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皮膚科で処方される漢方薬の種類とニキビ治療の効果

更新日:2017.11.24
公開日:2014.11.28
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この記事の監修者
相澤皮フ科クリニック院長 相澤浩

さまざまな医療機関で漢方を処方することが増えており、東洋医学が注目されています。皮膚科も例外ではありません。ここでは、皮膚科でニキビ治療のために処方される漢方について、その種類や効果を解説しています。

医療機関で行われる治療というと西洋医学といった考えが一般的でしたが、近年、さまざまな医療機関で東洋医学による治療が行われています。そんな中注目されているのが漢方。皮膚科でもニキビ治療のひとつとして漢方薬の処方を行っているところがあります。

ニキビケアに効果的な漢方薬とその種類

ニキビ治療にはどのような漢方が用いられるのでしょうか。その種類と効果を紹介します。

清上防風湯(セイジョウボウフウトウ)

顔の炎症、ほてりを除去すると言われる漢方です。基本的に顔の皮膚病に用いられているので、背中ニキビなど身体に発生したものには向きません。炎症を抑える作用、膿を取り除く作用などが知られており、炎症を起こした赤ニキビ、黄色ニキビなどに向いた漢方と言えるでしょう。

基本的には体力がある人向けの漢方なので、冷え症の人、下痢しやすい人など、虚弱な人には不向きと言われており、注意が必要です。

桂枝茯苓丸加薏苡仁(ケイシブクリョウガンカヨクイニン)

強い炎症を起こしたニキビに有効とされる漢方で、その他、めまい、頭痛、生理痛などにも処方されます。漢方の世界で悪血と呼ばれる、血行障害、うっ血をともなう炎症に効果的です。更年期障害や冷えの治療にも用いられるので、どちらかというと女性に適した漢方と言えるでしょう。

体力が弱っている人には向かないので、その場合は自己判断での服用を控えましょう。

荊芥連翹湯(ケイガイレンギョウトウ)

鼻炎、扁桃炎、蓄膿症、ニキビなどに使われる漢方です。体力が普通以上の人で、さらに肌が黒く、手に脂汗をかく体質の人に向いているとされています。

衰弱している人には向かないほか、皮膚の発赤、かゆみ、食欲不振など副作用も報告されているので、服用時には一定の注意が必要です。

十味敗毒湯(ジュウミハイドクトウ)

漢方というと中国伝統医学を想定しがちですが、十味敗毒湯は江戸時代に日本の医師、華岡青洲が考案した和製の漢方薬です。ニキビ、湿疹、じんましん、水虫など皮膚炎全般に用いられており、汎用性が高い漢方といえます。

皮膚科で処方される漢方のメリット・デメリット

西洋医学が病気の原因を探り、その原因を叩く、というアプローチをするのに対し、漢方を含む東洋医学は体質に合わせて身体全体の状態をよくしていく、という方向から治療を行う傾向があります。理論、実験ではなく経験的であること、身体の抵抗力を最重要視することが、西洋医学との大きな違いといえるでしょう。

ただ、即効性では西洋医学に劣りますし、特にニキビ治療に関しては漢方だけでは少々、力不足なのも事実。基本的には補助的な治療法であり、漢方だけでニキビを根本から改善することは難しいため、皮膚科で根本的な治療を受けながらの併用として取り入れることをオススメします。

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