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肌の赤み・赤ら顔の原因と改善方法

更新日:2017.12.22
公開日:2014.07.01
ドクター画像
この記事の監修者
赤坂ビューティークリニック 院長 青山秀和

「赤ら顔」とも呼ばれる顔の赤みには、さまざまな原因と種類があります。肌の赤みと一口に言っても、どのような種類があり、何が原因となっているのでしょうか。ドクター監修のもと、顔の赤みの原因や改善法について詳しくお伝えします。

顔の赤みに悩む女性のイメージ画像

赤ら顔には、頬や鼻など広範囲に及ぶ症状もあれば、顔の一部に赤みが目立つ症状のものもあります。このような肌の赤みに悩んでいる人は意外に多いといわれています。ここでは、さまざまな「赤み」の種類と、その症状が起こる原因について見ていきましょう。

肌の赤みの主な原因と一般的な対処法

顔の赤みにはいくつか種類がありますが、原因によって以下のように分けられます。

  • 毛細血管拡張症
  • 赤くすみ(色素沈着)
  • 酒さ(しゅさ)
  • 脂漏性皮膚炎
  • 血管腫
  • ニキビ・ニキビ跡(炎症・炎症後色素沈着)

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

毛細血管拡張症(赤ら顔)

血管が拡張して血流量が増加すると、血管の色が表皮を通して透けて見えますが、これにより顔が赤く見える症状です。血管が拡張したままになるため、赤みがずっと消えません。

※詳しくは『赤ら顔(毛細血管拡張症)の原因』をご覧ください。

毛細血管拡張症の原因はまだはっきりと解明されていませんが、赤みを消したいときは、医療機関でレーザー治療や光治療(フォトフェイシャル)を受けるのがよいでしょう。日常生活では寒暖差に気をつける、スキンケアを見直すなどの対策が必要です。

赤くすみ(色素沈着)

紫外線や摩擦、乾燥などの刺激により、皮膚に炎症が起こる場合があります。刺激や炎症が長引くと肌の奥深くにある真皮や皮下組織にまでダメージを与えてしまうのですが、こうして色素沈着した赤みを「赤くすみ」と言います。

具体的には、真皮の毛細血管が破壊されて出血が起こり、血液中のヘモグロビンという色素タンパク質が真皮や皮下組織に沈着して赤黒くくすんでみえるようになってしまうのです。

赤くすみは炎症の再発がなければいずれ消失しますが、日焼けなどをすると治りにくくなります。紫外線対策をきちんと行うとともに、生活習慣・食生活・保湿ケアの見直しを行い、ターンオーバーを整えましょう。

酒さ(しゅさ)

主に中年以降に現れる原因不明の慢性炎症性疾患で、お酒を飲んでいるように鼻や頬、眉間が赤くなるのが特徴です。皮脂腺が増殖すると毛細血管が増えるため、それにともない炎症による赤み、小さな吹き出物やしこり、顔面の毛細血管の拡張といった症状が現れてきます。酒さの症状は、以下の3段階に分かれます。

第1度:紅斑性酒さ(こうはんせいしゅさ)
鼻や頬を中心として毛細血管の拡張が見られ、ほてり感をともなう赤みが現れます。せっけんや化粧品などを使うとひりひりします。
第2度:酒さ性ざ瘡(しゅさせいざそう)
第1度の症状に加えて、吹き出物(ブツブツ状のもの、水分を含む膿胞など)が現れます。
第3度:鼻瘤(びりゅう)
吹き出物状のものが密集して腫れたり、こぶ状になったりします。特に鼻に現れるケースが多いです。

この病気の吹き出物は一見、ニキビと間違えやすいのですが、まったく違うものです。症状を悪化させる要因には、

  • 精神的緊張
  • 紫外線
  • 温熱
  • 寒気
  • 飲酒
  • 香辛料
  • 運動
  • 化粧品

などがあります。また、女性は閉経前後に悪化しやすくなり、長期にわたって徐々に進行(悪化)しやすいといわれています。

皮膚科では、抗菌薬であるメトロニダゾールの塗り薬や、テトラサイクリン系抗生物質の飲み薬などを用いた対症療法を行います。また、ほてりを持つ酒さには漢方薬を用いることもあります。

