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頭皮ニキビができる原因と皮膚科での正しい治療・ケア方法
ニキビは顔だけでなく、頭皮にもできます。なぜ頭皮にニキビができるのでしょうか。ここでは、ドクター監修の記事で、頭皮にできるニキビの原因、顔と頭皮のニキビの違い、シャンプーの方法などについて解説します。
シャンプーをしているときに、頭皮にできたニキビに気付くことがあります。髪の毛で隠れているために気付かないせいか、随分大きくなってしまっていることがあり、うっかり気付かずに潰してしまって痛い経験のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
なぜ、頭皮にニキビができるのでしょうか。ここでは、その仕組みやセルフケアの方法、皮膚科での治し方について見てみましょう。
ストレス・食習慣の乱れ・睡眠不足...ニキビができるさまざまな原因
まず、ニキビができるまでの過程ですが、なんらかの原因で、毛穴付近のターンオーバーが正常に行われなくなると、肌に残った角質により、毛穴が塞がった状態になります。すると、本来ならば毛穴から皮膚の表面に出て行かなくてはならない皮脂が溜まり、毛穴が盛り上がった状態になります。その状態の毛穴の中で、アクネ菌が増殖すると炎症がおき、それがニキビとなるわけです。
なぜ、ターンオーバーが正常に行われなくなってしまうかというと、その原因はさまざまです。知らず知らずに皮膚に刺激を与えて傷つけてしまっているせいかもしれませんし、ストレスからくるホルモンバランスの低下や、睡眠不足からくる細胞生成の機能低下などが影響しているかもしれません。ですから、ニキビができてしまった場合、さまざまな角度から日ごろの生活を見直し、対策を考える必要があります。
頭皮ニキビの特徴
頭皮や髪の生え際は、ニキビが治りにくいといわれています。これは、頭皮が身体の中でも皮脂腺が多く、Tゾーン以上に皮脂の分泌量が多いことがかかわっています。頭皮ニキビの特徴として、以下があげられます。
- シャンプーやコンディショナーのすすぎ残しが原因になる場合がある
- ニキビと思ったら脂漏性皮膚炎という別の病気の可能性がある
シャンプーやコンディショナー、整髪料などをしっかり落とさず頭皮に残ったままにしてしまうと、それが外部刺激となり、ニキビの発生につながります。すすぎのお湯の温度が熱すぎたり、ドライヤーの熱風が当たったりといった外的な刺激も頭皮にダメージを与え、ニキビを引き起こす原因となります。
また、ニキビかと思っていると、実は「脂漏性皮膚炎」という頭皮湿疹の一種だったという場合もあります。脂漏性皮膚炎とは、人間の皮膚にすみついているマラセチア菌という常在菌が、過剰分泌された皮脂によって増殖して炎症の原因物質を作り出すことで起こります。放置していると、かゆくて思わず掻いてしまってかさぶたができたり、炎症が重症化して毛が抜けたりといったことが考えられます。
なお、脂漏性皮膚炎については『頭・頭皮の脂漏性皮膚炎(湿疹)の治療法と自宅での治し方』をご覧ください。
顔のニキビと頭皮のニキビの違い
顔は、やはり人の目につくものですから、ニキビができないように日ごろのケアも念入りに行うのではないかと思います。一方、頭皮は基本的に髪の毛で隠れていますので、そこまで深刻に考えない方も多いのではないのでしょうか。
しかしながら、頭皮も顔の延長です。同じ一枚の皮膚を共有しているので、顔と同じくらいデリケートであることを忘れてはいけません。しかも頭皮は、顔に比べると、毛穴の数も多く密集しているため、皮脂の出る量も顔よりも多いぶん、ニキビができやすい場所と考えられています。
普段から顔がベタつくというオイリー肌の方は、頭皮にはもっと皮脂が出ている可能性があるため、特に注意が必要です。髪の毛を洗うときは、髪の毛そのものではなく、頭皮の汚れをしっかり落とすように、頭皮をやさしく洗うように心がけましょう。
頭皮ニキビを予防するシャンプーでの洗髪方法
