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界面活性剤の正しい知識がアトピーの悪化を防ぐ!

更新日:2016.12.09
公開日:2014.08.21
ドクター画像
この記事の監修者
赤坂ビューティークリニック 院長 青山秀和

肌やアトピー性皮膚炎にはよくないと言われている「界面活性剤」。でも、私たちの生活の中で幅広く利用されている物質でもあります。こちらでは、ドクター監修の記事で、界面活性剤の正しい知識とアトピー性皮膚炎への影響についてご紹介しています。

アトピー性皮膚炎に対して悪影響が懸念されるものは多々ありますが、界面活性剤がよくないという話を耳にしたことがあるという方は多いのではないでしょうか。界面活性剤は、シャンプーや洗剤、化粧品など、私たちの身近なところで使われています。こちらでは、界面活性剤の正しい知識とアトピー性皮膚炎への影響について、詳しくご紹介しています。

界面活性剤の働き

界面活性剤は、親水基(水になじむ)と親油基(油になじむ)の両方を持っている物質です。その働きはいくつかありますが、そのままでは分離してしまう水と油を混ぜ合わせる「乳化作用」、水になじまない物質を水中に分散させる「分散作用」、空気を含んだ繊維などでも水を易に浸透させる「浸透作用」、薄い膜を形成して泡立たせる「起泡作用」、肌などに付着した汚れや油分を包み込んで分散させる「洗浄作用」などが知られています。

界面活性剤のアトピー肌への影響

アトピー性皮膚炎の方は、肌のバリア機能を維持することが重要ですが、時に洗いすぎによって汚れのみならず必要な皮脂膜までも洗い流してしまう場合があります。皮脂膜が失われると、外部刺激から肌を守っているバリア機能が低下し、かゆみや炎症を生じやすくなります。つまり、洗浄力の強すぎる界面活性剤は、アトピー性皮膚炎を悪化させる原因となるのです。

気をつけたいポイント

界面活性剤そのものが全くの悪玉というわけではありません。石鹸で手を洗って得られる洗浄作用は界面活性剤のおかげですし、シャンプーや化粧品、食品中など、実に幅広く利用されている優れた物質です。ただし、合成界面活性剤よりも天然由来の界面活性剤の方が安全性が高いという考え方もありますが、洗浄作用を持っていることに変わりはありません。

また、「界面活性剤不使用」と謳っていながら、実際は「合成界面活性剤は不使用だけれど天然由来の界面活性剤を配合している」というケースもあります。洗浄成分として界面活性剤が配合されているか否かは、「起泡作用」によって水と混ぜた時に泡が立つかどうかで判別できます。洗いすぎていないか、皮脂を落としすぎていないか、すすぎ残しはないかなどに注意し、使用後の保湿ケアも考えて使用しましょう。

また、化粧品や石鹸ではなく洗剤に含まれている界面活性剤にも注意が必要です。洗剤の多くに界面活性剤が含まれていますが、洗濯機ですすぎ回数を増目に設定して運転した場合でも、洗剤成分はある程度衣類に残ってしまうと言われています。特に、肌に直接触れる下着類では、残留していた洗剤によってアトピーが悪化する懸念もあるため注意が必要です。

化粧品の界面活性剤

界面活性剤は乳液やクリームなどの化粧品の中にもよく利用されていますが、ここでは他の化粧品成分をなじませる「乳化作用」を目的としています。この場合、すでに界面活性剤の親水基は水と、親油基は油分と繋がっているため、肌にのせたところで皮脂膜と結びついて肌から奪うことはありません。

配合されている界面活性剤そのものの安全性については考慮する必要がありますが、石鹸やシャンプーに配合されている界面活性剤に比べるとアトピー性皮膚炎に対する懸念は小さいと言えるでしょう。

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