※詳しくは、『酒さの症状の特徴と顔の赤みの治療法』をご覧ください。

また、酒さによく似た症状を持つ皮膚炎で「酒さ様皮膚炎」と呼ばれるものもあります。長期間、顔にステロイド薬を使用し続けたことによる副作用と考えられています。酒さ様皮膚炎と診断されたら、まずステロイドの塗布を中止し、医師に薬の使用を相談することが大切です。

脂漏性皮膚炎

鼻や鼻の脇など、皮脂が多く分泌されるところに多く見られます。赤ちゃんの場合は、皮脂が未発達の毛穴につまること、成人の場合は過剰に分泌された皮脂と常在菌が反応することで炎症を起こします。

脂漏性皮膚炎は、慢性化してくりかえすことが多いため、早めの治療が肝心です。皮膚科では主に、

  • 炎症を抑えるステロイド外用薬
  • 常在菌の繁殖を抑える抗真菌薬
  • かゆみを抑える抗ヒスタミン剤の飲み薬

などを使用します。また、セルフケアでは、

  • 正しいスキンケア
  • バランスのよい食生活
  • 十分な睡眠
  • 紫外線対策

などが重要です。

※詳しくは、『脂漏性皮膚炎(湿疹)の原因や日常ケアと治療法』をご覧ください。

血管腫

皮膚や皮膚の下に広がったり太くなったりした血管が集まり、それらが増えていく性質の「血管のできもの」を血管腫といいます。生まれつきの場合がほとんどですが、加齢や外傷によりできるものもあります。血管腫の原因や遺伝性は、まだわかっていません。

血管腫には、主に以下のような種類があります。顔の赤みが気になったら、まずは赤みの形状や自身の年齢、生活習慣等から、何が原因なのかを考えてみましょう。

  • 単純性血管腫:いわゆる赤アザと呼ばれるもので、表面が平ら、あるいは少し隆起しているものです。
  • 苺(いちご)状血管腫:名前のように、表面が赤くモコモコと隆起しているものです。
  • 老人性血管腫(角化血管腫):赤ボクロ、赤イボと呼ばれるもので、1~数mm程度の赤いできものです。加齢によって生じます。
  • クモ状血管腫:少し盛り上がった1~3mmの赤い発疹を中心に、血管がクモの足のように放射状に広がるものです。肝硬変などの肝障害のある患者、妊婦、経口避妊薬(ピル)を使用している女性に多くできやすい傾向があります。

血管腫は、種類によって自然に治るものや治療が必要なもの、また、レーザー治療等で赤みを改善できるものなどさまざまです。なかには他の病気が潜んでいる可能性があるものも含まれるため、できるだけ早めに皮膚科を受診しましょう。

ニキビやニキビ跡による顔の赤み

ニキビは、「尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)」という皮膚の病気です。毛穴の入り口に角質が増殖するなどして皮脂が排出できなくなり、そこに肌の常在菌であるアクネ菌が増殖すると、炎症が起こります。

炎症をともなうニキビ(赤ニキビ)ができると、血管が拡張するため、ニキビの周辺の皮膚が赤くなります。刺激などせず、ニキビの炎症が治まれば赤みも消えますが、ニキビが治らないうちに新しいニキビが次々とできたり、刺激などをして皮膚の炎症がいつまでも続くと、やがては「赤くすみ」と同様に真皮や皮下組織までダメージが加わり、ニキビ跡として赤く残ったり、色素が沈着して赤ら顔になったりします。

こうして赤みが残るのを防ぐためにも、炎症が進む前の白ニキビや黒ニキビの段階で治療を行うことが望ましいですが、赤ニキビになってしまったら一刻も早く炎症を抑えることが大切です。皮膚科ではニキビの炎症を抑える抗生物質の飲み薬や塗り薬、ニキビの原因となる古い角質や毛穴汚れを取り除くピーリングなど、さまざまな治療法があります。

