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肌荒れ対策サプリメント「マルチビタミン」

更新日:2016.12.09
公開日:2013.12.26
ドクター画像
この記事の監修者
赤坂ビューティークリニック 院長 青山秀和

体内のさまざまな機能を調節し、生命活動に必要不可欠な栄養素、ビタミン。ビタミン不足により美容や健康に影響が出る前に、肌荒れやニキビ対策として最初に摂りたいマルチビタミンのことを、ドクター監修のもと、詳しくご説明します。

近年は、極端なダイエットや偏食、バランスの悪い食生活、欧米型の食生活などが原因となり、肌荒れに悩む女性が増えていると言われています。肌荒れが発生したら、まずはどのようなサプリメントを摂取するのがよいのでしょうか。

「五大栄養素」で健康の土台を築く

栄養素とは、食物に含まれる成分のことを言い、不足すると日常生活に少なからず影響が出てくる、体にとって必要不可欠なものです。具体的には、炭水化物・脂質・たんぱく質・ビタミン・無機質(ミネラル)があり、これらは五大栄養素と言われています。

五大栄養素がしっかり摂れていなければ、いくら美容によいというサプリメントを摂取しても効果は望めません。そのため、まずはサプリメントを摂る前に、食事でできるだけ五大栄養素を摂り、必要に応じてサプリメントで足りない栄養を補いましょう。

最初に摂るべきはマルチビタミン

「現代の野菜はビタミンの含有量が低下している」ということを耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか。実際、ほうれん草に含まれるビタミンCの量は、過去50年間で約10分の1になっているという研究結果もあります。そのため、普通にバランスよく食事を摂っていても、昔に比べて日本人はビタミンが不足しがちです。サプリメントを摂取するなら、まずはマルチビタミンで、不足しがちなビタミンを補いましょう。

マルチビタミンの働き

ビタミンとは、微量で体内のさまざまな機能を調節する働きを持つ、生命活動に必要不可欠な成分のことで、次の3つの条件を満たす有機化合物のことです。

・例外を除き、人間の体内で合成できない

・必要量はわずかでも、健康維持に必須

・不足すると欠乏症が起こる

ビタミンは、炭水化物、たんぱく質、脂質から身体に必要なエネルギーをつくり出す働きを助け、体の調子を整える役割を担っています。基本的に体内では生成できないですが、健康維持には欠かすことができないビタミンを万遍なく摂ることが必要です。

ダイエットにもマルチビタミン

正しいダイエットを行うには、基礎代謝を上げることが重要です。基礎代謝とは「呼吸、体温調節、内臓の活動など、生命維持のためのエネルギーで、安静にしていても使用されるエネルギー消費」のことです。

以前は、基礎代謝の約40%が筋肉によって消費されると言われており、基礎代謝を上げる鉄則は「筋肉をつけること」だと言われていました。しかし、実は筋肉は18%程度で、肝臓が最も消費量が多くなっています。そのため、「内臓機能を高める」ことが、最も基礎代謝を上げる上で役立ちます。特に基礎代謝の30%を占める肝臓が健全で活性化していることはとても重要です。

内臓機能を高め、基礎代謝を上げるには、基本的には食事をバランス良く摂ることが重要ですが、忙しい現代人が毎日完璧な食事を摂取するのは難しいのが現状です。その際、補助的にマルチビタミンを活用するのもひとつの手です。代謝、解毒、消化吸収補助、エネルギーの貯蔵など、あらゆる働きをしている肝臓には、多くの種類のビタミンが必要です。

マルチビタミンの選び方

天然型と合成型、どちらがいいの

ビタミンなど栄養素には、天然型と合成型があります。ビタミンEに限っては、天然のビタミンEを摂取することが重要です。サプリメントなどの成分表示で、ビタミンEが天然型か合成型を見分けるには、トコフェロールの表記に注目してください。

<天然型>

d-α-トコフェロール

d-α-トコフェロール酢酸塩

※製品によって表記が異なる場合があります。

<合成型>

合成型の場合は、表記名の内部にアルファベットの「L」が入っています。たとえば

dl(エル)-α-トコフェロール

上記のトコフェロールは合成型となるため、抗酸化作用は期待できません。

日本製とアメリカ製、どちらがいいの

アメリカでは、サプリメントに対する定義づけが法律(DSHEA:Dietary

Supplement Health and Education

Act:ダイエタリー・サプリメント健康教育法)で定められています。「法律があるからすべて安全」と考えることはできませんが、日本ほど自由ではないことは確かです。

すべての情報を開示しなければならないため、メーカーの都合の悪い情報を隠すことができません。消費者が得たい情報をしっかりと得られるようになっているのです。そのため日本のサプリメントと違って、効果・効能や飲むタイミングがはっきりと明記されています。

日本ではサプリメントを栄養補助食品、つまり“食品”と位置づけています。これは「サプリメントとはどういうものか」と明確に定義する決まりがないということになります。そのため、品質や規格が各メーカーにゆだねられている状態なのです。

保険制度による病気を予防しようとする意識、法律、これらの背景があって、アメリカのサプリメントは発展してきました。かといって「すべてが日本のものより優れている」というわけではありません。日本のメーカーでも真摯な姿勢でものづくりをしているところもたくさんあります。ただし、日本とアメリカではサプリメントを取り巻く背景や意識が違うため、仕様や表記が異なることは認識しておくとよいでしょう。

サプリの加工法にも注目

(1)タイムリリース加工

ビタミンB2は、水溶性なので、体内に長く滞在せず、不要な分は排出されてしまいます。このため、できる限り朝・昼・夜の3回に分けて摂取したり、最近では、サプリメントに「タイムリリース加工」という加工を施し、徐々に溶け出すようにしてある物がありますので、こういったサプリメントを選ぶようにしましょう。

(2)キレート加工

かつお節やクエン酸などに多く含まれる含有アミノ酸にも鉄をキレートする(くっつけて安定化する)作用がありますので、こうしたものと一緒にとると非ヘム鉄の吸収率が高まります。

マルチビタミンの上手な摂取法

(1)食後に摂取

五大栄養素を補う役割のマルチビタミンは、他の食品と一緒に摂取することで、効率的に吸収され、身体全体に届きます。

また、空腹時に摂取すると、胃を荒らしてしまうことがあるので、とくに注意書きがない限り、食後に摂取するようにしましょう。

(2)肌荒れの症状や生活習慣に合わせて追加

まずはマルチビタミンを摂取し、何か足りない、または強化したい栄養素があれば、それをトッピングとして追加しましょう。

ニキビ:皮脂分泌調整するビタミンB2・B6と抗酸化作用のあるビタミンC

タバコを吸う:タバコで消耗するビタミンC

便秘:乳酸菌、善玉菌

ニキビ、敏感肌、乾燥肌:抗炎症作用や角質層の水分保持力を高めるEPAやDHA

水溶性の成分は、基本的に過剰摂取は起こりにくいですが、ビタミンAなど脂溶性の成分は摂りすぎると過剰摂取になる場合があります。入手したマルチビタミンに配合されている量を確認し、厚生労働省の推奨する上限を超えないように注意しましょう。

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