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ほくろ(色素性母斑)の除去方法-炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)-
ほくろを除去したい場合、医療機関にてほくろ除去の治療を受けることができます。現在、医療機関においては、メスによる手術による方法や、様々なレーザーを使用した方法など、様々な治療方法があります。今回は一般的にレーザーメスと呼ばれる、炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)を用いた方法についてご紹介します。
ほくろを除去したい場合、医療機関にてほくろ除去の治療を受けることができます。現在、医療機関においては、メスによる手術や、様々なレーザーを使用した方法など、いくつかの治療方法があります。これらの治療法は、それぞれどのような方法で行われ、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。今回は、ほくろの除去方法のレーザー治療のうち、一般的にレーザーメスと呼ばれる、炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)を用いた方法についてご紹介します。
ほくろの炭酸ガスレーザー手術とは?
ほくろの除去方法の一つとして、炭酸ガスレーザーによるくりぬき法があります。細胞の水分に反応する10600nmの波長をもつレーザーで、隆起した部分、メラニンを含めたほくろ全体を蒸散させて削り取る治療です。これは、ほくろの境界ぎりぎりまで、ほくろの部分をレーザーで蒸散させることによって除去する方法です。治療後はぽっかりと穴があいた状態になり、軽度の浸出液を伴うじゅくじゅくした傷の状態になります欠損した部分の皮膚は、創傷治癒により、1週間~10日前後で皮膚が再生し、盛り上がり治癒します。
具体的な手順としては、まずはそのほくろが悪性でないかの確認後、局所麻酔を行います。その後、炭酸ガスレーザーで蒸散させる部分にマーキングを行います。そして、最後に実際にほくろを炭酸ガスレーザーで切除します。治療時間は、だいたい1~5分ほどで済みます。ほくろが除去されたら、小さいものは傷に軟膏が塗り、大きめのものは創傷被覆材のテープで保護します。
手術後、傷が完全にふさがる1~2週間は、軟膏や傷を早く治すテープで覆っておく必要があります。傷がふさがってからも、多少赤みが残る場合もありますが、時間が経つにつれて、徐々に赤みも消えていきます。
ほくろの炭酸ガスレーザーのメリット
平坦なほくろのほか、Qスイッチレーザーやロングパルスレーザーでは治療困難な盛り上がったほくろや、色調が淡いほくろなど、様々なほくろの治療ができるということがメリットです。また、Qスイッチレーザーでは、メラニン色素のみを除去するため、もとの母斑細胞は残ります。そのため、後々色素を作り出すこともあり、繰り返し照射で少しずつ色を淡くする必要があります。その点、炭酸ガスレーザーですと、一度の治療である程度のメラニン色素を含めた母斑細胞全体を除去できるということもメリットの一つになります。
また、母斑細胞自体を一度で完全に除去する治療として、深く切り取って縫い合わせるという方法もありますが、線状の傷痕がほぼ残ってしまうのに比べると、傷痕が目立ちにくいことなどもメリットです。特にケロイドになりやすい方は完治できなくても、炭酸ガスレーザーを選択されることをおすすめします。
また、瞼やまつ毛の間、小鼻など切除縫合術では変形してしまう可能性がある部位も、安全に最小限の傷痕で手術できる点も特記すべきことでしょう。
ほくろの炭酸ガスレーザーのデメリット
まず、少しでも悪性の疑いがあるほくろは適応外となります。この見極めが皮膚科専門医の最も重要な役割かも知れません。幼少期からあるほくろや青く見えるほくろは皮膚の深いところまでほくろの細胞が入り込んでいるため、複数回の施術が必要になってしまう上、完全には取りきれない場合もあります。
次に、炭酸ガスレーザーは黒に効くレーザー治療と違って、痛みを取るための麻酔が必要になります。小さいものは表面麻酔のみでも可能ですが、大きいもの、深いものは局所麻酔の注射が必要です。また、1度であまり深くまで削りすぎると、へこんでしまったり、逆に盛り上がったりしてしまうことがあるため、あえて深追いせず、いったん皮膚が再生(上皮化)したのち、再発を認めた場合に再照射するほうが傷痕が目立ちません。そのため、再発のリスクがあるということ、完全には取りきれないことがあるということはデメリットとなるかもしれませんが、後々の傷痕のことを考えると、その方がよいのかもしれません。
削った部分が上皮化するまでに時間がかかるため、10日前後軟膏外用やテープ保護などのダウンタイムを要します。また、上皮化後は、赤みや炎症後色素沈着が起こることがありますが、こちらもニキビ痕のように時間の経過ととともに薄くなっていきます。テーピングや一過性の赤みや炎症後色素沈着はデメリットと言えます。
深くまで母斑細胞が残っている場合は再発の可能性があり、数年たってから追加治療を要することがあります。
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