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抗酸化成分・食品(17)レスベラトロールの効果と効率的な摂取法
2006年に科学雑誌である「Nature(ネイチャー)」に掲載されたことから話題になったレスベラトロール。寿命を延ばす効果が発表されましたが、本当に効果はあるのでしょうか。ここでは、ドクター監修の記事で、話題のレスベラトロールについて検証します。
レスベラトロールとは?
2006年に科学雑誌である「Nature(ネイチャー)」に掲載されたことから話題になったレスベラトロール。日本でも多くのメディアで取り上げられ、一気に人気サプリメントになりました。
このレスベラトロールは、主に赤ワイン、赤ブドウの果皮、ピーナッツ、ラズベリー等に含まれるポリフェノールの一種で、強い抗酸化力を持つと言われています。
レスベラトロールの歴史と効果
レスベラトロールの歴史は、北海道帝国大学(現北海道大学)の高岡道夫博士が、バイケイソウという有毒植物から1939年に抗酸化物質を発見したことに始まります。
1976年には、レスベラトロールは植物が紫外線や病気、外傷などのストレスを受けた時、自らを守るために生成する防御成分「ファイトアレキシン」の一種であることが報告されました。
レスベラトロールで「長寿遺伝子(サーチュイン遺伝子)」が活性化
その後、マウスでの実験により、このレスベラトロールが寿命を延ばす「長寿遺伝子(サーチュイン遺伝子・長生き遺伝子・抗老化遺伝子)」に直接作用し、長寿遺伝子を活性化させて寿命を延ばしたという研究結果が米国ハーバード大学と米国立老化研究所によって発表されました。
通常、この長寿遺伝子は活性化しておらず、寿命を延ばす働きをしていません。どうすれば活性化できるかというと、「腹七分目」に摂取カロリーを制限することと、ジョギングなどの持久的運動によって長寿遺伝子がオンになる条件です。
しかし、マウスでの実験では、レスベラトロールを摂取することで、摂取カロリーを厳しく制限したり、持久的運動をしなくても、長寿遺伝子を活性化できることが判明しました。
レスベラトロールは人体にも有効?
レスベラトロールは新しい成分で研究途上のため、人体への有効性については、まだ十分な研究結果はありません。
その後の研究で、長寿遺伝子は生物の寿命延長に直接関与していないとの説も発表されており、レスベラトロールの寿命延長効果は、抗酸化作用などによるものである可能性もあります。
レスベラトロールの選び方・摂り方
(1)レスベラトロールの種類
一口でレスベラトロールといっても、いくつか種類があり、動物実験などで効果を発揮しているのは、「トランスレスベラトロール」または「レスベラトロールモノマー」と記載があるものです。
(2)レスベラトロールの摂取量
動物実験で効果を発揮した量は、人間で考えると500mg以上の量と言われています。これだけの含有量があるサプリメントはなく、現段階では人間がどれだけ摂取すべきという明確な目安はありません。ちなみに、アメリカでは、最低100mg以上の摂取が勧められています。
(3)レスベラトロールの効果的な摂取法
レスベラトロールは脂溶性のため、サプリメントで摂取する場合は、食物の脂質と一緒によって吸収が高まる食後の摂取がより吸収率が高まると考えられます。
(4)レスベラトロールの安全性
食品から摂取する分には、副作用や過剰摂取の危険性は特に報告されていません。
しかし、エストロゲン様作用があるため、乳がん、子宮がん、卵巣がん、子宮内膜症、子宮筋腫などホルモン感受性疾患がある方は摂取しないようにご注意ください。
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