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クレンジング(メイク落とし)の意味と正しいメイクの落とし方
普段何気なく行っているクレンジングについて、知っておきたい基礎知識を凝縮しました。クレンジングをする意味やクレンジング剤の種類、正しいクレンジング方法などメイク落としの全体的な知識をドクター監修のもと解説します。
普段から当然のように行っているクレンジング。自分の肌に合ったものを探し求めている方も多いのではないでしょうか。ここでは、「クレンジングの基礎」として、以下の内容について解説します。
- クレンジングをする意味
- クレンジングの成分や種類
- 正しいクレンジングの仕方
- もしクレンジングを忘れたらどうなるのか
クレンジングの基礎を1ページでおさえて、肌にやさしいメイク落としをマスターしましょう。
クレンジングの意味
「メイク落とし」とも呼ばれるように、クレンジングをすることにはメイク汚れをはじめとした油性の汚れを落とす意味があります。メイクを落とさずそのままにしていると肌への刺激になり、色素沈着などの肌トラブルを引き起こします。
クレンジングは、メイクをした日には欠かすことのできないお手入れなのです。
クレンジングの成分
化粧品は、多くがくずれにくいよう工夫されています。そのようなものは油性のことが多く、水やお湯だけの洗顔では落としきれません。その油性のメイクを同じ油で浮かせて、洗い流せるようにするのがクレンジング剤です。
油性のメイクを浮かすことができるのは「油」。そして、その油分を水と中和させるのが「界面活性剤」です。クレンジング剤には、この油と界面活性剤が含まれています。界面活性剤は肌に悪いという意見もありますが、メイクを洗い流すためには欠かせない成分です。
問題は使われている量や洗浄力です。なるべく少ないものを選んだほうが肌にはやさしいのですが、最近のメーキャップ化粧品はカバー力、紫外線カット効果、崩れにくさ、密着感、発色の良さなどをウリにした商品が多く、これらの機能が強化されたメイクは、油や界面活性剤を多く含んだクレンジングでないと落とせないものがほとんどです。
自分がしているメイクの成分を踏まえたうえで、できるだけ肌にやさしいクレンジング剤を選ぶようにしたいものです。
クレンジングの種類
油性のメイクを浮かすことができるのは油分で、それを水と混ぜて流すのが界面活性剤。このふたつのバランスが、クレンジング剤選びのカギとなります。
油分が少ないものは油の代わりにメイクを浮かすため界面活性剤が多く必要になり、逆に油分が多くても、その油分を落とすために多くの界面活性剤が必要となるのです。どちらも肌にとっては負担になります。
クレンジングにはさまざまな種類があります。それぞれの特徴を見てみましょう。
ミルクタイプ
肌へのダメージが比較的少なく、やさしい洗浄力が特徴。水分が多いので滑らかなテクスチャのものが多い。
ジェルタイプ
白濁したもの(乳化タイプ)はクリームタイプに近く肌にやさしめ。透明なものは界面活性剤が多く、肌への負担が大きい。
クリームタイプ
油分と界面活性剤のバランスがよいものが多く、比較的肌への負担が少ない。
オイルタイプ
もっともメイクを落とす力が強いタイプ。油分も界面活性剤も多く含むので、肌へのダメージが大きく、乾燥もしやすい。
リキッドタイプ
油分が少なく、界面活性剤の量は多め。
ウォータータイプ
油分が少なく、界面活性剤の量は多め。コットンで拭き取るため肌への刺激も強い。
拭き取りシートタイプ
簡単に拭き取るために界面活性剤を多く含んでいる。拭き取りの摩擦で刺激も強く、シミの原因となることも。
界面活性剤不使用のもの
純粋なオリーブオイルやホホバオイル、コールドクリーム(天然の油脂に石けんなどを加え乳化させたもの)のこと。界面活性剤を使用していないので肌への負担は少ないが、水で洗い流せないため拭き取りによる刺激に注意が必要。一度では落ち切らないことが多く、手間もかかる。
しっかりメイクの時はオイルタイプ、それ以外はミルクタイプやクリームタイプなど何種類かを使い分けするのもよいでしょう。
クレンジングの後の洗顔不要という商品もありますが、油性と水性の汚れをひとつで落とすことは非常に難しく、それだけ多くの界面活性剤も必要になるため肌への負担は大きいと言えます。避けたほうが無難でしょう。
クレンジングのおすすめの選び方
クレンジング剤は、肌の状態やメイクのタイプに合わせて選ぶのが大切です。
