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ヘパリン類似物質の効果と副作用
ヘパリン類似物質は、根本的な乾燥肌の解決が期待できる保湿剤として50年以上昔から日本国内の医療現場で使用されてきました。ヘパリン類似物質の特徴や使い方について、ドクター監修のもと詳しく解説しています。
アトピー性皮膚炎をはじめ、さまざまな病気に使用されることのある「ヘパリン類似物質」。その作用や期待される効果には、どのようなものがあるのでしょうか。また、重い副作用の心配はないといわれていますが、長期的に使用した場合などにも副作用は少ないと言えるのでしょうか。ヘパリン類似物質についてチェックしましょう。
ヘパリン類似物質とは
「ヘパリン類似物質」という成分名を聞いたことがないという人も、実際にはなんらかの形で使用したことがある人も多いと思われます。なぜなら、ヘパリン類似物質は、乾燥肌対策成分として50年以上昔から日本国内で使われてきた成分だからです。
実際に、乾燥した肌の治療として皮膚科で処方される医薬品名は、「ヒルドイド」や「ビーソフテン」「ホソイドン」などがあります。ヘパリン類似物質には重篤な副作用がないため、赤ちゃんや子供、大人と年代を問わず乾燥肌のケアに使用したり、アトピー性皮膚炎には外用ステロイドと一緒に併用したりすることもあります。
ヘパリン類似物質の作用
ヘパリン類似物質には、「保湿作用」「抗炎症作用」「血行促進作用」の3つの作用があります。血栓性静脈炎や血行障害による痛み、しもやけ、腱鞘炎や筋肉痛などに効果があるとされている薬です。もともとは血液の凝固を防ぐ薬として研究が進められており、血液が固まるのを抑制する効果も認められます。
また、肌表面にある角質が水分を蓄える力を強める作用があり、乾燥肌の改善に効果が期待できます。2007年に公開された研究結果によると、ドライスキンの方にも肌の保湿能力を改善する作用が見られ、肌のバリア機能を改善する効果が認められています。
まれに副作用として、使用後に皮膚のかゆみや刺激を感じたり、皮膚に赤みを帯びる、発疹ができることがあります。詳しくはこの後の「ヘパリン類似物質の副作用」をご覧ください。
ヘパリン類似物質の効果
ヘパリン類似物質に期待できる効果のひとつとして、新陳代謝を促し、弱った肌バリア機能を取り戻すことがあげられます。ワセリンなどの保湿成分は、肌の表面に留まって一時的に肌からの水分蒸発を防ぐことによる保湿効果が期待されますが、ヘパリン類似物質の場合は一時的な保湿に留まらず、乾燥による肌荒れの根本的な改善につながるといわれています。
また、炎症を抑える効能も期待できるため、乾燥によって荒れてしまった肌の修復を早めるとされています。
ヘパリン類似物質の使い方
ヘパリン類似物質が配合された薬剤には、さまざまな形態があります。どのような形態のものを使用すればよいのでしょうか。また、効果を十分に得る使い方はあるのでしょうか。
ヘパリン類似物質の使い分け
ヘパリン類似物質が配合された保湿剤には、さまざまな形態があります。油性クリーム、ローション、外用スプレーなどです。肌の状態、用途や使用感に応じて適切なものが選べるよう、医師に相談しましょう。
中でも一番保湿効果が高いのはクリームですが、ベタつきが気になるという人も多いかもしれません。冬場は浸透力・持続力の高いクリームを使い、ベタつきが気になりがちな夏場はローションにするといったように使い分けする方法がおすすめです。
効果的な使用法
十分な量を指先だけではなく、手のひら全体を使って丁寧に馴染ませていくと効果的です。少ない量をこするように塗っていると効果が少ないばかりか、摩擦で皮膚の炎症や乾燥が悪化する可能性があるので注意が必要です。ただし、妊娠中や授乳中の人は事前に医師と相談してから使用するようにしましょう。また、傷のある場所や、ジュクジュクとただれている場所にも直接塗るのは避けたほうがよいでしょう。
その他、高い水分保持機能があるとされているセラミドについて詳しく知りたい方は『セラミド配合化粧水の正しい選び方・使い方』や『セラミド配合美容液の正しい選び方・使い方』をご覧ください。
ヘパリン類似物質の副作用
ヘパリン類似物質は作用がおだやかで、副作用はほとんどないとされています。また、長期的に使用している患者も多いといわれています。ただし、まれに発疹や肌の赤み、かゆみ、皮膚のピリピリ感が出る可能性が考えられます。
また、血液を固まりにくくする性質があることから、血友病や血小板減少症といった出血性の病気の方は使用できません。
まとめ
ヘパリン類似物質には、肌バリア機能の改善を助けて乾燥肌に根本から対処する効果が期待されます。作用はおだやかで、重い副作用の心配も非常に少ない薬ですが、人によっては医師とじっくり相談したうえで使用するほうがよいことも覚えておきましょう。
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