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シミを消す?トレチノインとハイドロキノンの美白・治療効果
シミ治療を外用薬で行う場合、ハイドロキノンとトレチノインという薬剤を用いる場合があり、それぞれ働きが異なります。ここではクリニックにおける、この2つの薬剤を用いた治療方法について、ドクター監修の記事で詳しくお伝えします。
気になるシミをクリニックで治療したいけれど、皮膚が弱くてレーザーはちょっと不安…という時は、外用薬でシミ治療を行うこともできます。
主に用いられるのはハイドロキノンとトレチノインという薬剤で、それぞれ働きが異なります。またハイドロキノンはトレチノインを併用することで、肌への浸透力を高める効果があります。ハイドロキノンにアレルギーがない人は、一緒に使うのがオススメです。
ハイドロキノンの美白・治療効果とは
ハイドロキノンは一般的なアルブチンやコウジ酸などに比べ、約100倍もの美白作用があると言われ、「肌の漂白剤」とも呼ばれる強力な美白剤です。
シミやそばかすの原因であるメラニンは、メラノサイトと呼ばれる細胞内で作られます。ハイドロキノンはメラノサイトの活性を抑えてメラニンの新たな生成を抑制すると共に、メラニン自体の数を減らす働きもあります。
日本で製造される化粧品において、ハイドロキノンの配合および濃度の規制はありません。しかし、アメリカ食品医薬品局(FDA)の基準では、ハイドロキノンの配合は2%までとされ、2%以上の濃度のハイドロキノンは病院での処方が必要となります。
厚生労働省では化粧品製造で使用してはいけない成分のリスト(化粧品基準)があり、その中に「ハイドロキノンモノベンジルエーテル」という成分があります。成分名の中にハイドロキノンと書かれていますが、通称「モノベンゾン」と呼ばれハイドロキノンと似てはいますが、別の成分となります。
肝斑やシミ、そばかすなどに効果も
肝斑や炎症性色素沈着(皮膚が炎症を起こした後に出るシミ、色素沈着)、老人性色素斑(いわゆるシミ)、雀卵斑(そばかす)などに効果があります。予防的効果だけの美白剤と違い、できてしまったシミを目立たなくする働きもあります。
間違った使用は肌トラブルの原因に
アレルギーや炎症反応を起こすことがあるため、必ずドクターの処方のもとで使用しましょう。用法や用量を誤ると、まれに肌の一部分が白くぬけてしまう現象(白斑)が発生します。長期間の使用により紫外線に対する防御が働かなくなるおそれもあるため、いずれにしてもドクターによる診察や説明が不可欠です。
人によってはかぶれたり、ヒリヒリとした刺激がある場合があります。赤みや刺激が強い場合は使用を中止し、ドクターに相談してください。
強い紫外線を浴びると、シミが濃くなることがあります。日焼け止めを塗るなどして、なるべく日光に当てないようにしましょう。
トレチノインはメラニン色素排出に効果的
トレチノインはビタミンA(レチノール)の誘導体です。微量ですが人間の血液中にも流れており、アレルギー反応がないのが特徴です。
多くのシミは、表皮の深い部分に沈着したメラニン色素によるものです。トレチノインには表皮の細胞を活発化させる働きがあるため、このメラニン色素の排出にも効果を発揮するのです。
ターンオーバーを促進し肌にハリが出ることも
トレチノインにはビタミンAの約100~300倍の生理活性があり、強力なターンオーバー(お肌の新陳代謝)の作用により表皮内にあるメラニン色素を皮膚の外へ排出します。
また、トレチノインの長期間外用は、表皮・真皮を厚くする作用があります。ヒアルロン酸やコラーゲンの生成も促すため、お肌にハリが生まれ小ジワの改善も期待できます。
これらの効果を利用して、ピーリングの代用療法として用いることもあります。高濃度の外用剤は皮脂の分泌を抑える効果があるので、ニキビ治療やお肌のベタつきなどの緩和にも役立ちます。
妊娠中・授乳中・妊娠予定の女性は使用しない
トレチノインは皮膚の刺激が強く、乾燥やヒリヒリ感が続くことがあるためドクターの診察や説明のもとで使用しましょう。
なお、ビタミンAは細胞の分裂に関係しているビタミンです。妊娠中、授乳中、妊娠予定の人は、過剰摂取により胎児に影響を与えるおそれがあるため使用できません。
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