たとえば、洗浄効果の強いクレンジング剤を顔全体に使うと、肌の中にあるNMF(天然保湿因子)や細胞間脂質、皮脂膜を必要以上に取り去ってしまい、肌の乾燥を招いてしまいます。しかし、濃いメイクをしているのに洗浄力のマイルドなクレンジングを使用すると、なかなかメイクが落ちきらずにこすってしまい、肌にダメージを与えてしまう可能性があります。
ポイントメイクは専用のメイク落としを使用
一般的に、アイメイクやリップメイクなどのポイントメイクは、崩れにくくするために落ちにくい作りになっています。そのため、アイメイクなどをしっかり行ったときには、ポイントメイク専用のリムーバーを使用し、素早く落としましょう。
ポイントメイク専用リムーバーは一般的に洗浄力が強く作られています。そのため、顔全体に使うのはNGです。しかし、落ちにくいポイントメイクをこすらずに落とすことができるため、デリケートな目元や口元も皮膚のダメージを抑えながら落とすことができます。
顔全体にはメイクの濃さに合ったクレンジング剤を
普段のメイクは薄めという場合、オイルタイプやウォータータイプのように界面活性剤を多く含んだクレンジング剤は、強すぎる場合があります。また、肌の乾燥が気になる方も、このような強いクレンジング剤は避けたほうがよいでしょう。薄めのメイクをすることが多いという場合は、ミルクタイプやクリームタイプといった洗浄力のマイルドなクレンジング剤がおすすめです。
一方、バッチリメイクの日が多いという場合は、ある程度強いクレンジング剤を使用して時間をかけずにメイクをオフすることも大切です。ただし、肌の乾燥が気になる場合は、メイク自体をナチュラルにして、よりマイルドなクレンジング剤を使ってみるといった工夫も必要かもしれません。
しかし、適切なクレンジング剤を選んでも、間違った使い方をしては肌に負担をかけてしまう可能性があります。次に、クレンジングの正しい方法をチェックしましょう。
クレンジングは「丁寧に、素早く」が基本
どのようなタイプのクレンジング剤を使うにせよ、もっとも大切なのはクレンジング剤をメイクによくなじませ、浮かせて落とすようにすることです。力を入れずに指先でくるくるとやさしくなじませてください。
しかし、時間のかけすぎは逆効果です。クレンジング剤は肌にとってやさしいものではないので、必要以上の時間をかけると乾燥や肌荒れの原因になってしまいます。すすぎまでを含め、約1分以内で終わらせるように心がけましょう。
クレンジングで正しいメイクの落とし方
すすぎまで含めて約1分という短時間でしっかりとクレンジングをするには、以下のようなポイントを抑えるとよいでしょう。
- ポイントメイクを先に落とす
- クレンジング剤は適量を使う
- Tゾーンからクレンジング剤を乗せ、力を入れずに行う
- ぬるま湯ですすぐ
ひとつずつ詳しくチェックしてみましょう。
アイメイクやポイントメイクは先に落とすこと
もっとも落ちにくいメイクは、アイメイクです。重ね付けしたマスカラやウォータープルーフのアイライナーなど、落ちにくい要素がつまっているため、全体と一緒のクレンジングでは落ち切らない場合があります。特に目元は皮膚がとても薄くデリケート。毎回きちんと落とさないと目元が老け込む原因にもなってしまうので注意しましょう。
落ちにくい口紅を塗った口元も同様です。専用のクレンジング剤を使って先に落としておきましょう。
※アイメイクの正しい落とし方については『アイメイクの正しい落とし方』、ポイントメイクの正しい落とし方については『正しいポイントメイク落としの方法』でも紹介していますので、あわせてご覧ください。
クレンジング剤が少なすぎるのはNG
量が少ないと摩擦が大きくなり、肌を傷める原因になります。適切な使用量を守ることがポイントです。指の腹などで少し温めてから使用すると、メイク汚れが落ちやすくなります。
クレンジング剤をのせるのはTゾーンから
顔の皮膚のなかでも、比較的皮膚の強いTゾーンからクレンジング剤をのせていきましょう。Tゾーンの次に頬などのUゾーンへと伸ばしていきます。
力を入れ過ぎない
クレンジング剤をのせて指でやさしく伸ばし、指先をすべらせるようにしながらクレンジング剤とメイクをなじませていきます。
力を入れ過ぎず、やさしくなじませましょう。力を入れてゴシゴシこすると角層に傷がつき、肌荒れを招く原因になります。
ぬるま湯で十分に洗い流す
すすぐ際はぬるま湯を使い、手早くすすぎましょう。お湯が熱すぎると肌が乾燥しやすくなり、冷たい水だと油が落ちきりません。クレンジング剤が残らないように、徹底的に洗い流しましょう。
メイク落としを忘れたらどうなる?
