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顔のイボを除去する皮膚科での治療方法と市販薬の効果
「イボ」は全身にできる可能性のあるものですが、顔にできてしまうととてもやっかいです。「イボ」の原因はウイルスで、その数は100種類以上もあるそうです。ここではドクター監修のもと顔にできる「イボ」の特徴と治療法を解説します。
イボができる原因
イボができる原因は、ヒトパピローマウイルスというウイルスです。このウイルスが傷口に入り込んで感染すると、肌にイボができます。イボの原因となるウイルスは、100種類以上も存在しています。また、イボといっても種類はさまざまで、できる部位や年齢、症状によって分けられています。
顔にできるイボの感染経路
イボの詳しい感染経路は、実は現代医学でも明らかにされていません。自然界にも人間の体内にも存在しており、非常に種類も多いため、どこから感染したのか厳密に突き止めることが難しいためです。
外界からの感染だけではなく、免疫力の下がったときに、自身の体内に存在するヒトパピローマウイルスによってイボが出現することもあります。
※イボができる原因について詳しくは、『いぼができる原因とは』をご覧ください。
イボの種類と特徴
それでは、代表的なイボの種類と特徴を見てみましょう。
指や足の裏に出る尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)
イボの中でもっとも一般的なのが、尋常性疣贅です。手足や関節など、擦ったりケガをするなど接触の多い場所にできやすいのが特徴ですが、どこにでもできる可能性があります。イボの多くは、硬く突起しており、円形をしています。発生当初は小さく半透明の皮膚の盛り上がりのように見えますが、次第に大きくなり、表面が削られてざらつくようになります。
その中でも、足の裏にあらわれるイボは足底疣贅(そくていゆうぜい)といわれています。組織的には尋常性疣贅と同じものですが、足の裏に発生するため、体重がかかり、突起部分が平らになります。イボの部分がめり込み、その周りを角質化した皮膚が覆う症例が多く見られます。
ウイルスが原因であることから、裸足で過ごす機会の多い人がかかりやすいようです。魚の目やタコと一見似ていますが、イボを削るなどの刺激を加えると出血する点が異なります。
加齢とともに増加する老人性疣贅(ろうじんせいゆうぜい)
名称の通り、加齢にともなって出現するイボです。皮膚の老化現象で「脂漏性角化症」とも呼ばれます。手のひらや足の裏以外であれば、全身のどこにでもできるのが特徴。発生当初は、1~2ミリの小さなものですが、次第に大きくなります。色は濃い肌色から黒色までさまざまで、形も平たいものや隆起するなど多くの種類があります。顔面や手の甲、腕、肩などに出現しやすいようです。
皮膚の老化現象ですので、ほとんどは良性で感染することはありませんが、中には悪性ガンの可能性も潜んでいます。気になるイボを見つけたら、早めに皮膚専門の病院を受診しましょう。
一般的に水いぼといわれる伝染性軟属腫(でんせんせいなんぞくしゅ)
イボの中では比較的柔らかい部類のものです。ウイルスによる接触感染にでかかるといわれています。詳しい感染経路は不明な点が特徴です。直径1~3ミリくらいの白い塊を囲むように、柔らかいイボがワキやひじ、ヒザ、胸などに出現します。単独の場合は少なく、ほとんどの場合、複数のイボが一気に出てきます。
柔らかいイボが破けるとウイルスが飛び散るため、プールなどで感染しやすく、そのため子供の皮膚に見られることが比較的高くなっています。免疫がつけば自然に治りますが、完全治癒までの時間が読めないのが特徴です。早く治す一番の方法は、ウイルスを撒き散らさないためにも早期に専門医にかかり治療を始めることです。
平たいイボの扁平疣贅(へんぺいゆうぜい)
青年性扁平疣贅とも呼ばれ、その名前の通り中年以降での発症はほとんどありません。ウイルスによるもので、青年期に顔や手の甲などに2~3ミリの平べったいイボができることが特徴です。このイボは、やや隆起しており、薄い褐色をしていることが特徴です。一般的には、体格の成長とともに自然治癒していきます。
性器にできる尖圭(せんけい)コンジローム
性器にできるウイルス性のイボの一種で、カリフラワーや鶏のトサカのような形状が特殊です。20代で発症する例が多く認められています。発症当初は痛みやかゆみなどの自覚症状はありませんが、進行すると悪臭を放つようになり、その時点で気づくケースが多いようです。性交渉で感染するため、性病として位置づけられています。
顔にできやすいイボの種類
それでは、ここまで紹介してきたイボのうち、顔にできやすいイボは、どのようなものなのでしょうか?