頭皮ニキビを予防するためには、正しい方法で髪を洗うことが重要です。正しい洗髪のポイントは、以下の5つです。
- 1日1回行う
- シャンプーを手のひらで泡立ててからつける
- ゴシゴシこすったり爪を立てたりしない
- ぬるめのお湯ですすぐ
- すすぎ残しがないよう時間をかけてすすぐ
ニキビの原因となる余分な皮脂や汚れは、毎日落とすことが大切です。また、シャンプー剤を泡立てないままつけたり、ゴシゴシ強くこすったりすることは頭皮にダメージを与えることになるので避けましょう。指の腹を使い、やさしく洗います。洗い流すときは人肌より少し温かい38℃くらいのお湯を使い、お湯を当てる角度を変えながらすすぎ残しのないよう洗いましょう。また、コンディショナーは髪の中間から毛先につけ、髪の根元にはつけないようにしてください。
なお、洗浄力の強すぎるシャンプーは頭皮の乾燥を招き、かえって皮脂の分泌を多くしたり、皮膚のバリア機能を破壊して炎症を起こす原因になりかねません。アミノ酸系の界面活性剤を使用したアミノ酸系のシャンプーなどは頭皮にやさしいので、頭皮ニキビのあるときにもおすすめです。
アミノ酸シャンプーについては、『アミノ酸シャンプーの特徴と正しい選び方』をご覧ください。
頭皮にニキビができたときのヘアケア・対策について
頭皮にニキビができてしまったのを確認できた場合、決して自分で潰さないようにしましょう。ただでさえ目では確認しにくい場所ですし、間違ったケアは症状を悪化させる危険があります。頭皮にできたニキビは目で見えない分、余計気になってしまって、つい手で触りたくなってしまうものですが、手についている菌がつくことで炎症を起こす可能性もありますので、触らないよう、我慢が必要です。
ヘアケア剤などをつけると、余分な油分がついてしまうので、一旦使用を中断し、頭皮を清潔な状態にします。毎日使っている枕カバーなどが、意外と菌を増殖させている可能性があります。毎日枕カバーを取り替えるのが大変なようであれば、タオルを巻くなどして、頭皮が触れる場所は常に清潔な状態にしておきましょう。
>>頭皮のニキビの詳しいケア方法は『頭皮ニキビのケアと予防方法』の記事をご覧ください。
頭皮ニキビの皮膚科での治し方
頭皮ニキビを含め、頭皮のトラブルの場合は皮膚科を受診します。皮膚科では、主に塗り薬による治療と飲み薬による治療が行われます。
頭皮ニキビの治療に使用される塗り薬
頭皮ニキビを含め、ニキビの治療に使われる塗り薬として以下のものがあげられます。
- 抗生物質
- 保湿剤
抗生物質は、ニキビの原因となるアクネ菌の殺菌のために処方されます。
頭皮ニキビの治療に使用される飲み薬
ニキビの治療に使われる飲み薬には、以下のようなものがあります。
- 抗生物質
- ホルモン剤
- ビタミン剤
抗生物質は、重度のニキビの場合に使用されます。ルリッドやクラリス、ミノマイシンといった抗生物質がよく使用されます。ビタミン剤は、ビタミンB2やB6、ビタミンCといった皮脂の分泌量調節や皮膚を健全に保つ働きが期待できるビタミンを補うために処方されます。
また、ホルモン剤は男性ホルモンの抑制のために使用されます。これは、男性ホルモンに皮脂腺を刺激して皮脂の分泌を促進する作用があるためです。ホルモンバランスが崩れ、男性ホルモンの分泌量が増加していることがニキビの原因となっている場合、ホルモン療法が効果的だといわれています。
規則正しい生活を送り頭皮ニキビを予防しよう
皮脂分泌量の多い頭皮のニキビは、できやすく治りにくいためやっかいです。また、脂漏性皮膚炎などのニキビ以外の原因で頭皮トラブルが起きている可能性も考えられます。頭皮の状態がなかなか改善しない場合は、早めに皮膚科を受診することをおすすめします。
頭皮ニキビがある場合のセルフケアとして、以下のポイントを見直すことがあげられます。
- 髪の洗い方
- 使用しているシャンプー
また、ニキビの原因として、栄養バランスの偏った食生活や睡眠不足、ストレスなどもあげられます。規則正しい生活を送ることも意識してみましょう。
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