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乾燥肌の予防と対策(8)乾燥肌におすすめのサプリメント成分

更新日:2016.12.09
公開日:2013.12.23
ドクター画像
この記事の監修者
西麻布ヒフ・形成外科 院長 藤井佳苗

近年、若い世代の乾燥肌が激増していると言われており、その背景には食生活の欧米化やダイエットブームがあると言われています。基本的にはバランスの良い食事を摂るようにするべきですが1日3食を完璧な食事にするのは至難の業という方も多いはず。乾燥肌を改善するためのサプリメント活用法について、ドクター監修の記事で詳しく解説します。

乾燥肌を予防するには、バランスの良い食事を摂っていれば、必要な栄養素が大きく不足することはほぼありません。

しかし、ダイエットや飲酒、偏食、喫煙、ファストフードや加工食品を頻繁に食べるなどの食習慣がある場合は、栄養素の不足が原因で乾燥肌になる場合があります。

ファストフード文化が進んだアメリカでは、栄養素の不足により乾燥肌になる人が増え、サプリメントなどがさかんに活用されています。なるべくバランスの良い食事を心がけつつ、欠乏が気になる栄養素はサプリメントを利用して補給するのも一つの手。

ここでは、乾燥肌対策に重要な栄養成分と、サプリメントや健康食品での効果的な摂取法をご紹介します。

乾燥肌を予防するのに大切な栄養素

不足すると乾燥肌の原因になりうる栄養素には、以下のようなものがあります。

(1)タンパク質

タンパク質が不足すると、角質細胞の生まれ変わりが正常に行われず、ターンオーバーが遅れがちになります。その結果、角質層で水分を保持するために大切な役割をしている細胞間脂質(セラミドなど)やNMF(天然保湿因子)が減少してしまいます。

(2)オメガ3系脂肪酸

オメガ3系脂肪酸は、細胞膜を構成する成分の1つで、不足すると細胞の回復や再生が上手くいかず、お肌だけではなく全身に悪影響が及びます。オメガ3系脂肪酸で有名なのがEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)で、イワシ、サンマ、サバ、アジなどの青身魚に多く含まれています。

(3)亜鉛

亜鉛は私たちの身体に大変重要なミネラルで、お肌や髪の毛、爪などの健康を維持するのに欠かせない栄養素です。バランスの良い食事をしていれば不足することはありませんが、飲酒や加工食品に含まれる添加物、玄米などに含まれるフィチン酸によって吸収が阻害されたり、消費量が増え、不足状態になることがあります。

(4)ビタミン類

ビタミンの中でも、お肌にとって特に重要だと言われているのが以下のビタミンです。

  • ビタミンA:皮膚や粘膜を健全に保つ
  • ビタミンB群:お肌のターンオーバーや皮脂分泌を適性にコントロールする
  • ビタミンE:活性酸素によって細胞がダメージを受けるのを防止したり、血行を促進して細胞に栄養を届ける
  • ビタミンC:コラーゲンの合成を促進したり、効力を失ったビタミンEに抗酸化力を復活させるる

これらのビタミンも、偏食などの方は不足している場合があり、それが乾燥肌や肌荒れ、ニキビの原因となっている場合があります。

乾燥肌対策サプリメントの摂取法

(1)プロテイン

食事からタンパク質を摂取すると、お肌に必要な栄養素が複合的に摂ることができます。

例えばたまごには、ビタミンAやビタミンB群、亜鉛、鉄分など、タンパク質以外の様々な栄養素が豊富に含まれているため、一度に多種類の栄養素を摂取できます。

しかし、「今日はタンパク質が十分摂れなかった」という日に、「足りない分の補完」として、不足分をプロテインパウダーなどで補うなどの使い方は有用であると考えられます。

その際、選ぶプロテインは、糖分や余計な添加物などが入っていない、質の良いものを選ぶようにしましょう。

(2)オメガ3系脂肪酸

こちらも食事から摂取することが基本ですが、魚嫌いやアレルギーで魚が食べられないという方、魚介類を食べない文化の国に長期で旅行や出張をするなどの場合は、オメガ3系脂肪酸をサプリメントや健康食品を利用するのはおすすめです。

オメガ3系脂肪酸のサプリメントや健康食品には以下のようなものがあります。

  • EPA(エイコサペンタエン酸)
  • DHA(ドコサヘキサエン酸)
  • 亜麻仁油(フラックスシードオイル)
  • フィッシュオイル

(3)亜鉛

上述の通り、亜鉛はアルコールや加工食品の添加物で消費されたり、ミネラルの吸収を阻害する成分が含まれる食品と一緒に食べると、吸収されずに体外に排出されてしまいます。亜鉛が豊富に含まれる牡蠣などの食品を積極的に食べたり、大量消費を招くアルコール摂取などを控えるようにしましょう。

サプリメントで摂取する場合は、過剰摂取にならないよう注意し、厚生労働省が推奨する1日当たりの上限値、15mgを上回らないように注意が必要です。

※アトピー性皮膚炎の治療では、ドクターが亜鉛を15mgよりも多く処方する場合があります。その場合は、ドクターの指示に従い、指示された量を守って摂取するようにしてください。

(4)マルチビタミン

ビタミンはお互いに作用し、相乗効果を生み出すので、総合的に摂取することがおすすめです。そのため、まずはマルチビタミンを摂り、その上で、特に不足するビタミンがあるようであれば、個別に補うようにしましょう。

例えば喫煙者の方は、タバコを1本吸うと、25mgのビタミンCが消費されてしまいますので、ビタミンCを単体で追加摂取するとよいでしょう。

以上、乾燥肌におすすめのサプリメント成分をご紹介しました。

繰り返しますが、バランスの悪い食事や食生活を放置したまま、サプリメントだけに依存するのは、お肌だけではなく身体全体に悪影響を与えます。

まずは可能な限り食事を改善し、その上でサプリメントを上手に活用するようにしましょう。

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