また、ニキビ跡の赤みや色素沈着に対しては、拡張した毛細血管を縮小させる光治療を用いたり、レチノイドやハイドロキノンなどの処方薬を使用することもあります。

顔の赤みの改善方法

顔の赤みの原因について見てきましたが、ここでは赤みを消す・改善する治療法についてご紹介します。

皮膚科での治療(レーザー治療など)

顔の赤みを早期に改善したいときは、医療機関を受診してみましょう。皮膚科では、保険が適用されるレーザー治療のほか、光治療(フォトフェイシャル)やイオン導入など、さまざまな自由診療の治療を扱っています。また、症状に応じて形成外科や血管外科を紹介することもあります。

レーザー治療
症状に合わせた単一波長の光で毛細血管を縮小させる治療法。毛細血管拡張症や単純性血管腫、苺(いちご)状血管腫などに使用します。
光治療
レーザーよりも広域でソフトな光を使用し、拡張した毛細血管を縮小させ、赤みを目立たなくさせます。
硬化療法
血管に硬化剤を注射し、圧迫することで血管内側を接着して線維化させる方法です。レーザー治療では効果の薄い太い血管に行われることがあります。
イオン導入
ビタミンCやトラネキサム酸などの薬剤に電気を流してイオン化し、毛穴から薬剤を浸透させる施術です。赤ら顔のほか、ニキビや肌のくすみ、シミなどに用いられています。

セルフケアの改善ポイント

日常生活においてはどのようなことに気をつければよいのでしょうか。セルフケアにおける改善点について見ていきましょう。

スキンケア方法を見直す

洗顔のたびに、

  • ゴシゴシと力を入れて摩擦する
  • 1日に何度も洗う
  • 刺激の強い洗浄剤で洗う

などの行為をくりかえしていると、肌に刺激や負担を与えて乾燥の原因を作り、外的ダメージに弱い肌を作ってしまいます。できるだけ肌に負担をかけないよう、たっぷりの泡でやさしく洗うようにしましょう。

保湿ケアに使う化粧水などを見直す

日頃から肌に刺激の少ない化粧品や肌質にあった化粧品を使うようにしましょう。化粧水や乳液などの基礎化粧品で保湿ケアを行い、正常なターンオーバーを促しましょう。肌がヒリヒリ、ピリピリと痛むときは、なるべく刺激を与えないよう低刺激の化粧品を選ぶことも大切です。

肌がほてって赤いときは、炎症が治まっていない状態だと思われるため、できるだけメイクを控え、ビタミンC誘導体など炎症を抑える成分が配合された化粧品を使うのもよいでしょう。

※詳しくは、『赤ら顔・肌の赤みに効果的な化粧品の選び方』をご覧ください。

食べ物や食生活を見直す

熱い飲み物やアルコール、カフェイン、スパイスの効いた食べ物などは毛細血管を拡げ、赤ら顔の原因になるといわれています。普段から多く摂っているようであれば、控えるようにしましょう。

まとめ

顔の赤みの原因となる病気や症状についてご紹介するとともに、主な治療法や改善法、セルフケア対策などをご紹介しました。顔の赤みは、主に以下のようなことで引き起こされます。

  • 毛細血管の拡張
  • 皮膚の炎症や色素沈着
  • 血管のできもの

皮膚科では、顔の赤みの原因となる病気をつきとめ、治療するとともに、赤みを消すための施術を行うことがあります。保険が適用される治療もありますので、早めに相談してみるとよいでしょう。

また、日常生活においては肌が乾燥や炎症を起こさないよう、肌に負担をかけないスキンケアと保湿を行うことが大切です。毛細血管を拡張させるアルコールやカフェイン、香辛料などもなるべく控えるようにしましょう。

※その他、「肌の薄さ」が原因の赤み・肌荒れについては、「菲薄化(ひはくか)」「ビニール肌」の記事をご覧ください。

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