20歳前後の女性に多く見られる青年性扁平疣贅
顔にできるウイルス性のイボの多くは、青年性扁平疣贅(せいねんせいへんぺいゆうぜい)です。やや隆起しており、大きさは米粒よりも少し小さい程度。肌の色と同じか淡い茶色をしています。
20歳前後の女性に多く見られ、中年以降の発症はほとんどないといわれています。イボは、1~2週間で自然と消えてしまう場合もありますが、放置しておくのは厳禁です。
イボを刺激することで、内在していたウイルスをまわりの皮膚に広げてしまい、イボの数が増えてしまう例が多々みられます。しかし、イボのでき始めを見つけたからといって自己判断でイボを処理しようとするのは逆効果です。かえってウイルスを撒き散らして転移する可能性もあります。イボを見つけた場合は、数が少ないうちに皮膚科に相談し、イボの根治が再発や二次感染予防に効果的です。
肌の色よりも濃くなる老人性疣贅の可能性も
上記とは別に、老人性疣贅(ろうじんせいゆうぜい)というイボもあります。加齢にともなって出現するイボで、脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)や年寄りイボとも呼ばれます。
でき始めの頃は、1~2mm程度ですが、放っておくと少しずつ大きくなることもあります。色は肌よりも濃い色や黒に近く、形も一定ではないので目立ちます。ほとんどが良性のものですが、悪性の場合もあるので、見つけたら医師に相談してください。
顔のイボを除去する皮膚科での治療方法
イボの原因となるウイルスは多種多様で、イボの種類もさまざまです。ウイルスが原因ではない場合もあり、気になる場合は自己判断でのケアをする前に、まずは皮膚科や美容クリニックを受診しましょう。
皮膚科やクリニックの治療には、
- 液体窒素やレーザー
- 漢方薬
- 疾患によっては塗り薬
など、症状や程度によってもさまざまな治療法があります。薬のみで治療することは少なく、多くの場合、液体窒素やレーザーと併用します。また、専用のハサミでひとつひとつ切除する医院もあります。治療方法や受ける人の体質によって効果も異なりますから、保険が適用されるかどうかも合わせて、医師に相談しましょう。
それでは、クリニックで一般的に用いられている治療法について、詳しくみていきましょう。
レーザーでの除去
イボの除去には、レーザーを使ってイボを丸ごとくり抜く方法が一般的です。イボの状態に合わせて最適なレベルのレーザーを使用し、なるべく肌に負担をかけないように治療を進めます。レーザーによるイボの除去は出血も少なく、痛みも感じにくいことが特徴です。ピンポイントで除去を行うので傷跡も残りにくいのもメリットです。
イボの大きさや個数、種類によっても差はありますが、3か月から半年程度の治療期間が一般的です。ただし、1mmあたり2000~5000円と、病院によって価格に差があります。必要な方法をよく話し合い、納得したうえで治療を受けましょう。
液体窒素での除去
昔から用いられているイボの治療法として、液体窒素で焼くという方法があります。マイナス196℃の液体窒素で綿棒のようなものの先を凍らせ、イボに押し付けることで病変部分を除去します。低温火傷を人為的に起こす方法なので、人によっては強い痛みを感じることもあるようです。
処置後は、皮膚が火傷を起こした状態なので、傷口から他のウイルスに感染しないようにケアする必要があります。イボの原因であるウイルスが皮膚の奥深くに根を張っていることも多々あり、根の取り損ねによる再発の可能性もあります。
液体窒素は肌の表面を焼くので、イボの根に到達するまでに数回の治療をくりかえす必要があります。そのため、治療期間は3か月から1年と比較的長めです。保険がきく場合も多いので、安価にイボを除去したい人には最適でしょう。
内服薬「ヨクイニン」で除去する
イボの治療には「ヨクイニン」という内服薬を処方します。とくに、青年性扁平疣贅の場合に多く処方されます。このヨクイニンは、日本では古来より「ハトムギ」として親しまれています。ハトムギは、中国南部から東南アジアに生息するイネ科の植物で、ヨクイニンはハトムギの種の殻を砕き、中身を乾燥させたものです。
