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腫れたニキビを乾燥させて治す薬「硫黄製剤」の効果
更新日:2017.08.07
公開日:2014.11.28
この記事の監修者
相澤皮フ科クリニック院長 相澤浩
昔からニキビの治療に多用されてきた薬剤である硫黄製剤の効能について解説しています。硫黄製剤にはどのような効果があり、どのようなメカニズムでニキビに作用するのでしょうか。ドクター監修の記事で詳しく解説します。
ここでは、古くからニキビ薬として使われている硫黄製剤の効果について見てみましょう。
ニキビを乾燥させて治す「硫黄製剤」の3つの効果
硫黄がニキビにもたらす効果としては、以下の3つがあげられます。
- 皮脂分泌を抑えて肌を乾燥させる効果
- アクネ菌に対する殺菌効果
- 角質を柔らかく保ち、角栓による毛穴詰まりを防ぐ効果
ニキビというのは、角栓が毛穴を塞いで毛穴が詰まり、内部に皮脂が溜まることが発生します。その皮脂をエサにしてアクネ菌が大量発生すると、炎症が起きて真っ赤に腫れ、美容面で大きなデメリットを引き起こすと同時に、痛み、熱感などの不快な症状をきたすこともあります。
硫黄には、ニキビの発生、悪化過程を抑制する働きがあるため、ニキビ治療に古くから用いられてきました。実際、市販されている有名なニキビ治療薬にも硫黄が含まれています。
20歳を過ぎたら硫黄製剤の使用は避ける
硫黄が効果を発揮するのは思春期ニキビだけで、20歳以降に出現する大人ニキビに対しては逆効果になることがあります。なぜ、大人ニキビで逆効果になるのかは、硫黄が持っている「肌表面を乾燥させる」という作用によります。
思春期ニキビは、皮脂の過剰分泌が原因なので、皮脂を減らして乾燥させることでニキビに効果を発揮します。しかし、肌は皮脂が過剰に減少すると、肌表面を守るため皮脂を過剰に分泌させるので、結果、皮脂が溜まって大人ニキビを発生させてしまうのです。また、肌表面が乾燥すると肌のバリア機能が低下し、ニキビに限らず、さまざまなトラブルを招くこともあります。20歳を越えたら、自己判断で硫黄製剤を使用するのは避けたほうが無難でしょう。
硫黄には強いニオイがあり、さらに塗ってから数時間が経過すると、硫黄の粉が白っぽく浮いてくることもあります。こういった事情からも、大人が使うにはやや不向きといえるでしょう。
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