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腰痛の鍼灸・針治療の内容と効果

更新日:2016.12.09
公開日:2014.09.01
ドクター画像
この記事の監修者
医療法人聖光園 細野診療所 院長 細野孝郎

腰痛は鍼灸の効果が期待できる典型的な症状ですが、腰痛に対する鍼治療には、その種類や方法に違いがあります。そこで腰痛に対する鍼治療について、ドクター監修の記事で詳しくお伝えします。

腰痛の鍼灸・鍼治療の内容と効果

腰痛の原因と治療法

腰痛に悩む人は少なくありません。原因が特定できる腰痛としては、腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、腰椎圧迫骨折、悪性腫瘍などが挙げられますが、腰痛の中での割合は少ないのです。一方、慢性腰痛やぎっくり腰など腰痛の大多数を占める症状に関しては原因不明とされています。

この原因不明とされている大部分の腰痛はなぜ起こるのか。それは筋肉が緊張することによって起こります。ですからほとんどの腰痛は、鍼治療によって筋肉の緊張を解くことで改善されるのです。

筋肉の緊張(筋筋膜性腰痛)

では、腰痛の中で最も多い筋筋膜性腰痛(ぎっくり腰の代表的な疾患)の原因と治療法について、見てみましょう。

原因

筋筋膜性腰痛は最も多い症状で、鍼灸に適していると考えられている疾患です。重い荷物を持ち上げたり、普段は使わない筋肉をスポーツや重労働で使ったり、腰を強く捻ったりしたときに、骨盤の上部に痛みを感じます。また、パソコンなどで同じ姿勢で長時間座っていても起こりやすいので、姿勢性腰痛とも呼ばれています。

筋筋膜性腰痛には急性と慢性があり、急性筋筋膜性腰痛では、腰の筋肉の緊張感、動かすと痛みがある、痛みが強く動かせない、などの症状があり、この中にはぎっくり腰が含まれます。また、慢性筋筋膜性腰痛では、腰全体のだるさや痛みなどの症状がみられます。

治療法

一般的な治療としては、触診で痛みのポイントを探し、鍼を刺入していく方法、体内に鍼を刺した状態で数十分置く置鍼と言う方法など、さまざまな方法があります。

また、患部に鍼を介して低周波パルスによる刺激を与えて筋肉内を温め、血流を改善させる方法や温灸などもあります。

大腰筋(5~10cm程にある深層の筋肉)が緊張

次に、大腰筋が緊張しているときの症状について、ご説明しましょう。

特徴

大腰筋が緊張していると、次のような状態で腰痛が起こります。

  • 立っているとき
  • 身体を椅子に沈めるように座ったとき
  • 椅子から立ち上がるとき
  • 身体を後ろに反らしたとき
  • 腰を伸ばしたとき
  • あお向けで寝ているとき
  • 朝起きたとき

などです。

大腰筋は身体の表面から5~10cmぐらいの深い場所にある深層の筋肉なので、通常の鍼やマッサージ、電気治療などでは、患部まで届かないため通常よりも長い鍼で治療します。

治療法

このような大腰筋の症状の緩和は、大腰筋へ鍼を刺入する方法があります。しかし、大腰筋は深部にあるので、筋層が薄い女性などのほかは通常の鍼では届かない場合が多く、ポイントまで届く長い鍼を使った施術になります。

また、大腰筋は腰部脊柱から大腿骨の小転子と呼ばれる骨まで繋がっているため、刺入ポイントを見極めるには、ある程度熟練した施術者でないと難しくなります。

腰痛時の注意点

腰痛の原因は腹筋背筋の筋力不足と言われることがありますが、症状があるときは、腹筋背筋運動は控えましょう。過激な運動は症状が悪化する恐れがあるため、軽い運動をオススメします。

アスリートでも腰痛がある人もたくさんいます。つまり筋肉が発達していても大きな負荷がかかれば、腰を痛めるのです。

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