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器質性便秘とその症状とは?

更新日:2018.04.23
公開日:2013.12.26
ドクター画像
この記事の監修者
しば胃腸こうもんクリニック 院長 佐藤幸宏

便秘は大きく分けて機能性と器質性に分類することができます。器質性便秘とは、腸の形状に問題があることで起こり、放置すると命に関わる危険性もあります。ここでは、器質性便秘の症状や原因について、ドクター監修のもと解説します。

器質性便秘とは

便秘は、さまざまな切り口があり多くの種類がありますが、器質性(消化管の形に異常がある)と機能性(消化管の機能に異常がある)に分けて考えることが一般的です[1]。器質性便秘とは、胃や腸、肛門などにある病気が原因となって起こる便秘です。病気によって腸が狭くなってしまう狭窄性と、病気ではあるが腸は狭くならない非狭窄性があります。器質性便秘は病院で診てもらうことなしには本質的な治療は望めません。

器質性便秘で考えられる病気に、大腸がんや虚血性大腸炎などの重大な病気を患っている可能性があるため、長い期間において便秘の自覚があるときは、病院を受診しましょう。

器質性便秘の症状

器質性便秘の場合、以下のような症状が便秘とともに現れることが多いといわれています。

  • 吐き気、嘔吐、激しい腹痛
  • 血便や粘液が混じる
  • 何も心あたりがないのに急な発熱や便秘を生じる

便秘にともない上記のような症状が見られたら、自己判断で対処せず、お近くの消化器科クリニックで診てもらいましょう。

器質性便秘の原因となる病気

大腸がん

大腸がんは、もともと欧米人に多くみられた病気でしたが、食生活の欧米化で日本でも戦後に、急速に増加しました。厚生労働省の発表によると、大腸がんは平成15年に女性の死因の1位となり、その後も女性の死因のトップとなっています。

大腸がんの症状としては、血便、残便感、便秘と下痢のくりかえしなどがあげられます。早期は自覚症状がないため、定期的な検査で発見することが重要です。

腹膜炎

急性腹膜炎は、便秘とともに発熱、悪寒、嘔吐などの症状を併発し、腹部の痛む部分が次第に広がっていくのが特徴です。急性腹膜炎は虫垂炎や急性胆嚢炎などが原因で起こります。原因となる疾患の治療を一刻も早く行うことが大切です。重篤な場合には死に至ることもあります。

腸閉塞

腸管が塞がってしまう病気のことで、イレウスとも呼ばれています。食べ物や消化液、ガスなどが腸に溜まり続けてしまうため、さまざまな不調が体にあらわれます。

原因としては、過去に受けた手術の影響、がんによる組織変化、ヘルニアなどがあげられます。当初は、単なる便秘に思えるかもしれませんが、腸閉塞は急速な勢いで体に影響が出はじめることもあるので、一刻も早く病院へ行き適切な処置を受けなければいけません。

腸捻転

腸閉塞の一種で、腸がねじれてしまったことで腸が詰まる病気です。症状・原因ともに腸閉塞と共通しています。腸閉塞と同様に、一刻も早く適切な処置を受けないと命に関わる病気です。

潰瘍性大腸炎

大腸の粘膜にびらんや潰瘍ができる炎症性の病気です。原因は不明で、国から難病指定を受けています。症状としては、最初のうちは便が次第にゆるくなります。やがて血便が出たり、腹痛が起きたり、下痢と便秘をくりかえすこともあります。

参考文献

  1. [1]日本消化器病学会関連研究会.慢性便秘の診断・治療研究会. “慢性便秘症診療ガイドライン2017”

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