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フケの種類別対策と正しいシャンプー方法

更新日:2017.11.09
公開日:2014.05.01
ドクター画像
この記事の監修者
マブチメディカルクリニック 院長 馬渕知子

フケにはいくつかの種類があり、それぞれ対処法が異なります。そのため、自己流の対策ではかえって逆効果になることも。ここでは、ドクター監修のもと、種類ごとの正しいフケ対策やシャンプーの正しい方法についてまとめています。

毎日シャンプーをしているのに、気がつけば肩にフケが…という方も多いことでしょう。フケが出る原因は、乾燥や皮脂分泌の増加、間違ったヘアケアやストレスなどさまざまです。また、フケの種類によっても対処法が異なります。ここでは種類ごとに正しいフケ対策をご紹介します。洗髪方法や生活を見直すことで、不快なフケを防止しましょう。

頭皮のフケは乾燥が原因

人の肌はターンオーバー(新陳代謝)によって年齢により差はありますが、約1か月ほどで角質がはがれ落ち、生まれ変わっていきます。頭皮も同様に古くなった表皮細胞が老廃物としてはがれ、これがフケとなります。通常は洗髪することで取り除かれるため目立ちませんが、洗浄力の強いシャンプーで何度も洗髪したり、紫外線による刺激を受けたり、加齢などによって頭皮の水分量が減少すると、地肌は乾燥し、未熟な角質細胞までもはがれやすくなってしまいます。これが「乾燥フケ」のひとつの原因です。

一方、同じフケでも、ベトベトと脂っぽいものは「脂性フケ」かもしれません。頭皮にはマラセチア菌という常在菌がいますが、皮脂や汗の分泌が増えるとそれらをエサに増殖し、地肌のターンオーバーの乱れを引き起こすことがあります。古い角質や酸化した皮脂などがホコリや汗と混ざり合い、ベトベトとしたフケが生まれるのです。

マラセチア菌は脂っこい食事やストレス、疲労、睡眠不足、髪をシャンプーしたあとに乾かさず放置することでも増殖します。また、パーマ液やヘアカラー剤の刺激による頭皮環境の乱れや、アタマジラミ、水虫菌などが頭皮の炎症や湿疹を招き、かゆみやフケを引き起こしている可能性もあります。

正しいフケ対策をしないと逆効果かも

気をつけているはずなのに、一向に改善する気配がない…そんな悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

フケは、老若男女を問わず誰にでも起こりうるトラブルの1つですが、「不潔に思われそう」という思いから、なかなか人に相談しにくいものですよね。

しかし、自己流のフケ対策だと逆に症状を悪化させてしまうことにもなりかねないので、しっかりと正しい対策を学んでおきましょう。

まずはフケのタイプを見極める

最初に確認した通り、フケには、大きくわけて2種類があります。頭皮の乾燥が原因で起こる「乾性フケ」と、頭皮の脂分が多すぎるために起こる「脂性フケ」です。

この2つはまったく正反対の原因で起こるものですから、自分のフケがどちらであるかを見極めることなしには効果的な対策はとれません。

乾性フケの人が脂性フケ向けの対策をとると、よけいに頭皮が乾燥してしまって逆効果ですし、脂性フケの人が乾性フケ向けの対策をとると、さらに頭皮が脂っぽくなってしまってやはり悪化してしまうことになるためです。

乾性フケの場合の対処法

乾性フケの場合は、頭皮の乾燥改善と再発防止が最重要課題となります。そのためにもっとも大切なのは、頭の洗い方の見直しと血行の改善です。

まず、避けたいのは、「何度も執拗にシャンプーをすること」です。シャンプーは多くても1日1回に留めましょう。

シャンプーによって洗い流されてしまった皮脂や角質層の保湿成分(細胞間脂質や天然保湿因子)は、大体24時間かけて回復すると考えられています。よって、1日に何回も頭皮を洗うと、肌のバリア機能や水分保持力が回復する前に再度うるおいが奪われてしまい、かえって乾燥が進んでしまう可能性があるのです。

汗をかいた後など、どうしても洗いたい場合は、ぬるま湯ですすいで汗を流すだけに留めておくなど、頭皮へのダメージを抑えるように注意するとよいでしょう。

※詳しくは『頭皮・地肌の乾燥対策に効果的な方法は?』をご参照ください。

脂性フケの場合

脂性フケの場合は、シャンプーの仕方や食生活を見直すことで改善が期待できます。

まずは、毎日正しい方法でシャンプーをする必要があります。皮脂の取り除きすぎは乾性フケの原因となりますが、逆に皮脂が多すぎても脂性フケの原因となってしまいます。毛穴に汚れが残るとつまってしまうので、いつも清潔に保つようにしましょう。