クレンジングの役割はすでに述べたとおりですが、疲れて帰ってきたときやお酒を飲んだときなど、ついメイク落としを忘れて寝てしまったという経験を持っている方も多いでしょう。寝る前のメイク落としを忘れると、肌にはどのような影響があるのでしょうか。
肌の老化が加速して、一晩で3歳も歳をとる!?
仕事や家事で忙しく、後でメイクを落とそうと思っていたらつい朝まで寝落ちてしまった経験がある人は多いと思います。しかし、それは肌の老化を加速させる原因のひとつです。
メイクを落とさずに寝てしまうと一晩で3歳も歳をとる、ともいわれています。もちろん本当に3歳も歳をとるというわけではありませんが、それほど肌にはよくないことなのです。
メーキャップ化粧品、特にファンデーションには肌との密着性を高めるために、油性の成分や顔料が使用されています。それらは放置しておくと汗や皮脂と混ざり合い活性酸素を出し、過酸化脂質に変化していきます。その汚れが毛穴に入り込むとターンオーバーがスムーズにいかなくなり、結果、肌の老化へと繋がってしまします。
顔ダニ発生の原因にも
毛穴につまった油や皮脂は、ニキビや肌荒れなどさまざまなトラブルを引き起こします。98%の割合で人の顔に生息しているという顔ダニの大好物は、こうした皮脂であることが知られています。
顔ダニは、わずか10日~14日で卵からかえり、増殖します。顔ダニはある程度であれば多くの人に存在するのでそれほど気にする必要はありませんが、量が増えすぎると皮膚炎を引き起こします。顔ダニを繁殖させないためにも、眠る前にはしっかりとメイクを落としておくことが大切です。
うっかりメイクを落とさずに寝てしまった場合の翌朝の対処法については、『やっぱりお化粧を落とさず寝るのはNG?』で詳しく紹介していますので、あわせてご覧ください。
朝の洗顔方法
最近、朝は洗顔料を使わず水やぬるま湯のみで洗顔する人が増えています。「夜の間は寝ているだけなので、朝の肌は汚れていないから」という考えで洗顔料を使用しないという人が多いようですが、本当に朝の肌は汚れていないのでしょうか?
人間は、寝ているあいだにコップ1杯分程の汗をかくといわれています。その汗と皮脂が混ざり合うと、皮脂膜となって肌を覆います。皮脂膜は肌を守るバリア機能を果たしているため、取りすぎてしまうのは肌のためになりませんが、古くなった皮脂汚れを残しておくこともまた、肌にとってはよくありません。
皮脂は、トリグリセライド(約60%)、ワックスエステル(約25%)、スクアレン(約12%)などの成分で構成されています。このうちトリグリセライドの一部は皮膚表面に存在する常在菌の働きで分解され、ワックスエステルの一部とともに、皮膚にさまざまなダメージを与える「変性皮脂」に変化します。
変性皮脂による肌への影響としては、肌のバリア機能や保水力が低下する、毛穴が開く、キメが乱れるなどがあげられます。
夜、寝ている間も皮脂は分泌、分解され続けているので、朝の肌には変性皮脂が少なからずあると考えられます。
※朝の肌にとってよい洗顔方法については『朝の洗顔は必要?肌質別の洗顔の仕方について』で詳しく説明していますので、あわせてご覧ください。
まとめ
メイクをした日のクレンジングは、肌の油汚れを落とし、健全な肌を守るために必要な作業です。
夜遅くに疲れて帰宅したときや飲み会の後など、どうしてもメイク落としをするのが面倒になることもあるかもしれません。しかし、メイクを落とさずに寝てしまうことは肌に非常に大きなダメージを与え、肌の老化を早めることにもなります。夜入浴せずに朝シャワーを浴びるという場合は帰宅後すぐにクレンジングをするなど、メイク落としを習慣にしましょう。
また、正しいクレンジング方法もチェックし、肌へのダメージを最小限にとどめながらメイク落としをしましょう。
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