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ニキビ跡を改善する治療(1)ケミカルピーリング

更新日:2016.12.09
公開日:2014.06.01
ドクター画像
この記事の監修者
西麻布ヒフ・形成外科 院長 藤井佳苗

市販のピーリング剤に比べて使用する薬剤の濃度が高い皮膚科専門医によるニキビ跡のケミカルピーリングについて、メカニズムや効用をドクター監修の記事にまとめました。濃い薬剤によるピーリングがお肌の生まれ変わりを促し、ニキビ跡の改善に役立ちます。

ケミカルピーリング

ニキビ跡の改善に役立つケミカルピーリング

“ニキビ跡の改善にケミカルピーリングが有効”という認識は、多くの人に広がっています。では、ケミカルピーリングは一体どのようなメカニズムでニキビ跡に働きかけ、改善するのでしょう。

皮膚科専門医で行われるケミカルピーリングについて説明します。

(1)ケミカルピーリングに使われる成分

主にグリコール酸などのフルーツ酸(AHA)やサリチル酸マクロゴール(BHA)などのほか、場合によってはトリクロロ酢酸という強い薬品も使用します。

皮膚科専門医がケミカルピーリングに使用する薬剤はいずれも医療機関でのみ取り扱いが許可された高濃度の化学薬品で、高いピーリング効果が期待できます。

その反面、間違った使い方をするとダメージが大きいためドクターの管理下で安全に使用され、それぞれのニキビ跡の症状や肌質に応じて使い分けられる必要があります。

(2)ケミカルピーリングの作用は?

強い薬剤をピンポイントで滴下して使用する場合もありますが、一般的には肌の表面に均一に薬剤を塗布します。酸性の薬剤を塗布することにより、古い角質や毛穴に詰まっている汚れを化学的に溶かして除去するのです。

酸性の薬剤を中和した後に、クーリングを行い、肌を良よく冷却します。手軽ですが、強い薬剤を使った場合には、深いかさぶたになり、剥がれた後も数週間赤くなることもあります。一般的には、2~4週間ごとに複数回繰り返し行います。

(3)ケミカルピーリングは、どのようなニキビ跡に効果があるの?

ピーリング作用で古い角質を除去するので、肌の表皮が生まれ変わりニキビ跡の赤みや色素沈着が目立たなくなります。

またピーリングによる刺激によりニキビ跡周辺の真皮にあるコラーゲンの生成を促されるため、浅いクレーター状のニキビ跡にも有効です。

(4)ケミカルピーリングのメリットとデメリット

メリットはなんといっても、日常生活に支障をきたすことなくニキビ跡の治療を続けられることでしょう。かさぶたが治癒するのを待つなどのダウンタイムが必要ないので、比較的負担が少なく定期的な治療を続けられます。

ただし、強い薬剤によるスポット的なピーリングの際にはかさぶたになることがありますので注意してください。

デメリットは、1回のピーリングで十分な効果を得ることは難しい面があること。個人差はありますが、通常は2~4週間のインターバルで5~6回ぐらいを目安に通院することになります。長期的な治療が必要である、ということです。

治療を受ける際の注意点

ピーリングで角質を除去した肌は、バリア機能が極端に低下しています。紫外線による色素沈着などのダメージを与えないように、きちんとしたアフターケアが必須です。

お肌の安全を守りながら、次の点に気をつけながらニキビ跡の治療を行いましょう。

  • 乾燥しやすいのでしっかりと保湿ケアをする
  • 指示された日焼け止めを使い、帽子などを使って日焼けしないようにする

またケミカルピーリングは、お肌にダメージを与えないで十分なピーリング効果を得るための塗布時間の見極めが非常に難しい治療方法です。

事前にきちんとクリニックに問い合わせをして、経験が豊富なドクターの治療を受けるようにしましょう。健康保険適用外の治療になりますので、料金についてもあらかじめ確認しておくことも大切です。

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