内容が最新ではない可能性がございますので予めご了承ください。
アトピー肌の保湿ケアのために知りたい3種の保湿成分
アトピー肌に必要な保湿ケアについて説明しています。アトピー性皮膚炎の方に保湿が必要な理由から、肌の水分量を保つために必要な3種類の保湿剤の解説まで、ドクター監修の記事でお届けします。
アトピー肌の特徴
そもそもアトピー肌とは、どのような状態なのでしょうか。
アトピー性皮膚炎の方の肌は、角質層に問題があるため、次のような特徴があります。
- 水分保持力が低く、乾燥しやすい
- 外部からの異物や刺激の侵入を防ぐバリア機能が低下し、炎症を起こしやすい
アトピー肌はなぜ水分保持力やバリア機能が低下している?
アトピー性皮膚炎の方の角質層は、セラミドという、角質層の細胞間脂質の主成分が健全な皮膚よりも少なくなっています。
肌の水分保持力やバリア機能は、セラミドを主成分とする細胞間脂質が80%、NMF(天然保湿因子)が18%を担っており、皮脂はたった2%です。そのため、セラミドが不足すると、上述の通り乾燥しやすく、外部からの刺激や異物に弱い肌となります。
低下しているバリア機能を通過し、肌の内部へ侵入した異物は、外敵として体内の免疫細胞から攻撃を受けます。この体内からの攻撃により、皮膚炎となったり、赤みやかゆみなどが発生します。
アトピー肌に必要な保湿とは?
このようなアトピー肌に必要な保湿には、大きく分けると次の2種類があります。
(1)肌の表面を保護し、異物の侵入や水分の蒸発を防ぐ保湿剤
異物が侵入し炎症やかゆみが発生すると、つい掻いてしまいがち。角質層に物理的なダメージを与えると、バリア機能が余計に低下し、より乾燥しやすく、炎症を起こしやすい状態となります。
そのため、アトピー肌の人にまず必要なのは、「表面をしっかり保護する保湿剤」です。このタイプの保湿剤は、皮脂膜と同様に肌表面をコーティングすることで、水分の蒸発や異物の侵入を防ぎます。このタイプの代表的なものがワセリンです。
(2)肌の水分を保持する保湿剤
乾燥しやすいアトピー性皮膚炎の肌は、水分量が低下しています。そのため、肌に水分を与えたり、保持する保湿を行う必要があります。このタイプの保湿剤には、さらに以下の3種類があります。
- 外気の水分を吸着する保湿剤
- 水分を抱え込んで保持する保湿剤
- 水分をはさみ込んで保持する保湿剤
上記2種類の保湿剤とその選び方について、以下に詳しく解説します。
肌の表面を保護する保湿剤の選び方
アトピー性皮膚炎の肌、特に炎症が発生している場合は、普段は使用しても問題ない化粧品の成分でも刺激となり、炎症が悪化することがあります。そのため、例えばワセリンを使う場合は、精製度の高い「プロペト」や「サンホワイト」を使用するようにしましょう。
その他の保湿剤を使用する場合は、肌の刺激になりうる添加物などをなるべく排除したオイルやバーム、保湿クリームなどを選ぶようにしてください。
しかし、「無添加なら何でも良い」というわけではなく、配合されている脂質の種類(オレイン酸などのある種の不飽和脂肪酸)によっては、角質層に浸透することで角質層内の細胞間脂質のバランスを崩すことがあります。そうすると、逆にバリア障害を起こして角質層の水分保持力やバリア機能が低下してしまいます。保湿剤を選ぶ場合には、配合されている油の種類にも注意しましょう。
肌の水分を保持する保湿剤の選び方
上述した通り、肌の水分量を保つための保湿剤には3種類あります。それぞれについて詳しく解説します。
(1)外気の水分を吸着する保湿剤
文字通り、外気の水分を吸着し、保湿する成分です。湿度が高い場合には高い保湿力を発揮しますが、湿度が低い場合は保湿力が低下してしまいます。そのため、肌の水分を保つ力では、3種類の中で最も低くなります。
代表的なものとしては、アミノ酸類やグリセリン、尿素が配合された保湿剤です。尿素は刺激性があるため、顔に使用するには不向きです。
(2)水分を抱え込んで保持する保湿剤
肌表面または角質層で水分を抱え込み、保湿する保湿成分です。湿度が低くても保湿力を発揮し、上述の「水分を吸着する成分」よりも高い保湿力を有します。
代表的なものとしては、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などがあげられます。ヒアルロン酸は肌に塗ると、NMF(天然保湿因子)と似た働きをします。
