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粉瘤(アテローム)手術は痛い?手術後も痛みは続くの?
粉瘤(ふんりゅう=アテローム)を完治させるためには、手術で中にたまった嚢腫(のうしゅ)を取り除く必要があります。その手術方法はどういったもので、術後の痛みやダウンタイムはどの程度か、ドクター監修の記事で詳しくお伝えします。
粉瘤(ふんりゅう=アテローム)とは、皮膚の下にできた袋(嚢胞)に古い角質や皮脂がたまってできる良性腫瘍です。良性ではありますが、放置すると徐々に(ときには急激に)大きくなり、細菌に感染すると化膿することもあるため、ある程度の大きさになったものは治療がすすめられます。完治するには、手術を行う必要があります。手術の方法とダウンタイムについて解説します。
粉瘤(アテローム)手術の方法
基本的に、粉瘤を治療するにはすべての場合で手術が必要になります。手術には以下のような方法があります。
皮膚を切開する「小切開摘出術」
盛り上がりの中央にある開口部(皮膚に空いた小さな穴で、小さな黒い点状に見えることもあります)を中心に、できるだけ小さく皮膚を切開し、そこから嚢腫(のうしゅ)を引っ張り出す方法です。除去後には皮膚を縫合します。一般的な手順は次の通りです。
- 皮膚の上に、粉瘤のサイズや切開線をペンでマーキングします。皮膚切開は、腫瘍の直径の1~2倍の長さで、開口部を中心とした紡錘形(レモンのような形)にするのが一般的です。
- 局所麻酔の注射をします。
- マーキングした切開線に沿って切開します。
- 嚢胞(のうほう)を周囲から剥離しながら、ピンセットでつまんで袋ごと引っ張り出します。
- 嚢胞を取り出した後、皮膚を縫合して終了です。
この方法は、一度も炎症を起こしていない場合にすすめられます。炎症があっても軽い場合は、まず抗炎症剤や抗生剤で炎症を鎮め、それから摘出します。炎症がひどい場合は、一度切開して膿を出し、開いた状態で軟膏治療を行って傷が治るまで期間をおきます。症状が落ち着いたら改めて切除術を行いますが、この場合は炎症のない粉瘤よりも治療期間が長引き、傷跡も目立つようになります。
手術時間が短い「くり抜き法(へそ抜き法)」
ディスポーザブルパンチと呼ばれる、特殊なパンチ(円筒状のメス)で粉瘤に穴を開け、内容物をもみ出す方法です。除去後、しぼんだ袋(嚢胞)もすべて取り除きます。開ける穴の大きさは、粉瘤の大きさやできた部位によって変わります。主に、2~6mmサイズのパンチが用いられますが、中には1mmを持つクリニックもあります。一般的な手順は以下の通りです。
- 皮膚の上に、粉瘤のサイズをペンでマーキングします。
- 局所麻酔の注射をします。
- 特殊なパンチで嚢腫の袋を貫通するまで切り込み、粉瘤に穴を開けます。
- 穴から、粉瘤の中身をもみ出します。
- 中身がなくなってしぼんだ袋を取り除きます。小さいものであれば、中身をもみ出す際に袋も一緒に排出されることもあります。
最後の処置はクリニックやドクターによって異なります。「開いた穴を縫合」「縫合せずにガーゼやテープで保護」「縫合せずに浸潤療法」※1など、さまざまです。縫合しない方が傷跡が目立たなくなると判断した場合は縫合しないなど、傷口の状態を見て判断する場合もあります。
※1(浸潤療法):傷口が乾いてかさぶたができないよう、創傷被覆材(そうしょうひふくざい)と呼ばれる専用の絆創膏で傷を覆い、傷口から出る体液中の細胞成長因子の働きで自然治癒力を高める方法。
切除術に比べて手術が短時間で済むというメリットがある反面、縫合しない場合は傷口がふさがるまで時間がかかるというデメリットがあります。また、ヘソ抜き法は、足の裏や内容物が固形化した粉瘤には向きません。
手術後の痛みと手術跡
では、手術後はどのような経過で治癒していくのでしょうか。術後の痛みとダウンタイムについて見ていきましょう。
手術後の痛みは翌日程度まで
摘出術もヘソ抜き法も、麻酔が切れた後から翌日くらいまで痛みが残る場合があります。がまんできるくらいの痛みであることがほとんどですが、痛み止めの内服薬(鎮痛剤)を処方してもらえます。
縫合の傷跡は1年程で目立たなくなる
皮膚を縫合した場合は傷の治りがよく、約1週間後には抜糸できます。ヘソ抜き法で縫合しなかった場合は、完全に穴(傷)がふさがるまで2~3週間かかることがあります。また、クレーター状のニキビ跡のような若干の凹みが残ります。
縫合の傷跡は、半年~1年で目立たなくなることが多いです。顔など傷跡が気になる箇所は、皮膚のシワを利用したり、目立たない方向に切開することで、傷跡が極力残らないよう処置してくれる医療機関もあります。
医療機関(ドクター)によっては、手術用顕微鏡や炭酸ガスレーザーを用いたへそ抜き法などをとり入れ、より傷跡が目立たない方法を提供するところもあります。
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