートゾーンは下着の締め付けや、ナプキンやおりものシートの着用でさらに通気性が悪くなりやすい部位です。それに加え、経血やおりものが付着したナプキンや下着を着用し続けたり、タンポンのひもや下着がこすれたりすることで刺激が与えられ、湿疹が起きるのです。
デリケートゾーンのかゆみは病気の可能性も
デリケートゾーンのかゆみは、なんらかの病気で起こる可能性もあります。デリケートゾーンのかゆみの原因となりえる病気の例として、以下のものがあげられます。
- カンジダ膣炎
- 性器ヘルペス
- 膣トリコモナス症
- 細菌性膣症
- クラミジア感染症
- 淋菌感染症
それぞれの病気について、代表的な症状を簡単に解説します。
- カンジダ膣炎
- 婦人科領域ではとてもポピュラーな疾患です。主な症状はおりもの異常やかゆみで、酷くなるとヒリヒリと痛かゆくなることもあります。おりものは白~黄色でカッテージチーズの様な感じになります。誤解されやすいのですが、これは性感染症ではありません。性行為がなくてもストレスや寝不足による免疫力の低下、抗生物質の服用などが原因で起こる感染症です。
- 性器ヘルペス
- ヘルペスウイルス2型への感染によって起こる病気です。性器やその周辺に水ぶくれや潰瘍(かいよう:ただれのこと)ができ、強いかゆみや痛みがあります。主に性行為によって感染する病気です。
- 膣トリコモナス症
- トリコモナス原虫が膣などの粘膜に住み着いて引き起こされる病気です。おりものが黄色く泡立ったような状態になるほか、おりものの悪臭、性器のかゆみや痛み、排尿時や性行為時に痛みなどが出る場合があります。性行為で感染するほか、お風呂や共用しているタオル、シーツなどからも感染する可能性があります。
- 細菌性膣症
- 膣内に住み着いている常在菌が繁殖して起こる病気です。おりものの量が増え、悪臭がします。かゆみがある場合もありますが、弱いこともあります。疲れているときや、抵抗力が落ちているとき、膣内の自浄作用が落ちているときなどに見られます。また、頻繁な膣洗浄や性行為も原因になる可能性があります。
- クラミジア感染症
- クラミジア・トラコマチスという細菌への感染によって起こる病気です。かゆみを感じる場合もあるものの、自覚症状が少ない病気です。しかし、放置すると子宮内膜炎や卵管炎、腹膜炎を起こす可能性もあるほか、不妊症や子宮外妊娠の原因にもなります。性行為によって感染する病気の中でも、もっとも多いといわれています。
- 淋菌感染症
- 文字通り淋菌(りんきん)という細菌への感染によって起こります。クラミジア感染症と同じく、自覚症状がない場合も多い病気です。しかし、進行すると卵管炎や腹膜炎を起こす可能性があり、不妊症や子宮外妊娠の原因にもなりえます。性交渉で感染することが多いほか、手や服に付着した淋菌でも感染する可能性があります。
これらの病気の中には、妊婦が感染することで流産や早産の原因になる可能性のある病気や、出産時に胎児に感染する病気などもあります。デリケートゾーンのかゆみが続く場合やおりものの異変、不正出血などが見られる場合には、すみやかに産婦人科を受診しましょう。
デリケートゾーンをムレさせないための対策
デリケートゾーンのかゆみには、ムレが関係している可能性があることを解説しました。では、デリケートゾーンをできるだけムレにくくするにはどうしたらよいのでしょうか。
自分ですぐにできる対策として、以下のことがあげられます。
- 清潔な下着をつける
- 生理中はナプキンや下着をこまめにかえる
- 下着は通気性のよいものを選ぶ
- ぴったりしたものは身に着けない
まずは清潔を心がけることが基本となります。入浴時にはデリケートゾーンを正しく洗い、清潔な下着を身につけるようにします。また、汗をかいたり、おりものや経血で汚れた場合は下着やナプキンをこまめに替えましょう。ただし、清潔を意識するあまり神経質に石けんでこすると、逆効果になるので注意しましょう。
生理の時には、においが心配かもしれませんが、パンツよりも思い切ってスカートを穿くことでかゆみ、ムレ対策になります。においが心配であればその分、マメにナプキンを交換すれば、においと一緒にかゆみやムレも抑えることができます。ショーツは特に通気性のよい綿素材のものが、ぴったりとしたジーンズやストッキングよりはゆったりとして通気性のよいものがおすすめです。
デリケートゾーンのかゆみに効果的な薬
ちょっとしたかゆみなら、デリケートゾーン向けのかゆみを抑える薬も市販されています。外出時などに我慢できないかゆみに襲われた際には、助けとなるかもしれません。
しかし、このような市販薬を5日ほど続けても症状が改善しない場合、病院を受診しましょう。病院では、かゆみの原因に応じた適切な処置を行ってくれます。念のため、使用したかゆみ止めの市販薬の添付文書を持って病院を受診するとよいでしょう。
また、すでに一度膣カンジダを発症しており、再発しているという場合には、市販の膣カンジダ薬を使用するのもよいでしょう。膣カンジダの市販薬は、病院で処方される膣カンジダの薬とほぼ同じといわれています。ただし、自己判断で膣カンジダの市販薬を使用してしまうと、病院での診断にも影響が出ます。確実に膣カンジダだと思われる場合のみ市販薬を使用することをおすすめします。また、初めて膣カンジダを発症した場合には市販薬を使用できません。早めに病院を受診してください。
まとめ
女性を悩ませるデリケートゾーンのかゆみには、ムレや清潔さ、下着などによる摩擦が関係する場合が多くあります。また、ムレがかゆみの原因だと思っていたらデリケートゾーンの病気にかかっていたという可能性も考えられます。
性器に発症してかゆみが出る場合のある病気の中には、治療せずに放置することで不妊症や子宮外妊娠の原因となりえる病気もあります。以下のようなときには、病気の可能性も視野に入れて産婦人科を受診しましょう。
- デリケートゾーンをムレにくくするセルフケアをしてもかゆみが治まらない場合
- 市販されているデリケートゾーンのかゆみの薬を5日ほど使用してもかゆみが改善しない場合
- おりものに明らかに異常があるとき(色、においなど)
- 我慢できないほどかゆみが強いとき
性交渉による感染症の場合、パートナーも感染している可能性があります。そのような場合は、パートナーも治療を受けるようにしてください。
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