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ニキビ跡のしこりの原因と改善方法

更新日:2016.12.09
公開日:2014.05.01
ドクター画像
この記事の監修者
銀座スキンクリニック 院長 坪内利江子

しこり状のニキビ跡は、残念ながらクレーターと同様に自然に消滅することはほぼ期待できないものです。ここでは、しこりができる原因と皮膚科専門医によるクリニックでの治療方法、また自宅でできるセルフケアについてドクター監修のもとご紹介します。

ニキビ跡

どうしてニキビ跡がしこりになってしまうの?

ニキビ跡がしこりになってしまうのは、真皮や皮下組織にまでダメージを受けた肌が再生しようと頑張り過ぎるためです。ニキビが長引いたり繰り返してできた時に起こりやすいもので、乱れた再生機能がコラーゲンの元になる細胞などを不自然に過剰に生成してしまい、それが盛り上がりとなって肌に残るのです。

代表的なできやすい場所は、フェイスラインや下顎、背中ですが、それ以外の部位にも起こります。このしこりは一種の瘢痕(傷跡)で、場合によっては難治性のケロイドのこともあります。しこりになってしまうと化粧品などによる改善や自然治癒は期待できないので、皮膚科専門医への相談をオススメします。

しこり改善のために、自宅でできること

クリニックでの治療と同時進行で、セルフケアも意識してみましょう。

(1)新しいニキビをつくらない

すでにしこりがあるあたりに次々にニキビができると、新しいしこりをつくってしまうリスクがあります。生理前などに新しいニキビができやすいようなら、そちらもきちんと皮膚科でお薬をもらい、できてしまってもすぐ治すようにしましょう。

(2)刺激を与えない

特にしこりがまだ赤い段階の場合、その部分をこすったり潰そうとすると、より炎症が起きて赤くなったり硬くなったり盛り上がったりします。フェイスラインなどは無意識に触りがちなので、意識的に触らないようにしましょう。頬杖も悪化の元です。

また汗をかくとかゆくなりその刺激で悪化することもあるので、汗をかいたらすぐ優しく拭きましょう。特にアトピー肌の方は要注意です。背中の場合は見えないのでタオルなどでゴシゴシ洗いがちですが、それで悪化するのでお顔と同じように優しく泡で洗うようにしましょう。

(3)やたらとピーリング化粧品を使わない

化粧品に入っているピーリング製剤はとても弱いものであり、しこりの本体の真皮の部分まで改善することはできません。良かれと思って使いすぎると、乾燥するばかりでかえってかゆくなったり悪化することもあります。使用したい場合は主治医と話し合って使うようにしましょう。

(4)肌の再生に必須である栄養素を摂取

健康なお肌を保つには、ターンオーバーに必要な食材をしっかり摂取していることが大切です。常にバランスの良い食事を心掛けましょう。これは新しいニキビを作らなくするためにも大事なことです。

炭水化物など、糖質や脂質を摂り過ぎないよう気をつけましょう。ストレスによる間食は要注意です。必要に応じて総合ビタミン・ミネラルのサプリメントの摂取も考慮しましょう。

皮膚科専門医での治療方法

しこりとなって残ったニキビ跡を改善するために、皮膚科専門医が行う主な治療方法をいくつか紹介します。

(1)ステロイド(ケナコルト(R))注入およびリザベン(R)内服(保険適応)

まだ比較的新しいしこりで、赤く盛り上がっている場合に有効です。

しこりになったニキビ跡はコラーゲンなどの線維が過剰に生成されている状態であるため、それを軽減するために「ケナコルト」という長時間作用型のステロイド剤を注射器で注入する方法です。

注入量によっては凹みや血管拡張が起きてしまうため、経験が豊富なドクターを選ぶことが重要です。またリザベンも弱いですが正常な組織に変えていく効果が認められているため、同時に内服するのも良いでしょう。

(2)レーザー照射(自費診療)

赤い炎症が治まって通常の皮膚の色になってしまったものは、瘢痕(はんこん)が完成されてしまった状態と考えられ、その場合ステロイド治療あるいは保険治療は難しいです。

現在、主流の治療がレーザー療法です。皮膚の深いところに起こる熱作用によって変性したコラーゲン組織にダメージを与え、その再生を促すことで新しい正常な組織に生まれ変わらせていきます。いずれも月1回ぐらいのペースで繰り返し行っていきます。

しこりの治療で使われるレーザーには、以下のようなものがあります。

1.皮膚を蒸散する(表面を焼く)レーザー:炭酸ガスやエルビウムレーザーによる治療で、しこりのあたりを全体的にある程度の深さまで照射します。硬い皮膚の組織をかなり取り除くことができ効果は良いのですが、しばらく赤みやその後の濃い色素沈着が起こるため、最近は重症以外あまり行われていません。

2.皮膚を蒸散しない(皮膚の表面にかさぶたができない)レーザー:皮膚の奥の真皮に到達する種類のレーザーで、施術後の赤みなどのダウンタイム(ダメージ)はほとんどありませんが効果も弱いです。多様なレーザー機種があります。

3.フラクセルタイプレーザー:現在の主流の方法で真皮の深いところに到達するレーザーですが、細かい点状にあたるためダウンタイムが少なく、効果と副作用のバランスに優れている治療です。数日赤くなりますが、1週間ほどで細かいかさぶたが取れ色素沈着はほとんどありません。特に炭酸ガスのフラクセルタイプのレーザーは効果が強いです。

(3)ケミカルピーリング(自費診療)

肌の表面に酸性の薬剤を塗り、皮膚の表面から真皮にかけて瞬時にダメージを与える治療法です。手軽ですが深いかさぶたになり、剥がれた後も数週間赤くなることがあります。レーザー照射と同じように月1回ごとに繰り返して行います。

この場合、通常のニキビ治療と違いトリクロロ酢酸など深くまで効く酸を使用します。

しこりになったニキビ跡の改善を諦めないで

治療に時間は掛かりますがニキビ跡のしこりを改善する方法は色々あり、根気良く治療することで少しずつ良くなります。体質による個人差もありますが、諦めず、じっくり取り組みましょう。

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