タンパク質やビタミン、カルシウム、カリウム、鉄など高い栄養成分を含み、イボの治療の他にも免疫力の向上や吹き出物に効果があるといわれています。
ヨクイニンでの治療は、西洋医学としての直接的なイボの除去効果を狙うものではありません。東洋医学の観点から、体の免疫力を向上させることでイボの原因であるウイルスの力を弱めるという方法です。そのため、完治したと感じるまでにはかなりの期間がかかるようです。
治療に全く痛みをともなわないのがヨクイニンの利点ですが、イボの形状や種類によっては効果が出やすい場合と出にくい場合があるので、自分の症状をきちんと医師に診察してもらったうえで処方してもらいましょう。
顔のイボを取るとされる市販薬の効果とは
イボは非常に一般的な皮膚病変であるため、市販薬には貼るタイプや塗るタイプ、内服するタイプなどの種類があります。
貼るタイプと塗るタイプでポピュラーなのがサリチル酸を含んだもの。サリチル酸が皮膚の角質を軟化させて、イボやタコなどを除去するという方法ですが、顔にはあまりおすすめしません。
内服液ではヨクイニンという漢方を含んだものがあります。ただし、イボにも種類があるので、薬剤によって効果はさまざまです。病院へ行くよりも手軽で安いからと、安易に市販薬に手を出すことはおすすめできません。
イボの民間療法もさまざま
イボの民間療法は実にたくさんあります。この多さから考えても、昔から人々がイボに悩まされていたことがわかります。長い間、受け継がれて来た民間療法から、いくつかをピックアップしてご紹介します。
ひまし油・杏仁オイルをイボに塗る
ひまし油とはトウダイグサ科の植物から採取する植物油の一種です。このひまし油と重曹を混合して今に塗ることでだんだんとイボが小さくなり、取れるといわれています。
また、イボ治療に広く使われている「杏仁(きょうにん)オイル」もイボに悩む方から注目されています。市販されているものも多く、手軽に使うことができます。
イチジクの実・葉の汁をイボに塗る
イチジクの実や葉を搾った汁をイボに塗ると、色が黒くなってかさぶたになり、ポロリと取れるといわれています。
ハトムギ茶を飲む
ハトムギ茶は、イボ治療の内服薬ヨクイニンを抽出する元でもあります。ですから、ハトムギ茶を継続的に飲むことで、徐々にイボが小さくなる効果が期待できるかもしれません。
ゆずの種を椿油に漬けイボに塗る
ゆずの種をカラカラになるまで乾燥させてから砕き、椿油に漬け込みます。その椿油をイボに塗ると約1か月ほどでポロリととれるといわれています。
これらの民間療法は、興味深いですが、あくまで民間療法です。医学的な根拠やはっきりとした効果が期待できるとは言いきれないためご注意ください。
顔にできるイボを予防する方法
他のウイルス感染症のように、ワクチンで予防できればよいのですが、イボに対する予防ワクチンは現在のところ開発されておらず、確実な予防法はないのが実情です。
肌を清潔に保ち紫外線から守る
イボのウイルスは正常な皮膚には感染しにくいといわれています。イボは皮膚が弱く、免疫力が下がった場所にできやすいので、常に皮膚を清潔に保ち、健康的な生活を送ることが予防の近道と言えるでしょう。
ケガをしたり擦ったり、紫外線にあたるなどをくりかえすと皮膚が弱り、その部分の抵抗力が下がります。ヒジやヒザ、指や顔面にできやすいのはこのためです。なるべく摩擦を避けたり、衣服で覆ったりして紫外線を避けるなど、皮膚の力を弱めないような工夫も予防法として効果的です。また、老人性疣贅の場合は、紫外線の影響が大きいため、日焼け止めを普段からしっかり塗ることが大切です。
タオルやスリッパなどの共用を避ける
明らかにイボができていると判明した場合は、家族間でのタオルやスリッパ、マットの共用を避けるなどの予防策も効果が期待できます。
顔にイボができたら病院へ
顔は人からの視線をもっとも集める場所です。イボができてしまうと、その悩みは深くなってしまいます。自己判断で処理をすると跡が残る危険性もありますので、顔にイボを発見したらいじったりせず、早めに皮膚科を受診しましょう。
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