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やっぱり痛い?鍼灸・針治療の痛みについて

更新日:2016.12.09
公開日:2014.09.01
ドクター画像
この記事の監修者
医療法人聖光園 細野診療所 院長 細野孝郎

鍼灸の治療と言えば、痛そうなイメージを持っている人も少なくないのではないでしょうか。針を身体に刺す針治療は痛い?と思うことは当然でしょう。このページでは実際に痛いのかどうか、ドクター監修の記事で詳しくお伝えします。

鍼灸・針治療の痛みについて

針といってイメージされるのは、注射針や縫い針ではないでしょうか。これらの針を刺すと考えると、非常に痛そうですが、針治療の鍼(はり)は刺しても痛くないのです。そのメカニズムを解説していきます。

どうして痛くないの?

針で痛みを感じる時は、針が皮膚に刺さったときです。しかし、鍼治療で使用する鍼は、0.2mmほどの極めて細く弾力のある鍼のため、痛みをほとんど感じません。

皮膚の表面には痛みを感じる痛点が数多くあります。どんなに細い鍼を使っても、この痛点を避けることはできません。

しかし、痛点はある一定以上の刺激でなければ反応しないため、それ以下の刺激では痛みを感じません。そのため、強い刺激を与えないように、刺し方や針の形状にも工夫をしています。

針を刺入するときには、筒状をした鍼管という管を使用します。鍼を鍼管に入れ、鍼管上部に少しだけ出ている針の頭を、手で叩いて入れます。この手法で針を刺入すると針の先が皮膚を瞬時に通過するため、細胞の破壊が最小限で済んで痛みをあまり感じないのです。

また、針の先端は丸みを帯びているので、皮膚に刺さるときの抵抗が少なくなり、スムーズに入るため、痛みを最小限に抑えることができます。

鍼のひびき

鍼が最初に皮膚に刺入された後は、普通は痛みを感じないのですが、太目の鍼を深く刺入された時には、ズーンとした重たい痛みが生じることがあります。これは「鍼のひびき」と言われます。

「ひびき」に対する感じ方は人それぞれで、この感覚を心地よく感じる人もいれば、あまり好きではない人もいます。

お灸は熱くない?

お灸というと、我慢するのがつらいぐらい熱い、お灸のあとが火傷(やけど)として残るなどのイメージがありますが、現在では特に希望がある場合以外は、このようなお灸をすることはありません。

近年では、痕が残らない、熱くないお灸が主流となっています。皮膚の上に灸点紙という紙を敷いたり、皮膚と灸の間に生姜やニンニク、味噌などを挟み、熱さを緩和させたりする方法もあります。

もうひとつ、熱さを感じない理由としてあげられるのが、もぐさの燃焼温度が低いことです。もぐさは、よもぎの葉を乾燥させて作られています。よもぎにはチネオールという揮発性の精油成分が多く含まれていますが、このネチオールのおかげで燃焼温度が低くなるのです。

よもぎは植物なので、天候に左右され収穫量が安定しませんが、現代の科学を持ってしても、代わりになるようなものは見つかりません。

針の痛さと同様に、熱さに対する感覚も、人によってそれぞれです。同じ熱さでも心地よく感じる人と不快に感じる人がいるものです。お灸はどんな場合でも、不快な熱さを感じさせないように、気持ちよく感じてもらうのが原則です。

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