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スプリングスレッド(スプリングリフト)の効果とデメリット(失敗例・副作用・ダウンタイム)について
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スプリングリフトとは?
「スプリングスレッド」という伸縮性のある特殊な糸を皮下に挿入し、たるみを引き上げる施術です。伸び縮みしない糸だと、口周りなどのよく動かす部分には使用できませんが、スプリングスレッドは伸縮性があるため、広範囲に適用が可能です。
スプリングスレッド(糸)には、上の画像のような丸みを帯びた「コグ」(突起)と呼ばれる突起が、1cmあたり24個という高密度で付いており、1つ1つが4方向を向いています。
このコグで皮下組織を引っかけ、引き上げることで、高いリフトアップ効果を実現します。また、スプリングスレッドの糸は伸縮性があり溶けないため持続性に優れています。糸に伸縮性があることから、術後の引きつれによる頭痛などの後遺症が起こりにくいのも特徴です。
また、リフトアップ効果の他に、肌質改善効果もあります。皮膚の下に糸を挿入すると、免疫反応によって真皮層のコラーゲンやエラスチンを生成する「線維芽細胞」を刺激します。スプリングスレッドによって皮膚が引き上げられ、引っ張られることでも皮膚が刺激され、コラーゲンやエラスチンの生成が促進され、ハリのある肌質になります。
スプリングリフトの特徴
特徴をまとめると、以下の通りです。
- リフトアップの種類:糸の突起によって組織をひっかけてリフトアップ
- 糸のタイプ:溶けない糸
- 糸の伸縮性:伸縮性、弾力性があり、表情に合わせて伸び縮みする
- 突起の特性:丸みを帯びており、神経・血管などを傷めない
- 糸の素材:糸の中心部はポリエステル、外側とコグ(突起)はシリコン性
- 持続期間:3年~半永久的(入れ方によって異なる)
- 仕上がりの自然さ:大変自然で、立体感のある仕上がり
- 施術時間:2~3時間
- ダウンタイム:ごく短い(入浴やメイク、洗顔は当日より可能)
※リフトアップ各種の効果の持続期間や起こりがちなトラブルについては『顔のリフトアップを目的とする美容整形』、他の糸によるリフトアップ治療には『糸を使った切らないリフトアップ治療の種類と効果』をご参照ください。
スプリングスレッドの料金
料金はクリニックによって異なります。いくつかのクリニックのHPを見ると、片側2本ずつ、計4本で30万から40万円ほどが標準のようです。料金としては、両側セットで6本、8本、10本で設定しているクリニックが多いようです。
基本的には、本数が多くなれば価格も上がると考えて良いでしょう。
スプリングスレッドの手術時間・ダウンタイム
挿入する糸の本数や、たるみの状態によって個人差はありますが、標準的な施術時間は2~3時間です。施術後の入院は必要ありません。洗顔、入浴、メイクともに当日から可能です。術後の腫れは、個人差はありますが、ほとんどの人はごくわずかです。
スプリングスレッドは、実際に効果があるのか?
以上がスプリングスレッドによる治療の概要ですが、実際の効果はどうなのでしょうか。また、メリットだけではなく、デメリットや後遺症なども気になるところです。
そこで、スプリングスレッドについて、「六本木境クリニック」院長、境隆博先生にお話を伺いました。
境先生は、形成外科医および美容外科医として豊富な経験を持ち、刺青除去手術などにおいて日本で屈指の技術力をお持ちのドクターです。
たるみ治療についても豊富なご経験がおありなので、そのご実績から、スプリングスレッド治療をどのように見ているのか、ご意見をお伺いします。
ドクターに聞く!スプリングリフトの効果やメリット
Q:スプリングリフトは、「画期的なリフトアップ法」と言われていますが、具体的に、どのような点が優れているのでしょうか。
境先生:スプリングリフトには様々な優れた点がありますが、まずあげられるのが持続性です。以前から糸を使ったリフトアップでは、手術直後に得られる引き上がり効果(リフトアップ効果)を後戻りさせないことが最も重要と言われています。後戻りを防ぐために重要なのは、以下の点です。
- 糸の突起の耐久性
- 糸の伸縮性
組織を引っかける突起部分の強度が弱いと、短い時間で突起部分が破損し、リフトアップ効果がなくなってしまいます。また、糸に伸縮性がないと、顔の表情筋を動かす度に糸に強い負荷がかかり、組織をひっかけている部分がゆるみやすく、持続性が低下します。
スプリングスレッドの糸は伸縮性があり、また糸の突起がトゲのようではなく、強度が高いため、リフトアップ効果の持続性が大変高い施術です。
Q:他にはどのようなメリットがありますか。
境先生:顔の正面部分のリフトアップが可能、というのも、スプリングリフトの特徴的なメリットです。切るリフトアップ手術では、側頭部に向けて皮膚や皮下組織を引っ張り上げますが、顔の正面にはその張力がおよびにくいのです。
また、糸による引き上げにおいても、従来の伸縮性のない糸だと、口の周りなど、よく動かす部分には糸を入れることができませんし、ヒアルロン酸注入などの注入系の治療やレーザーなどの照射系治療は物理的にたるみを引き上げるわけではないので、たるみの治療としてはあまり効果がありません。
その点、伸縮性のあるスプリングスレッドは、顔の正面であっても糸を入れることができ、物理的にたるみを引き上げることが可能です。長く顔の正面は「リフトアップ整形の空白地」と呼ばれていたのですが、スプリングスレッドによって、この空白地もリフトアップが可能になりました。
スプリングスレッドのデメリット・副作用・後遺症など
Q:スプリングスレッドのデメリットがあれば教えてください。また、副作用や後遺症などもあるのでしょうか。また、スプリングリフトを受ける際の注意点などがあれば教えてください。
境先生:上述の通り、スプリングリフトはメリットが多く、デメリットの少ないリフトアップ施術ですが、施術のやり方や、医師の技術力などによっても異なります。
例えば、スプリングリフトには、2つの方式があり、一つは「ストレート法」、もう一方は「エックス状の挿入法」です。
ストレート法は、上の図の左側のように、1本1本を顔のたるみ具合に合わせて、バラバラに自由に入れていく方法です。
対してエックス状の挿入法は、顔に入れた糸をまとめ、頭側の糸で吊るしてエックス状に挿入します。エックス状に挿入すると、顔は一方向に引っ張られることになり、ストレート法のように、たるみの症状に合わせて微妙に引っ張り具合に変化をつけるということができません。
また、まとめた糸を固定する部分に集中的に負荷がかかり、偏頭痛などの痛みや、ゆるみが生じやすいと考えられます。さらに、エックス状の挿入は、ストレート法に比べて異物が入りやすくなるため、異物反応や感染のリスクが高まります。
さらに、使用する糸の本数と挿入時の引っ張り加減によっても、仕上がりや継続期間がかなり変わります。ほとんどの医師は、後戻りすることを見越し、強めに引き上げる方法を採用していると思われます。しかし、バネを伸ばしっぱなしにすると早く劣化するように、スプリングスレッドも強く引っ張った状態で留置すると、早期に劣化し、緩んでしまうと考えられます。
糸の入れ方や本数、引っ張り加減は、医師の判断や考え方によって大きく異なります。確かにスプリングリフトは優れたリフトアップ施術ですが、「スプリングリフトならいい」と安易に考えず、よく医師の考え方や施術内容を確認するようにしてください。
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