(3)水分をはさみ込んで保持する保湿剤
角質層では、細胞間脂質は層を作り、その間に水分をはさみ込んで水分を保持します。これと同様に、層の中に水分をはさみ込むタイプの保湿成分が配合された保湿剤です。3種類の保湿成分の中で、最も強い保湿力を持っています。
代表的な成分としては、セラミドやスフィンゴ脂質、水素添加大豆レシチン、リピジュア(R)などがあります。
最初に記載した通り、アトピー性皮膚炎の皮膚は角質層のセラミドが不足している状態です。そのため、セラミドはアトピー肌の保湿成分としては大変有効です。セラミド配合の保湿剤を選ぶ場合は、人間の皮膚のセラミドと同様の構造をした「天然セラミド」か「ヒト型セラミド」が配合されたものを選びましょう。
ただし、水には溶けにくい性質を持つセラミドを化粧品に配合するためには、界面活性剤が必要となります。健康な肌であれば心配のない処方や配合量でも、アトピー性皮膚炎の肌には刺激となることがありますので、注意が必要です。
化粧品だけに頼らず、総合的にアトピー肌を改善
肌のセラミドは、角質層がターンオーバーする過程で生成されます。そのため、肌自体のセラミド量を増やすには、ターンオーバーが正常であることが重要です。
化粧品だけで保湿をしようせず、規則正しい生活やバランスの良い食事を心がけ、肌のターンオーバーを正常に保つようにしましょう。
アトピー性皮膚炎の原因や症状、アレルギー症状が出る成分などは人によって異なります。新しい化粧品や保湿剤を使用する前には必ずパッチテストを行いましょう。As is testといいますが、その場合、腕の内側や、首など、皮膚の薄い部分に5日程度連続ぬって、かゆみやあかみなどが出なければ顔で試してみましょう。また、どのような保湿剤が自分に合うかが分からない場合は、ドクターに相談することをオススメします。
オススメ記事
- 関連するオススメ記事がありません。
スキンケア基礎講座
- スキンケア基礎講座
- アロマテラピー
- クレンジング
- サプリメントの基礎
- サプリメントを学ぶ
- スカルプケア
- スキンケアの基本
- ヘア・髪の知識
- ボディケア
- 妊娠・出産・産後の肌
- 心とスキンケア
- 更年期のスキンケア
- 産後の肌とスキンケア
- 美容・美肌
- 美容によいとされる植物
- 美容成分の基礎知識
- 美白・抗酸化
- 美肌をつくる化粧品の基本
- 美顔器を使ったスキンケア
- 肌と女性ホルモン
- 赤ちゃんのスキンケア
- 頭皮のケアについて
- メイク講座
- 悩み別講座
- アトピー性皮膚炎
- いぼ
- かゆみ・皮膚掻痒症
- シミ・そばかす
- シワ
- すそわきが
- その他の発疹・皮膚病
- たるみ・ほうれい線
- デリケートゾーン
- ニキビ・吹き出物
- ヘルペス
- ほくろ
- まつげのトラブル
- むくみ
- わきが
- 体臭
- 便秘・デトックス
- 傷・傷跡
- 冷え性
- 口内炎・口周辺のトラブル
- 多汗症
- 女性のお悩みボディケア
- 性病・性感染症
- 日焼け・紫外線対策
- 毛嚢炎
- 毛穴・角栓
- 水虫・皮膚真菌症(白癬)
- 汗・ニオイ
- 湿疹・皮膚炎
- 火傷(やけど)
- 生理痛・生理前の不調
- 白斑
- 目の周辺のトラブル
- 粉瘤(ふんりゅう)
- 糖質制限
- 美白・くすみ・目の下のくま
- 肉割れ
- 肌のハリ・ツヤ
- 脱毛・ムダ毛処理
- 花粉症
- 蕁麻疹(じんましん)
- 虫・害虫の皮膚トラブル
- 赤ら顔
- 靴擦れ
- 頭皮疾患・脱毛症
- 顔の傷
- 顔太り
- 用語集
- お肌&からだ・用語
- スキンケア・用語
- 化粧品・用語
- 美容成分・用語
- 男の美容講座
- お悩み&トラブル肌講座
- メンズスキンケア基礎講座
- 育毛
- 美容医療
- アンチエイジング
- くま・目の下のくま
- シミ(しみ)・肝斑
- しわ(注入治療)
- タトゥー(刺青)除去治療
- たるみ・ほうれい線治療
- ニキビ治療
- バスト・胸のお悩み
- ボトックスの治療
- わきが(ワキガ)のお悩み
- 二重手術
- 切らない脂肪吸引・部分痩せ治療
- 女性の増毛(植毛・ウィッグ)
- 脂肪吸引
- 赤ら顔・肌の赤み
- 鍼灸(しんきゅう)治療
- 肌タイプ別講座