現在は脂性フケの改善に特化したシャンプーも充実していますので、そちらの活用もおすすめです。マラセチア菌による脂性フケやかゆみ・炎症をともなうフケに対しては、薬用シャンプーを選ぶのもよいでしょう。シャンプー選びのポイントについては、『フケを改善する正しいシャンプーの選び方・使い方』もあわせてご覧ください。

きちんとシャンプーをしているのに脂性フケが出るという人は、食生活や生活習慣に問題があるかもしれません。揚げ物やスナック菓子のような脂っこいものを好んで食べている人は皮脂が多く出るため、脂性フケが出やすくなります。

また、アルコールの摂取を控えることは代謝を活性化させることに繋がりますし、ビタミンB2やB6のような脂質の代謝を促す成分を多めに摂取することも大切です。

皮脂分泌の亢進(こうしん)を放置すると、皮脂を好む常在菌であるマラセチア菌が増えてしまいます。マラセチア菌は頭皮に刺激を与える脂肪酸の発生に関係しているといわれており、増殖しすぎると「脂漏性皮膚炎」という皮膚疾患を発症する場合があります。

脂漏性皮膚炎になると余計にフケが出てしまいますので、脂性のフケが出ている方は早めに対策を行うようにしましょう。

炎症性のフケの場合

乾性フケや脂性フケ以外に、炎症性のフケの可能性もあります。頭皮に合わないシャンプーやリンス、カラーリング剤やパーマ液などから、頭皮が強い刺激などを受けると、皮膚表面の角質層の角化(角質のターンオーバー)を異常に早めてしまうことがあります。

通常以上にできあがった角質は、アカとなって次から次へとはがれ落ちることになります。こうして、結果的にフケが出やすくなってしまうのです。皮膚に合わない薬剤などから、頭皮に炎症が起きていないかのチェックもされてみるとよいでしょう。

頭皮のフケ対策に効果的なシャンプー洗浄方法

気になるフケやかゆみ、頭皮の乾燥を改善するには、頭皮の皮脂を取り過ぎても残しすぎてもいけません。汚れはしっかり落としつつも、頭皮のうるおいを残して洗うことを心がけましょう。以下に、フケ対策をするうえで欠かせないシャンプーのポイントをご紹介します。

  • 低刺激のシャンプーを選ぶ
  • 頭皮への刺激を防ぐために、お湯はぬるめに調節する
  • シャンプーをしっかり泡立て、泡で包み込むように洗う
  • 地肌に爪を立てず、指の腹でマッサージすることを心がける
  • すすぎは念入りに行い、シャンプーの成分を髪や頭皮に残さない
  • 洗った後は放置せず、ドライヤーで乾かす

シャンプーは界面活性剤の種類により「アルコール系シャンプー」「石けん系シャンプー」「アミノ酸系シャンプー」の3つに大きく分けることができます。アルコール系シャンプーや石けん系シャンプーは洗浄力が高く、毛穴の汚れを落とすのに向いていますが、反面、皮脂を取り過ぎてしまうおそれがあります。

そのため、乾燥フケには洗浄力が弱いアミノ酸系シャンプーを選ぶのがおすすめです。洗髪後は頭皮に直接ドライヤーの熱を当てないよう、しっかりとドライヤー本体を頭皮から離して乾かしましょう。

脂性フケは頭皮の脂をしっかり落とすことが大事ですが、ゴシゴシ洗いすぎると頭皮のバリア機能を損なうおそれがあります。指の腹を使って丁寧にマッサージするように洗い、毛穴につまった汚れを落とすことを意識しましょう。

まとめ

フケが発生する原因やその対処法を、フケの種類ごとに見てきました。フケは症状ごとに、以下のような点に心がけることが大切です。

  • 乾燥フケ…洗髪方法を見直すとともに血行を促し、頭皮の乾燥改善をめざす。シャンプーはアミノ酸系など低刺激のものを選ぶ
  • 脂性フケ…正しい洗髪方法で毛穴の汚れを取り除いて清潔に保つことを心がけ、同時に脂っこいものを好む食生活など、生活習慣を見直す
  • 炎症性のフケ…頭皮に合わないパーマ液やヘアカラー、シャンプー剤などの使用をやめ、頭皮の炎症や湿疹改善につとめる

またシャンプーを行う際は、頭皮にあった種類を選び、頭皮のうるおいを残す洗い方を身に付けましょう。

これらの対処をとっても改善しないとすると、上述の「脂漏性皮膚炎」など、頭皮の病気が原因のフケである可能性があります。その場合は、すみやかに皮膚科で診察してもらうようにしましょう。

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