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機能性便秘を鍼灸治療で解消する方法

更新日:2017.11.30
公開日:2014.09.01
ドクター画像
この記事の監修者
医療法人聖光園 細野診療所 院長 細野孝郎

慢性的な便秘は昔から鍼灸の治療対象でした。便秘は肌トラブルとの関連性が指摘されており、改善したい症状です。では、鍼灸では原因をどのように考えて治療を行なうのか、ドクター監修の記事でご紹介します。

鍼灸・針治療で便秘を解消して美肌に!

鍼灸で治療ができる機能性便秘と効果

便秘はその症状だけでも辛いものですが、放っておくと肌トラブルにも発展し、さらに疲労の蓄積、肩こり、頭痛、視力低下、むくみ、冷え性などとの関連性が指摘されるなど、QOL(生活の質)に大きな影響を及ぼす不快なものです。

便秘は、症候性便秘(腸内に癌や炎症などの病気があり、薬物投与や外科的処置が必要なもの)と機能性便秘(大腸運動の弱まりや排便習慣が不規則なことによるもの)に大別されます。このうち、習慣的な機能性便秘については、鍼灸治療が可能です。

この機能性便秘は、以下のものがあります。

弛緩性便秘

大腸運動が弱まり、腸の内容物が運ばれずに留まっているため、便が硬くなり、排出が困難になるものです。食物繊維の不足による腸運動の低下や老化によるものがあります。

直腸型便秘

排便習慣が乱れていることによって起きます。頻繁に便意を我慢したりすると引き起こされます。普通は直腸に大便が溜まると便意を感じますが、この状態に当てはまる人は便意をもよおさなくなっています。

痙攣性便秘

腸管運動のリズムが乱れ、コロコロした小さく硬い便しか出ないのが特徴です。ストレスや心理的な緊張などによって起こり、近年増えている“過敏性腸症候群”によく見られます。

慢性的な便秘は、鍼灸治療の対象となります。鍼による刺激は腸管運動を促進または抑制し、弛緩性便秘においては腸のぜん動を促進することができますし、痙攣性便秘においてはぜん動リズムを整えることができます。

便秘に悩む多くの人は下剤を服用、常用しているケースまであります。中には少量ではもはや効かず、最大摂取量を服用しないと効かない、という人もいます。こういう場合にも、鍼灸治療によって薬の量を減らすことができた、ということがあります。

中医学でみる便秘の種類と鍼灸による解消方法

中医学では便秘のことを秘結と言い、昔から治療の対象としてきました。そしてその原因により、熱秘・気秘・虚秘・冷秘などのタイプに分けて、研究されてきました。

熱秘

辛いものの食べすぎなどにより起こります。胃腸に熱がこもることで、熱秘になりやすくなります。

気秘

気血という体内をめぐるエネルギーが、精神的ストレスにより悪くなり、腸の機能が低下することです。座っている時間が長い人、運動不足の人も気血の巡りが悪くなり、このタイプの便秘になります。

虚秘

気の不足である「気虚」、血の不足である「血虚」で便秘の原因となっているタイプです。長い間病気を患っていた人などは、気血を消耗してしまっていて便秘になりやすいですし、老化して気血が不足した場合も、便秘が起こります。

冷秘

冷えなどの原因に身体を温める機能が低下したことが重なって排便しにくくなり、便秘となったタイプです。

このように、原因を見極めながら便秘のタイプを探り、該当するツボに鍼灸による刺激を行なって便秘を改善していきます。お通じが改善することで吹き出物などの肌トラブルも改善し、美肌に導くことができます。

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