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乾燥肌の化粧品選び(2)洗顔料
肌の水分保持力は角質層の細胞間脂質(セラミドなど)などがカギ。洗浄力の強い洗顔料は、角質層の保湿成分まで洗い流してしまいます。ここではドクター監修の記事で、乾燥肌の化粧品の選び方のうち、洗顔料について解説します。
乾燥肌が選びたい洗顔料って?
肌の水分保持力は、角質層の細胞間脂質(セラミドなど)が約80%、NMF(天然保湿因子)が約18%、皮脂膜が2%を担っています。
乾燥肌は、セラミドなどの細胞間脂質や天然保湿因子、皮脂膜が少なくなり、水分を保持する力が弱い状態です。
そのため乾燥肌の人は、汚れはしっかり落としつつ、なるべく皮脂膜や、細胞間脂質、天然保湿因子を洗い流してしまわない洗顔剤を選ぶ必要があります。
乾燥肌の方の洗顔料選びのポイント
洗浄剤でのW洗顔は避ける
クレンジングと洗顔、2度も強い洗浄力のもので洗うのは、乾燥肌でなくても洗いすぎです。
基本的に、洗浄剤で顔を洗うのは1回だけにしましょう。
クレンジングでメイクを浮かすだけのオイルやクリームを使用し、W洗顔をする、もしくは1回でクレンジングと洗顔の両方ができる石けんや洗顔剤を使うことをおすすめします。
なお、乾燥肌の方におすすめのクレンジング剤の選び方は、『乾燥肌の化粧品選び(1)クレンジング剤』で解説しています。あわせてご覧ください。
合成界面活性剤フリーの洗顔料が安心
単純に「合成界面活性剤が悪い」ということではありません。、近年は、安全性が高くて使い勝手のよい洗顔剤も多く存在します。しかし、使用されている合成界面活性剤の種類や配合量、組み合わせなど、それが肌にどのような影響をもたらすかを判断するのは、一般の人では難しいものです。
純石けんであれば、界面活性成分は石けんのみのため、難しい知識は必要ありません。石けんには、洗い流した瞬間に界面活性力が消えるという特徴があります。つまり、界面活性効果があるのは洗っている最中だけなので、短時間の使用であれば肌への影響は少なくて済むのです。
このことから、顔全体に使うクレンジング兼洗顔料としては、角質層への影響が比較的少なく、安全性の高い純石けんを選ぶのが無難です。
石けん洗顔のつっぱり感は問題ない
「石けんでの洗顔は、洗い上がりのつっぱり感があるから苦手」、という方も多いでしょう。
石けん洗顔で肌がつっぱるのは、皮膚のうるおいが奪われたからではなく、皮膚が石けんによってアルカリ性に傾いたことが原因です。肌には、もともとアルカリ性を弱酸性に戻す力があるので、通常は特に心配する必要はありません。
中性や弱酸性の洗顔料でも、洗浄力が強い合成界面活性剤が多量に含まれたものを使うと、洗顔後につっぱり感はなくても、角質層の細胞間脂質や天然保湿因子が洗い流され、実は肌がダメージを受けてしまいます。洗い上がりの使用感ではなく、角質層に与える影響で洗顔料を選ぶことが大事です。
泡立ちやすさも大事
石けんや洗顔剤を選ぶ際には、肌への摩擦をできるだけなくすために、泡立ちやすく、泡に十分なクッション性があるかどうかも考慮に入れましょう。
指がなるべく直接肌に触れないで洗える、泡立ちがよくて、泡がへたれにくい洗顔剤を選ぶことも重要です。
石けんがしみるほど乾燥している場合の対処法
特に乾燥がひどい場合は、石けんがしみることがあります。このような場合、ぬるま湯のみでの洗顔にするか、弱酸性や中性のもので、肌に界面活性剤が残りにくい洗顔料を選びましょう。
洗顔料を使う場合は、表示を見るだけでは肌にどのような影響がある処方なのかがわかりにくいと思います。ドクターに相談するか、メーカーによく確認してから選ぶようにしてください。また、クレイ(泥)など、天然の洗浄作用のある洗顔料を活用するのも一つの方法です。
洗顔時の注意点
せっかく肌にやさしい良質な洗顔料を選んでも、こすってしまうと、その物理的刺激で角質層がダメージを受けてしまいます。乾燥肌の最大の原因は摩擦によって角質層が損なわれることです。洗顔時には、とにかく優しく、こすらないことを心がけ、正しい方法で行います。乾燥のひどいときは、洗顔料を夜1回のみ使用するというのもよいでしょう。
では、正しい洗顔方法とはどのようなものでしょうか。
正しい洗顔方法
正しい洗顔方法をステップごとに解説します。
(1)手を洗う
洗顔料をよく泡立てるため、手を洗います。
(2)洗顔料を泡立てる
洗顔料を泡立てます。洗顔料に水を混ぜながら、利き手の指先を泡だて器のように使って泡立てるとよいでしょう。苦手な方は、泡立てネットを活用しましょう。
(3)Tゾーンを洗う
モコモコの泡ができたら、まずはおでこや鼻筋などのTゾーンやあごなど、皮脂の多い部分に泡を乗せ、やさしく洗います。このとき、ゴシゴシこすらず、できるだけ指が肌に触れないようにします。
(4)目元や口元は泡を乗せるだけ
目元や口元は皮膚が薄く、泡を乗せるだけで十分です。
(5)ぬるま湯で20回以上すすぐ
33℃から36℃くらいのぬるま湯を使い、洗顔料が肌に残らないようにすすぎます。最低20回以上すすぎましょう。
(6)清潔なタオルで水分を取り去る
清潔なタオルで水分を取り去ります。このときもゴシゴシこすらず、顔を押さえるようにやさしくタオルを当てましょう。
(7)すぐに保湿
洗顔後は、角質の水分が奪われる過乾燥になりがちです。3分以内にしっかりと保湿をしましょう。
乾燥肌は洗顔料に純石けんをチョイス
肌の保水力が落ちている乾燥肌の方は、汚れを落としつつ肌に必要な物質を洗い流さない、やさしい洗顔を心がける必要があります。そのためには、合成界面活性剤の配合されていない洗顔料を使用してほしいところです。
一番わかりやすいのは、純石けんを選ぶこと。肌のコンディションに合わせて洗顔料を使用する頻度や洗顔料自体を変えながら、正しい方法で洗顔し、肌をいたわりましょう。
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